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左派ポピュリズムのために シャンタル・ムフ(著) - 明石書店
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左派ポピュリズムのために
原書: For a Left Populism

発行:明石書店
四六判
152ページ
上製
価格 2,400円+税
ISBN
978-4-7503-4772-1
Cコード
C0010
一般 単行本 哲学
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年1月31日
書店発売日
登録日
2019年1月22日
最終更新日
2019年2月13日
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書評掲載情報

2019-12-08 毎日新聞  朝刊
評者: 中島岳志(東京工業大学教授・政治学)
2019-09-28 朝日新聞  朝刊
評者: 山本圭(立命館大学准教授・政治学)
2019-08-04 毎日新聞  朝刊
評者: 中島岳志(東京工業大学教授・政治学)

紹介

私たちはまさに「ポピュリスト・モーメント」の只中にいる――。「ポスト政治」的状況において、左派ポピュリズムの可能性とは何か。「少数者支配」に対抗する「人民」を構築し、民主主義を回復・深化させるためのラディカル・デモクラシー戦略を提示する。

目次

序論
1 ポピュリスト・モーメント
2 サッチャリズムの教訓
3 民主主義を根源化すること
4 人民の構築
結論

 付録
 謝辞
 原注
 訳注
 訳者解題
 索引

前書きなど

訳者解題

 (…前略…)

4 『左派ポピュリズムのために』について

 本書が介入するのは以上のような政治的情況である。二〇一八年に翻訳が刊行されたエルネスト・ラクラウの『ポピュリズムの理性』(澤里岳史、河村一郎訳、明石書店、二〇一八年)が理論篇であるとすれば、本書『左派ポピュリズムのために』はその実践篇といってよい。本書は、専門の政治学者や社会科学者に向けた学術書というより、より幅広い一般読者を想定して書かれている。そのためか、彼女は自身の党派性を隠そうともしていない。「状況のなか」に身をおいて思考する、そのマキャヴェッリ仕草は、まさに強い危機感によって突き動かされたものだろう。
 すでに述べたように、『民主主義の革命』からおよそ三五年を経て、ラディカル・デモクラシーは後退を強いられており、拡大の一途をたどる経済格差は、いまや政治的影響力の格差に直結している。「少数者支配」と本書で呼ばれるこの情況の背景には、新自由主義的なヘゲモニーの時代における、自由主義、とりわけ経済リベラリズムの中心化と民主主義の空洞化がある。それゆえ、まずもってなされなければならないのは、自由主義と民主主義の「闘技的な緊張関係」を取り戻し、自由民主主義を立てなおすことである。具体的には、ウォルフガング・シュトレークのいう「社会的公平性」、つまり「健康、社会的安心、地域共同体への関与、雇用保護、労働組合の結成等々についての市民権や人権」といった「経済的実績や活動能力とは無関係に生活維持のための最低基準の要求を認める」原則を再度打ち立てなければならないのだ。そして、この民主主義のもつ平等原理の回復と深化をめざすところに、左派ポピュリズムの左派たる所以がある。

 (…後略…)

著者プロフィール

シャンタル・ムフ  (シャンタル ムフ)  (

ベルギー生まれ。現在、ウェストミンスター大学民主主義研究所教授(政治理論)。ハーバード大学、コーネル大学、プリンストン大学先端研究所、パリ国立科学研究センター(CNRS)などでの研究職や、コロンビア国立大学、ロンドン市立大学、ロンドン大学ウェストフィールド・カレッジなどの教授を歴任。パリ国際哲学カレッジにも参画。邦訳に、『政治的なるものの再興』(千葉眞・土井美徳・田中智彦・山田竜作訳、日本経済評論社、1998)、『民主主義の逆説』(葛西弘隆訳、以文社、2006)、『政治的なものについて』(酒井隆史監訳、篠原雅武訳、明石書店、2008)、エルネスト・ラクラウとの共著『民主主義の革命』(西永亮・千葉眞訳、ちくま学芸文庫、2012)などがある。

山本 圭  (ヤマモト ケイ)  (

立命館大学法学部・准教授。専門は現代政治理論、民主主義論。名古屋大学・大学院国際言語文化研究科単位取得退学。博士(学術)。主な著作に『不審者のデモクラシー――ラクラウの政治思想』(岩波書店、2016)、『ポスト代表制の政治学――デモクラシーの危機に抗して』(共編著、ナカニシヤ出版、2015)、『〈つながり〉の現代思想――社会的紐帯をめぐる哲学・政治・精神分析』(共編著、明石書店、2018)などがある。訳書に、エルネスト・ラクラウ『現代革命の新たな考察』(法政大学出版局、2014)、ヤニス・スタヴラカキス『ラカニアン・レフト――ラカン派精神分析と政治理論』(共訳、岩波書店、2017)などがある。

塩田 潤  (シオタ ジュン)  (

神戸大学・大学院国際協力研究科博士後期課程在籍。専門は政治社会学。ピサ高等師範学校人文社会科学研究科留学。研究対象はアイスランドにおける金融危機後の社会運動と制度内政治の関係性、とくに、運動政党、反緊縮運動、憲法改正運動。論文に「アイスランド海賊党の台頭政治的意思決定プロセスにおける排除と包摂」(『北ヨーロッパ研究』第13巻、2017)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。