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カワウソ村の火の玉ばなし
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2011年6月
- 書店発売日
- 2011年6月20日
- 登録日
- 2011年4月12日
- 最終更新日
- 2011年6月20日
紹介
昔、カワウソ村とよばれておったここらは、雨の晩には、すすけた提灯のような火の玉が飛びよったと。カワウソ村のもんは、お宮に入れん決まりやったから、どんなに相撲がすきでも秋祭りの宮相撲は見られんやった。ある年、カワウソ村の才三は、どうしても宮相撲が見たくて顔をかくして入り込んだのだが・・・。福岡県筑後地区の古老の語りを子どもたちも読みやすい絵本に翻案。語り口を生かした巧みなテキストと、力強く滋味あふれる絵は、絵本の醍醐味を味わえる一冊となるでしょう。
前書きなど
本書は、福岡県筑後地区の古老の語りを組坂繁之さんが採録した「被差別部落に伝わる民話」の中の一編を、子どもにも読みやすい絵本のテキストとして再構成したものです。原話では、組坂さんの父君の語りが、「火の玉のはなし」として六百字、十四ページにわたって紹介されていますが、この絵本では地方の語り口を残しながら、十六場面の物語に翻案しました。「梅ヶ谷」という横綱名の登場からして時代は明治後半あたりを想定し、場所をカワウソ村としたのは、原話に近い雰囲気をと考えての便宜上の付けたしです。ほかにも、絵本としての流れを考慮していくつかの場面を脚色し、小さい読者の興味をさそう配慮をしました。長谷川義史さんの力強く滋味あふれるページをたどりながら、往時の被差別部落をめぐる人間模様を振り返っていただけたらと、切に願う次第です。
山下明生
版元から一言
文字をもたない古老の口承によって伝えられた話の語り口が生かされた、山下明生さんによる匠のわざとも言える読みやすいテキストと、人気絶頂の長谷川義史さんの絵は必読、必見の価値があります。ナンセンスやほんわか暖かいお話が得意な長谷川さんが、恐い火の玉のはなしに挑戦。迫力ある中にもユーモラスな絵を披露してくれます。新しく絵本に生まれ変わり、語り伝えられた芯のところが心に響きます。
上記内容は本書刊行時のものです。