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希望 オーストラリアに来た難民と支援者の語り
多文化国家の難民受け入れと定住の歴史
原書: Hope, Refugees and their Supporters in Australia since 1947
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2018年9月10日
- 書店発売日
- 2018年9月10日
- 登録日
- 2018年8月30日
- 最終更新日
- 2018年9月25日
書評掲載情報
2018-11-11 | 東京新聞/中日新聞 朝刊 |
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紹介
世界中で懸案となっている難民問題。オーストラリアの戦後史の一部をなしている難民について、戦争、政治・宗教・民族的迫害等の難民当事者の語りとあわせ言語教育、心理的ケア、庇護申請者へのコミュニティサポートなど具体的な支援のあり方を紹介する。
目次
日本語版に寄せて
序言(フランク・ブレナン イエズス会神父)
まえがき(リチャード・トウル)
略語一覧・凡例
第一部 命がけの希望
序章
第一章 第二次世界大戦――ドイツ、ハンガリー
ピーター・ウィティング
ラズロ・マカイ
第二章 政治的迫害――チリ、ベトナム
エルバ・クルズ=ザヴァラ
ヴァン・フン
第三章 抑圧に立ち向かう――アフガニスタン、南アフリカ
マムード・サイカル
ラメシュ・ゴヴィンド
第四章 宗教的・民族的迫害――イラン・コソボ
シミン・ファルザン
ジゼリ・オスマニ
第五章 追われる子どもたち――アフガニスタン、ビルマ
ムスタファ・ジャワディ
パ・リ・ル
第六章 民族紛争――スーダン、リベリア
アテム・ダウ・アテム
ピーター・デニス
第二部 希望を支える
第七章 一九五〇年~一九九九年――コミュニティによる協力
第八章 教育とケア
第九章 二〇〇一年以降の庇護申請者へのコミュニティ支援
第一〇章 オーストラリア国内外での難民支援
終章
原著者による謝辞
出典
解説――難民とオーストラリア、そして日本(飯笹佐代子)
訳者あとがき
前書きなど
日本語版に寄せて(アン=マリー・ジョーデンス)
私が本書を書いたのは、文化が違っていても難民は私たちと同じ人間だということを、読者が理解する助けになりたかったからです。故郷を逃れることを余儀なくされた難民の苦しみを想像するのは容易なことではありません。第二次世界大戦後、オーストラリアはおよそ八〇万人もの難民を受け入れてきました。最初の難民が到着したとき、オーストラリアの人口はおよそ七五〇万で、基本的に白人・イギリス系の国という自覚がありました。
本書の物語は一九四七年以降の、オーストラリアの難民受け入れと定住政策の大きな変化を振り返っています。当初は、共産主義の国を逃れてきたヨーロッパ系の白人難民のみが白豪主義下で受け入れられました。この白豪主義は、当時社会で認識されていた人種的統一を保つためのものでした。ベトナム戦争に加担したことで、オーストラリアは紛争から逃れた難民を再定住させる国際的取組に従事することになりました。この難民たちによって、私たちはオーストラリアがアジアの一部だと実感することになったのです。一九七〇年代以降は、アジア、アフリカ、南アメリカなどますます多様な国々からの難民がやって来ました。今こん日にち、オーストラリアは七五〇万人もの移民と難民を擁する国です。これらの人びとによって、多文化国家を誇れるようになったのです。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。