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食卓談義のイギリス文学
書物が語る社交の歴史
- 出版社在庫情報
- 在庫僅少
- 初版年月日
- 2006年8月
- 書店発売日
- 2006年8月1日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2019年7月26日
紹介
食卓で交わされる声・書簡・手稿・書物――初期近代イギリスの《食卓談義》から、文学サークルの歴史とそこから生みだされた言説の系譜をたどる。多種多様な《食卓談義》から浮き彫りにされるイギリス文学・文化論。
目次
▼食卓談義の解剖学(小野 功生)
▼書斎の中のシドニー・サークル
――スペンサーの友情伝説を読む(竹村 はるみ)
序――文壇に美談あり/書物が取り持つ縁
「書簡の猿芝居」/当世秘書気質
私設秘書の裏稼業/ダブリンの読書会
出版計画は食卓で/書籍商の手稿コレクション
驚異の年/結び――書斎の中のシドニー・サークル
▼新しき社交空間を求めて
――ベン・ジョンソンの〈アポロの部屋〉前史(佐々木 和貴)
ジョンソンの〈悪魔亭〉/好古家協会とジョンソン
〈人魚亭〉のジョンソン/スコットランドのジョンソン
〈アポロの部屋〉ふたたび
▼ピンダロス的転回
――17世紀イングランドの夭折をめぐる詩学と政治学(末廣 幹)
プロロゴス――サグントゥムの嬰児
ストロペ――夭折する「息子」たち
アンティストロペ――生き長らえる神童
エポドス――生き長らえるピンダロス風オード
▼共和主義サークルという記号
――ロータ・クラブからカーヴズヘッド・クラブへ(小野 功生)
共和主義は死なず、ただ……?/狡猾な「ロータの人々」
ヴァーチュオーソも投票が好き/「臀部」が頭になる
「臀部」は燃える/「ロータの非難」という様式
ドライデンにも「ロータ」の嫌疑が/グリーンリボン・クラブ
「カーヴズヘッド・クラブ」とミルトン/浮遊する「ミルトン」
仮想の文学サークルの方へ
▼身体なき食卓談義
――書物愛のプロソポグラフィ(圓月 勝博)
『食卓談義』的君主論/オーラル・ヒストリーの源流としての食卓談義
書物の人のプロソポグラフィ/文字で読みたい食卓談義
食卓談義と活字出版の壁を超えて
ドライデンの出版業者トンソンはミルトンが好き
コンパニオン・アンソロジー・クラブ
キットキャット・クラブとラファエルの楽園
▼ドルーリー・レインの三頭政治
――18世紀初期ロンドンの劇場をめぐる政治学(南 隆太)
変化の時代――劇作家より大切な……
それは乱闘からはじまった――第一次三頭政治への道
三頭政治は演劇を変えたか?/『カトー』は第二次三頭政治を生むか
喜ばしき革命/実録――ドルーリー・レイン攻囲
演劇改良はドルーリー・レインを救えるか――一つの時代のおわり
▼食卓談義から紙上の饗宴へ
――クラブの文化と18世紀のアンソロジー(原田 範行)
衝立の後ろで息をひそめるサミュエル・ジョンソン
クラブの成熟、もしくは解体――公共圏の実態
不発に終わった食卓談義――英語アカデミー構想
新たな仕掛け人――ケイヴからドッズリーへ
紙上の饗宴――18世紀のアンソロジー
宴がはねて
▼あとがき――われもまた食卓談義にありき(圓月 勝博)
版元から一言
(社)日本図書館協会 選定図書
■書評……東京新聞・中日新聞(2006年9月3日)
『英語青年』久野陽一氏(2006年12月号)
紀伊國屋書店 書評空間 高山宏氏(2007年6月8日)
『英文学研究』大野雅子氏(2007年 第84巻)
執筆者(論文掲載順)
▼竹村はるみ
現在、姫路獨協大学外国語学部助教授。
主要著書に『詩人の王スペンサー』(共著、九州大学出版会、1997)『ゴルディオスの絆 結婚のディスコースとイギリス・ルネサンス演劇』(共著、松柏社、2002)がある。
▼佐々木和貴
現在、秋田大学教育文化学部教授。
主要著書に『新歴史主義からの逃走』(共著、松柏社、2001)『国家身体はアンドロイドの夢を見るか 初期近代イギリス表象文化アーカイヴⅠ』(共著、ありな書房、2001)『演劇都市はパンドラの匣を開けるか 初期近代イギリス表象文化アーカイヴⅡ』(編著、ありな書房、2002)がある。
▼末廣幹
現在、専修大学文学部教授。
主要著書に『国家身体はアンドロイドの夢を見るか 初期近代イギリス表象文化アーカイヴⅠ』(編著、ありな書房、2001)『演劇都市はパンドラの匣を開けるか 初期近代イギリス表象文化アーカイヴⅡ』(共著、ありな書房、2002)『シェイクスピア 世紀を超えて』(共著、研究社、2002)『イギリス革命論の軌跡』(共著、蒼天社出版、2005)『〈帝国〉化するイギリス 一七世紀の商業社会と文化の諸相』(共著、彩流社、2006)などがある。
▼小野功生
現在、フェリス女学院大学文学部教授。
主要著訳書に『挑発するミルトン 「パラダイム・ロスト」と現代批評』(共著、彩流社、1995)『クリストファー・ヒル評論集(全4巻)』(共訳、法政大学出版局、1991~1999)『イギリス革命論の軌跡 ヒルとトレヴァ=ローパー』(共著、蒼天社出版、2005)『十七世紀英文学と戦争』(共著、金星堂、2006)『〈帝国〉化するイギリス 一七世紀の商業社会と文化の諸相』(共編著、彩流社、2006)などがある。
▼圓月勝博
現在、同志社大学文学部教授。
主要著訳書に『挑発するミルトン 「パラダイス・ロスト」と現代批評』(共著、彩流社、1995)ヒル『クリストファー・ヒル評論集(全4巻)』(共訳、法政大学出版局、1991~1999年)Milton and the Terms of Liberty(共著 D. S. Brewer, 2002)Cambridge Companion to John Dryden(共著 Cambridge UP, 2004)『〈帝国〉化するイギリス 一七世紀の商業社会と文化の諸相』(共著、彩流社、2006)などがある。
▼南隆太
現在、愛知教育大学外国語教育講座助教授。
主要著書に『Performing Shakespeare in Japan』(共編著 Cambridge University Press, 2001)『国家身体はアンドロイドの夢を見るか 初期近代イギリス表象文化アーカイヴⅠ』(共著、ありな書房、2001)『演劇都市はパンドラの匣を開けるか 初期近代イギリス表象文化アーカイヴⅡ』(編著、ありな書房、2002)『Cambridge Companion to Shakespeare on Stage(共著 CambridgeUniversity Press, 2002)『English Studies in Asia』(共編著 Silverfish, 2006)などがある。
▼原田範行
現在、杏林大学外国語学部教授。
主要著訳書に『図説 本と人の歴史事典』(共著、柏書房、1997)『読書の歴史』(柏書房、1999)『イギリス文学と旅のナラティヴ』(共著、慶應義塾大学出版会、2004)『新しい世界への旅立ち』(共著、岩波書店、2006)『クック南半球周航記(上・下)』(岩波書店、2006)などがある。
上記内容は本書刊行時のものです。