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ファルスについて
偏愛的作家論
- 発売予定日
- 2026年6月19日
- 登録日
- 2026年4月9日
- 最終更新日
- 2026年6月4日
紹介
「ひさしぶりに本を出すことになった。書評集『本を読む。』以来だからじつに8年ぶり。どれも既発表なのは前著と同様で、当然のことながら見覚えのある論旨はあってもすべて単著に未収録の論考やエッセイからなっている。私自身書いたことを忘れていた文章もあったが、どこかに置き忘れていたパズルのピースが舞い戻ってきたようでうれしい。楽しんでお読みいただければ、と思う次第」(本書あとがきより)
明治の幸田露伴から平成の須賀敦子まで。『乱歩と東京』(日本推理作家協会賞)『うわさの遠近法』(サントリー学芸賞)『群衆』(読売文学賞)『闇のなかの石』(伊藤整文学賞)の著者にして全国紙書評委員を務めること20年、「本の目利き」が綴った日本近現代文学・作家案内。
目次
Ⅰ
味露記 幸田露伴讃
幸田露伴、釣り糸を垂らす
雑巾がけも奥が深い 露伴から文へ
美人論、即、写真論 「露団々」「艶魔伝」を読む
「かくれんぼ」の新しさ 斎藤緑雨
タテヨコについて横になって考える 宮武外骨と夏目漱石
生を写す鏡、小さな季節 正岡子規
子規の「写生」と写真論
Ⅱ
優しい男、生涯が詩人だった 石川啄木
なぜ終わりのない話を書きつづけたのか 中里介山『大菩薩峠』
なま若さの魅力 佐藤春夫『田園の憂鬱』
路地、何も変わったところではない 室生犀星
遊民からロボットへ 探偵小説の系譜
「不健全派」小酒井不木の位置
うわさの誕生 夢野久作の小説群
殺人よりもステキな怖さ 夢野久作の東京ルポルタージュ
Ⅲ
月はすきまから睨む 内田百閒
永遠の捨て子がみる夢 石川淳
無精な天才の大ファルスについて 山田風太郎『忍法封印いま破る』
ヒトに還る場所 深沢七郎
自在な眼の怖さ 色川武大『遠景』
ラディカリズムとしての中庸 物語作者・澁澤龍彦
繭のなかのやさしさ 中上健次『讃歌』
Ⅳ
星々輝かした偉大な闇 追悼・山田風太郎
餓鬼大将の節度 追悼・種村季弘
いったいどこに隠れているのだろう 追悼・久世光彦
悲しむのはこれからだ 追悼・川村二郎
須賀さんとの会話 須賀敦子のイタリアへ
あとがき
初出一覧
版元から一言
登場する作家は明治期の第1部――幸田露伴、斎藤緑雨、宮武外骨、夏目漱石、正岡子規、大正前後の第2部――石川啄木、室生犀星、佐藤春夫、江戸川乱歩、久生十蘭、夢野久作、小酒井不木、中里介山、戦後篇の第3部――内田百閒、石川淳、山田風太郎、色川武大、深沢七郎、中上健次、渋澤龍彦、追悼文集の第4部――山田風太郎、種村季弘、久世光彦、川村二郎、須賀敦子。すべて著者単独著に未収録の論考・エッセイで構成。
上記内容は本書刊行時のものです。
