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これから100年放射能と付き合うために
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2012年3月
- 書店発売日
- 2012年3月17日
- 登録日
- 2012年2月2日
- 最終更新日
- 2023年3月15日
目次
はじめに
1章 現状を把握しましょう
今回の事故でどれくらいの放射性物質が放出されたのでしょうか。
あらためて、外部被ばくと内部被ばくの違いについて教えてください。
上空から放射線量をモニタリングしたデータは、信頼できますか。
放射能は毎日少しなら浴びてもよいのですか。
低線量の被ばくが蓄積すると、どんなことが起きますか? チェルノブイリの事例を教えてください。
年間100ミリシーベルトまでなら健康被害はないという専門家がいます。なぜ、専門家によって見解が違うのですか?
たばこを吸うことによる発がんリスクなど、放射能災害の健康へのリスクとのさまざまな比較がありますが、比べられるのですか?
空間線量を年間被ばく量に換算する方法は?
自分で買った測定器で放射線を測ると、自治体が発表しているデータよりも高い値が出ます。
放射線測定器の正しい測定方法を教えてください。
2章 いまからできる防護策<食・除染・生活>
日本の食品の暫定規制値はベラルーシなどに比べて高すぎないでしょうか。
子どもには汚染されていない食品を食べさせたほうがいいのでしょうか?
牛肉から高濃度のセシウムが検出されました。豚や鶏や卵は大丈夫ですか?
太平洋の魚は今後、食べても大丈夫ですか? 食物連鎖はどうなりますか?
お茶から高濃度のセシウムが検出されました。飲んでもだいじょうぶですか。
学校では安全と言われますが、給食を食べさせるのが心配です。
自分で除染できますか。
除染が終われば、汚染された地域でも暮らせるのでしょうか。
健康被害を防ぐため、医療機関とはどのように付き合えばいいでしょう。
低線量被ばく対策として、食生活で注意することはありますか。
調理で放射能汚染を減らすことはできますか。
外で遊ぶときに注意することはありますか。
その他、生活の中で注意したほうがよいことを教えてください。
3章 松本市の取り組みについて
チェルノブイリと比較し、どれくらいの範囲で避難が必要だと考えますか?
松本市は被災地の人を受け入れていますか?
そのほか、松本市が実践している取り組みを教えてください。
自治体が、今できることは何でしょうか。
チェルノブイリから見える未来
前書きなど
はじめに
東日本大震災をきっかけにして起きた、福島第一原子力発電所の事故から間もなく1年がたとうとしています。この間、事故に対する国や東京電力、経産省原子力安全・保安院の対応は、残念なことにすべてが後手後手だったと言うほかありません。
わが国は、世界で唯一の原爆による被ばく国であり、世界第三位の原発大国であるにもかかわらず、放射能災害に対する危機管理においては、まったくの無策でした。また、25年前に起きたチェルノブイリ事故の教訓も、少しも生かされませんでした。
政府を始めとするさまざまな機関は、放射能災害とはどういうものであるか、実態を知らないままに対処しているように見えます。これでは国民の不信感が高まるのも無理はありません。
私は放射能の専門家ではありませんが、医師としてチェルノブイリ被災地で5年間暮らした経験があります。現地で医療支援を行いながら、原子力発電所で事故が起きると、人々の暮らしがどう変わるのか、どんな健康被害が出るのかを、身をもって体験してきました。
福島第一原発の事故から2か月たったとき、その経験をもとに『子供たちを放射能から守るために』という本を出版しました。汚染の現実がはっきりと見えない時期でしたが、チェルノブイリの経験をできる限り伝えようと試みました。あれから時は流れ、被災の状況は徐々に明らかになり、福島第一原発も落ち着いてきたかのように見えます。
しかし、私たちの闘いは始まったばかりです。
チェルノブイリ被災地では、事故から5年ほどたって健康被害が急増しました。そして25年たった現在も、終息はしてはいません。汚染された土地で暮らさなければならなくなった私たちも、これからどのように生きていけばよいか、長い目で考えていく必要があります。
そこで今一度、チェルノブイリの教訓に学ぶ本が作りたいと考えました。チェルノブイリで何が起きていたのか、私の知る限りをお知らせし、現在松本市が行っている取組みについても知っていただけたらと考えています。
その土地に住み続けてよいのか。基準値以内なら食べてもよいのか。私たちは最終的には、自分で判断するしかありません。この本が、みなさんの判断の手がかりになればと願っています。
版元から一言
目をそらさない、忘れない。
福島第一原子力発電所の事故から、まもなく1年。
原発は一見落ち着いてきたかのように見えます
が、健康被害の実態、食の安全性……まだまだ、
わからないことだらけです。
チェルノブイリ原発事故での5年にわたる医療支
援の経験を活かし、現状の把握や今から自分でき
る放射能対策について、菅谷昭さんに再び語って
いただきました。
松本市における給食での取り組みや福島支援は、
松本市民のみならず、全国的に注目を集め、お母
さんたちの圧倒的な支持を得ています。
上記内容は本書刊行時のものです。