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『アンクル・トムの小屋』を読む 高野 フミ(編) - 彩流社
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『アンクル・トムの小屋』を読む 反奴隷制小説の多様性と文化的衝撃

発行:彩流社
四六判
縦195mm 横135mm 厚さ25mm
重さ 420g
315ページ
上製
定価 2,800円+税
ISBN
978-4-7791-1247-8
Cコード
C0098
一般 単行本 外国文学、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2007年4月
書店発売日
登録日
2014年12月18日
最終更新日
2014年12月18日
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紹介

アメリカの奴隷制を正面から取り上げ、19世紀最大のベストセラーとなった『アンクル・トムの小屋』。
南北戦争のみならず、当時のゲームやファッションにも影響を及ぼし、近年には、女性作家、大衆小説の側面からの再評価が進んでいる。
奴隷制や人種問題、南北問題、キリスト教、家庭小説としての価値や女性運動、ジャーナリズムとの関係など、『アンクル・トム』が内包する複雑で多様なテーマをさまざまな角度から論じる初の本格的批評書。図版多数。

(社)日本図書館協会 選定図書
■書評……『英語青年』小林富久子氏(2007年10月号)
     『アメリカ学会会報』小林憲二氏(2007年11月・No.165)
     『アメリカ文学研究』No.45 武田貴子氏(2008年)

目次

▼序章 ハリエット・ビーチャー・ストー
  『アンクル・トムの小屋』出版まで(高野フミ)
1 ニューイングランドのビーチャー家~ハリエット誕生まで
2 少女時代~初めての本の出版まで
3 ボストンからシンシナティへ~初めての奴隷農場訪問
4 レーン神学校~結婚・試練・奴隷制問題
5 『アンクル・トム』出版まで

■第1部 『アンクル・トムの小屋』を読む
▼『アンクル・トムの小屋』の文学性
  奴隷制社会の言説(板橋好枝)
1 『アンクル・トムの小屋』の批評遍歴
2 「人間性」の言説
3 逆説の世界~自己中心的言説
4 感受性の麻痺と逃避
5 音声言語と魂の言葉

▼『アンクル・トムの小屋』の政治的感化力とキリスト教(野口啓子)
1 政治にもの申す女性
2 天の館としての家庭
3 天の法と世俗の法
4 天の法による清算
5 感傷という革命

▼『アンクル・トムの小屋』における北部と南部(前田陽子)
1 ストーの乏しい南部体験
2 ストーの描いた南部の農園
3 奴隷制を支える北部人
4 北部の女性と南部の女性
5 北部と南部の融合の試み

▼『アンクル・トムの小屋』と奴隷主たち(梅垣代枝野)
1 奴隷制と奴隷主
2 奴隷主たち~その虚と実
3 女主人たち~優雅さの陰の苦悩と冷酷さ
4 未来の奴隷主たち~ヘンリック、ジョージ・シェルビー
5 ストー~奴隷主の解放者

▼『アンクル・トムの小屋』におけるユーモア(中村千鶴)
1 ヒーローとヒロインを支える喜劇的な登場人物の役割
2 トリックスターとしてのトプシーの役割
3 道化師サムとアンディの役割
4 「盗み聞き」がもたらす喜劇的効果
5 白人たちの階級意識を反映するユーモラスな食の責任者たち

■第2部 『アンクル・トムの小屋』と十九世紀のアメリカ社会
▼『アンクル・トムの小屋』と家庭小説(藤井久仁子)
1 家庭小説の時代
2 移動する主人公
3 導く人と導かれる人
4 大胆な女性
5 『アンクル・トム』の家庭小説性

▼『アンクル・トムの小屋』とフェミニズム批評(池野みさお)
1 十九世紀半ばの女性運動
2 キャサリン・ビーチャーとグリムケ姉妹の狭間で
3 「救い主としての母親」~社会変革の原動力としての母性
4 「感傷の力」~女性中心の社会への夢
5 フェミニズム批評家による『アンクル・トムの小屋』の復権

▼『アンクル・トムの小屋』とスレイヴ・ナラティヴ
  ストーの色分けされた黒人たち(野口啓子)
1 一八五〇年代の奴隷制をめぐる言説
2 植民主義と人種偏見
3 『アンクル・トム』の色分けされた黒人たち
4 スレイヴ・ナラティヴがあばくもの~ダグラスの自伝を中心に
5 『アンクル・トム』における人種の問題

▼『アンクル・トムの小屋』と『共和国のロマンス』
  奴隷制におけるセクシュアリティと母性(伊藤淑子)
1 人種問題を映しだす鏡としての異人種間結婚
2 奴隷制によるセクシュアリティの搾取
3 人種を超越する手段としての友愛結婚と家父長制
4 奴隷が母親になることの絶望
5 家庭主義の希望と限界

▼『アンクル・トムの小屋』と『アーント・フィリスの小屋』
  南部の反応(山口ヨシ子)
1 「アンクル・トム・エピデミック」
2 南部人の『アンクル・トム』への関心と反発
3 奴隷制擁護論の根拠
4 南部女性によるストー批判に潜むもの
5 人種的混合への恐怖

▼『アンクル・トムの小屋』とジャーナリズム(山口ヨシ子)
1 十九世紀最大のベストセラー
2 宣伝の力と作家の力
3 新聞の特徴と連載小説の展開
4 黒人女性への性的迫害と白人女性への訴え
5 新聞連載小説から単行本の小説へ

版元から一言

執筆者紹介

高野 フミ(たかの・ふみ) 著者プロフィールに掲載

(社)日本図書館協会 選定図書
板橋 好枝(いたばし・よしえ)津田塾大学名誉教授 著書:『はじめて学ぶアメリカ文学史』(共編著、ミネルヴァ書房、1991)『ヒロインから読むアメリカ文学』(編著、勁草書房、1999)『アメリカ小説の変容』(共編著、ミネルヴァ書房、2000)訳書:『廃墟の愛(全2巻)』(ウォーカー・パーシー著、講談社、1976)

野口 啓子(のぐち・けいこ)津田塾大学教授 著書:『E.A.ポーの短編を読む』(共編著、勁草書房、1999)『ヒロインから読むアメリカ文学』(共著、勁草書房、1999)『アメリカ小説の変容』(共著、ミネルヴァ書房、2000)『ポーと雑誌文学』(共編著、彩流社、2001)『ヒーローから読み直すアメリカ文学』(共著、勁草書房、2001)『アメリカ文学にみる女性と仕事』(共編著、彩流社、2006)訳書:『眠れる森の美女にさよならのキスを』(マドンナ・コルベンシュラーグ 著、共訳、柏書房、1996)

前田 陽子(まえだ・ようこ)津田塾大学非常勤講師 著書:『ヒロインから読むアメリカ文学』(共著、勁草書房、1999)『ポーと雑誌文学』(共編著、彩流社、2001)『ヒーローから読み直すアメリカ文学』(共著、勁草書房、2001)『アメリカ文学にみる女性と仕事』(共編著、彩流社、2006)

梅垣 代枝野(うめがき・よしの)津田塾大学非常勤講師 著書:『ヒーローから読み直すアメリカ文学』(共著、勁草書房、2001)『アメリカ文学にみる女性と仕事』(共編著、彩流社、2006)

中村 千鶴(なかむら・ちづ)津田塾大学言語文化研究所特別研究員 著書:『E.A.ポーの短編を読む』(共編著、勁草書房、1999)『ポーと雑誌文学』(共編著、彩流社、2001)

藤井 久仁子(ふじい・くにこ)プール学院大学准教授 著書:『E.A.ポーの短編を読む』(共編著、勁草書房、1999)『アメリカ文学にみる女性と仕事』(共編著、彩流社、2006)

池野 みさお(いけの・みさお)津田塾大学准教授 著書:『ヒロインから読むアメリカ文学』(共著、勁草書房、1999)『ポーと雑誌文学』(共編著、彩流社、2001)『ヒーローから読み直すアメリカ文学』(共著、勁草書房、2001)訳書:『岩波=ケンブリッジ 世界人名辞典』(共訳、岩波書店、1997)

伊藤 淑子(いとう・よしこ)大正大学教授 著書:『ヒーローから読み直すアメリカ文学』(共著、勁草書房、2001)『家族の幻影』(大正大学出版会、2004)『史料で読むアメリカ文化史』(共著、東京大学出版会、2005)『アメリカ文学にみる女性と仕事』(共編著、彩流社、2006)

山口 ヨシ子(やまぐち・よしこ)神奈川大学教授 著書:『E.A.ポーの短編を読む』(共編著、勁草書房、1999)『ヒロインから読むアメリカ文学』(共著、勁草書房、1999)『ジェンダー・ポリティクスのゆくえ』(共著、勁草書房、2001)『ポーと雑誌文学』(共編著、彩流社、2001)『ヒーローから読み直すアメリカ文学』(共著、勁草書房、2001)『アメリカ文学にみる女性と仕事』(共編著、彩流社、2006)『女詐欺師たちのアメリカ』(彩流社、2006)
訳書:『歓楽の家』(イーディス・ウォートン 著、共訳、荒地出版社、1995)

著者プロフィール

高野 フミ  (タカノ フミ)  (

津田塾大学名誉教授。1936年に津田塾大学の前身である津田英学塾を卒業。津田塾大学にて50年近くにわたり教鞭を執る。その間、ラドクリフ大学大学院で修士号を取得し(1953)、フルブライト研究員としてラドクリフ研究所研究員となる(1956-57)。また、津田塾大学在職中に、国際大学婦人連盟(IFUW)において長らく指導的立場で活躍する(会長1980-83)。
著書:『Margaret Drabble in Tokyo』(共編著、研究社、1991)など。
論文:「Whitman's Spiritual Pilgrimage」(「英文学研究」、1957)「The Waste Land of Henry James」(Tsuda Review、1968)「Women in 19th Century American Fiction」(Tsuda Review、1978)ほか多数。
訳書:『Kabuki』(英訳)(研究社、1955)『アメリカ人』(ヘンリー・ジェイムズ著、荒地出版社、1958)『ウーマン・リヴ 女性は何を考え、何を求めるか?』(ケイト・ミレット著、共訳、早川書房、1971)『暴力について』(ハナ・アーレント著、みすず書房、1973)『ナディン・ゴーディマは語る アフリカは誰のものか』(ナディン・ゴーディマ著、監訳、岩波書店、1993)『マーガレット・ドラブル東京講演』(翻訳、研究社出版、1991)『対談 キャリアと家族』(マーガレット ドラブル・津島 佑子共著、高野 フミ 翻訳、岩波書店、1990) 『勝海舟の嫁 クララの明治日記〈上・下〉 (文庫)』(クララ ホイットニー著、一又 民子・岩原 明子・高野 フミ・小林 ひろみ共訳、中央公論社、1996) 『なぜ日本人は英語が下手なのか』(マーク ピーターセン・木下 是雄・上田 明子・高野 フミ共著、岩波書店、1990) ほか多数。

上記内容は本書刊行時のものです。