書店員向け情報 HELP
出版者情報
書店注文情報
在庫ステータス
取引情報
レイシズム・スタディーズ序説
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2012年9月
- 書店発売日
- 2012年9月24日
- 登録日
- 2012年9月10日
- 最終更新日
- 2016年3月16日
紹介
人種主義(レイシズム)が立ち現われる現場は、ある社会的な関係が人体の特徴などを通して反照し、私と他者の自己画定(アイデンティティ)を同時に限定するときである。この投射されたアイデンティティ・ポリティックスは現代のあらゆる社会関係に随伴する。本書は、この視点から、近代化とグローバル化で不透明化された現代を読み解く壮大な試みである。
目次
■レイシズム・スタディーズへの視座
酒井直樹
■グローバル化するレイシズム
テッサ・モーリス=スズキ
レイシズムの定義/グローバル化の背景/典型的な発言/オランダ極右のメディア利用
オーストラリアの人種差別的暴動とラジオ/在特会による映像の詐術
レイシズムへの対抗策
■移民/先住民の世界史 イギリス、オーストラリアを中心に
テッサ・モーリス=スズキ(聞き手・李孝徳)
イギリスからオランダ、ソ連、日本、韓国、オーストラリアへ/イギリスの移民問題
労働運動における人種問題の不可視化
イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランド
オーストラリアの白豪主義と移民問題/アボリジニとオーストラリア社会/アイヌと日本
多文化主義、教育とメディア/差別と政治/ヨーロッパの普遍主義と人種差別
■共和主義とレイシズム フランスと中東問題を中心に
鵜飼哲(聞き手・李孝徳)
原理主義を使ってアラブ左派を排除/フランスの異邦人/アフリカとイスラム
移民と郊外/SOSラシズムのすごさと限界/ヨーロッパの現状
ユダヤ系知識人の変貌/ルナンの国民概念の陥穽/「人間」主義とレイシズム
同化/イスラムと近代/西洋にとってのイスラムと、日本にとっての朝鮮、中国
学術人類館
■近代化とレイシズム イギリス、合州国を中心に
酒井直樹(聞き手・李孝徳)
差別の現場に立ち会う/差別の不可視化/マルクス主義と人種問題
移民法と対日戦争/地域研究のまなざしの構造/地域研究と比較文学の新しい流れ
被害者を加害者に追い込む暴力/ルサンチマンによる政治の再構成
反面教師としての日本/田辺元の人種主義批判と帝国的国民主義
■新しいレイシズムと日本
鵜飼哲×酒井直樹×テッサ・モーリス=スズキ×李孝徳
レイシズム分析の射程/日本のポストコロニアル/血統主義と生地主義
血統主義と生物学的レイシズム/戦前日本の人種主義体制/レイシズムの多様性
国民の資格/日本の移民政策の現状/国民意識と人種主義/戦後世界の移民政策
国籍と戸籍、日英比較/帝国の喪失と忘却/多文化主義の難しさ
日本人でしかなくなった日本人/被害者意識と差別/中国へのルサンチマン
「歴史による権利」「労働による権利」/反レイシズムと法律
国民国家論以後の学問状況/辺境から眺める
■レイシズムの構築
エティエンヌ・バリバール(訳・佐藤嘉幸)
■用語解説
■参考文献
上記内容は本書刊行時のものです。