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サイフォンの科学史
350年間の間違いの歴史と認識
- 出版社在庫情報
- 品切れ・重版未定
- 初版年月日
- 2012年12月
- 書店発売日
- 2013年1月12日
- 登録日
- 2012年12月15日
- 最終更新日
- 2017年5月1日
紹介
液体をいったん高い所に上げて,低い所に移すための曲管。それがサイフォン。古代から使われていた技術で,今でも石油ポンプや排水管などに利用されている。
サイフォンがなぜ動くのかは,350 年前から「大気圧が原因」と言われてきた。しかし,その原因は大気圧ではなかった!
サイフォンをめぐる間違いの歴史を科学史的に解明。さらにサイフォンの原理を教える授業書を付す。
目次
はしがき
1部 サイフォンの科学史
序章 サイフォンとの出会い
第1章 サイフォンは大気圧によって動くか?
第2章 大気圧説はどのように広まったか?
第3章 大気圧説の起源を探る
第4章 〈鎖モデル〉の有効性
第5章 〈水分子の鎖〉を垂らす方法
2部 授業書《〈水分子の鎖〉とサイフォン》
第1部 水はどっちから出る?
第2部 教訓茶碗のしくみ
第3部 〈水分子の鎖〉を垂らす方法
実験的〈科学史・科学教育〉研究の提唱~あとがきにかえて~
前書きなど
この本は,〈サイフォンの原理をめぐる科学の歴史〉を,私の知る限り,世界で初めて明らかにしたものです。そして,それだけではなく,副題に「350年間の間違いの歴史と認識」とあるように,〈この間違いの歴史を通して,科学と認識,そして科学教育について根源的に考える事例〉としても大きな意味を持っていると私は考えています。
「サイフォン」という言葉はギリシア語で「管」という意味です。サイフォンというと「コーヒー・サイフォン」を思い浮かべる人も多いことでしょう。コーヒー・サイフォンにもガラスの〈まっすぐな管〉が使われています。でも,この本で扱うサイフォンは,水などの液体を,一度,高い所を通して,もとよりも低い所へ流す〈曲がった管〉のことです。
本文10ページの図を見てください。サイフォンといってもビニールホースが曲がっているだけです。そんな簡単な道具ですから,「なぜこれでバケツの水をくみだすことができるか」という〈サイフォンの原理〉は350年前から「解明」されていました。正しくは「解明したと考えられて」いました。
ただし,ここで,あまり内容について書いてしまうと,推理小説の結末を最初に聞かされてしまうようで,興ざめです。最初に書いたことが本当かどうかは,ぜひ,読者のみなさんに判断,評価していただきたいと思います。
版元から一言
今までの「サイフォン」の常識を完全に覆す本です。
上記内容は本書刊行時のものです。