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欧米社会の集団妄想とカルト症候群 浜本 隆志(編著) - 明石書店
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欧米社会の集団妄想とカルト症候群 (オウベイシャカイノシュウダンモウソウトカルトショウコウグン) 少年十字軍、千年王国、魔女狩り、KKK、人種主義の生成と連鎖 (ショウネンジュウジグンセンネンオウコクマジョガリクークラックスクランジンシュシュギノセイセイトレンサ)

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発行:明石書店
四六判
400ページ
上製
価格 3,400円+税
ISBN
978-4-7503-4243-6   COPY
ISBN 13
9784750342436   COPY
ISBN 10h
4-7503-4243-2   COPY
ISBN 10
4750342432   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2015年9月
書店発売日
登録日
2015年9月10日
最終更新日
2016年6月2日
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書評掲載情報

2015-10-18 朝日新聞
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紹介

現代の問題とも深く関わる集団妄想やカルトは、過去の欧米諸国において、どのようなものが生まれ、猛威を振るったのか。その生成のメカニズムを、異端狩り、魔女狩り、人種差別ほかの豊富な事例を通史的に展望しながら宗教・社会史的な視点から考察する。

目次

序章 欧米の集団妄想とカルト症候群[浜本隆志]

第1章 もう一つの十字軍運動と集団妄想[浜本隆志]

第2章 フランス、ドイツ、スペインの異端狩り[浜本隆志]

第3章 ペストの蔓延と鞭打ち苦行者の群れ[浜本隆志]

第4章 トレントの儀礼殺人とユダヤ人差別[森貴史]

第5章 人狼伝説から人狼裁判へ[溝井裕一]

第6章 ミュンスターの再洗礼派と千年王国の興亡[浜本隆志]

第7章 魔女狩りと集団妄想[浜本隆志]

第8章 アメリカに飛び火したセイラムの魔女狩り[浜本隆三]

第9章 フランスの王政復古と幻視──天空の十字架、大天使の出現、蘇る聖遺物崇敬[柏木治]

第10章 ルルドの奇蹟と聖母巡礼ブームの生成[柏木治]

第11章 カンパーの顔面角理論からナチスの人種論へ[森貴史]

第12章 アメリカの秘密結社クー・クラックス・クラン──人種差別団体の実像[浜本隆三]

第13章 ヒトラー・ユーゲントの洗脳[細川裕史]

第14章 ヒトラー演説と大衆[高田博行]

終章 集団妄想とカルト症候群の生成メカニズム[浜本隆志]

 あとがき

 主要参考文献一覧
 図版出典一覧
 編著者紹介・執筆者紹介

前書きなど

あとがき

 集団妄想やカルト症候群は、欧米だけでなくもちろん日本でも、これまで何件か発生してきた。よく知られているものとしては、幕末の1867年8月から12月にかけての「ええじゃないか」騒動がある。これは、伊勢神宮のお札が降ったという噂をきっかけに、人びとが「ええじゃないか」と踊りながら練り歩き、富商などの家へ押しかけてどんちゃん騒ぎを繰り返すというものだ。「ええじゃないか」は関西、東海、四国地方に広がった騒ぎであったが、江戸幕府の没落から明治という新しい時代への転換期を時代背景にしている。なお、討幕派が意図的に仕組んだ運動という説もある。
 これは純粋に日本型の集団妄想のようであるが、じつはそうではない。われわれが本文で確認したように、ヨーロッパの十字軍運動やペスト蔓延時に、キリストや聖母マリア、天使からの手紙が届いたという噂を根拠に、民衆十字軍および少年十字軍の運動が盛り上がりをみせた現象、さらに舞踏病の憑依やペスト蔓延のパニックなどと構造的に類似していることがわかる。
 何かをきっかけにして噂が瞬く間に広がって、異常な行動が伝染するというのは、一つのパターン化された現象である。このような集団妄想や集団ヒステリーは、時代の転換期に多発していることが確認できる。群集心理には、日本や欧米という文化の差を越えて構造的な類似性があることがわかる。

 (…中略…)

 以上のようにみると、本書で展開した集団妄想やカルト症候群は、単に欧米社会だけではなく、ほとんど普遍的に世界で発生するものであることが明らかだ。これらの生成のメカニズムも類似しており、したがって本書の分析は、この種の事件に応用できるように思われる。さらにその生成のメカニズムは、過去の歴史だけではなく、現代や未来の事例にも当てはめることが可能であろう。いまなお、カルト集団であるアフリカ・ナイジェリアのボコ・ハラムが引き起こす事件、「イスラーム国」の原理主義やテロなどが大きなニュースとして取り上げられており、集団妄想やカルトは、アクチュアルな課題でもある。その意味において、本書を世に問う意義もあると確信している。
 本書はテーマが広範多岐にわたるので、7人の執筆者の共著というかたちをとっているが、できるだけ各章の流れや関連性を重視し、集団妄想とカルトの生成のプロセス、時代的背景や全体像を浮き彫りにできるよう配慮したつもりである。そして読み物としても、読者のみなさまに興味を惹く工夫を少なからずこらしてみた。しかしその結果や出来栄えについては、読者のみなさまのご判断に委ねたいと思う。

 (…後略…)

著者プロフィール

浜本 隆志  (ハマモト タカシ)  (編著

1944年香川県生まれ。関西大学名誉教授、ヴァイマル古典文学研究所、ジーゲン大学留学。ヨーロッパ文化論・比較文化論、関西大学博士(文学)、主要著作に『ドイツ・ジャコバン派』(単著 平凡社 1991年)、『鍵穴から見たヨーロッパ』(単著 中公新書 1996年)、『ねむり姫の謎』(単著 講談社現代新書 1999年)、『指輪の文化史』(単著 白水社 1999年)、『魔女とカルトのドイツ史』(単著 講談社現代新書 2004年)、『モノが語るドイツ精神』(単著 新潮選書 2005年)、『拷問と処刑の西洋史』(単著 新潮選書 2007年)、『「窓」の思想史』(単著 筑摩選書 2011年)、『海賊党の思想』(単著 白水社 2013年)、『現代ドイツを知るための62章』(共編著 明石書店 2013年)、『バレンタインデーの秘密』(単著 平凡社新書 2015年)、その他。

柏木 治  (カシワギ オサム)  (

1956年生まれ、関西大学文学部教授。フランス政府給費留学生としてグルノーブル第3大学(スタンダール大学)に留学。フランス文学・文化論。主要著作に『ヨーロッパの祭たち』(共編 明石書店 2003年)、『ヨーロッパ人相学』(共編著 白水社 2008年)、『文化の翻訳あるいは周縁の詩学』(共著 水声社 2012年)、『東西文化の翻訳「聖像画」における中国同化のみちすじ』(編訳 関西大学出版部 2012年)、その他。

高田 博行  (タカダ ヒロユキ)  (

京都市生まれ。学習院大学文学部教授。Dr. phil.(ブラウンシュヴァイク大学)、DAAD給付奨学生、フンボルト財団招聘研究員。近現代のドイツ語史、歴史語用論、歴史社会言語学。主要著作にGrammatik und Sprachwirklichkeit von 1640-1700(単著 Max Niemeyer 1998, Reprint: Walter de Gruyter 2011)、『ドイツ語が織りなす社会と文化』(共編著 関西大学出版部 2004年)、『歴史語用論入門』(共編著 大修館書店 2011年)、『言語意識と社会』(共編著 三元社 2011年)、『ドイツ語の歴史論』(共編著 ひつじ書房 2013年)、『歴史語用論の世界』(共編著 ひつじ書房 2014年)、『ヒトラー演説』(単著 中公新書 2014年)、『歴史社会言語学入門』(共編著 大修館書店 2015年)。

浜本 隆三  (ハマモト リュウゾウ)  (

1979年京都府生まれ。福井県立大学学術教養センター専任講師。アメリカ文学・文化論、主要著作に「『ハワイ通信』とブラウン――若きマーク・トウェインの旅の書き方」(『若きマーク・トウェイン――生の声から再考』分担執筆 大阪教育図書 2008年)、「彼岸なきハックのダンス・マカーブル――十九世紀進化思想の自然観とマーク・トウェイン」(『文学から環境を考える:エコクリティシズム・ガイドブック』分担執筆 勉誠出版 2014年)、『マーク・トウェイン 完全なる自伝』(第1巻)(マーク・トウェイン著 共訳 柏書房 2013年)。

細川 裕史  (ホソカワ ヒロフミ)  (

1979年広島県生まれ。阪南大学経済学部准教授、Dr. phil.(キール大学)、DAAD給付奨学生としてキール大学留学。社会言語学とドイツ語史、主要著作にZeitungssprache und Mundlichkeit. Soziopragmatische Untersuchungen zur Sprache in Zeitungen um 1850(単著 Peter Lang 2014年)、『ドイツ奇人街道』(共著 関西大学出版部 2014年)、『独検4級合格テクニック』(共著 同学社 2010年)、『独検5級合格テクニック』(共著 同学社 2010年)。

溝井 裕一  (ミゾイ ユウイチ)  (

1979年兵庫県生まれ。関西大学文学部准教授、関西大学博士(文学)、ドイツ民間伝承研究・西洋文化史、ひとと動物の関係史、主要著作に『動物園の文化史――ひとと動物の5000 年』(単著 勉誠出版 2014年)、『ファウスト伝説――悪魔と魔法の西洋文化史』(単著 文理閣 2009年)、『ドイツ奇人街道』(共著関西大学出版部 2014年)、『グリムと民間伝承――東西民話研究の地平』(編著麻生出版 2013年)。

森 貴史  (モリ タカシ)  (

1970年大阪府生まれ。関西大学文学部教授、Dr. phil.(ベルリン・フンボルト大学)。早稲田大学交換留学生としてボン大学、DAAD奨励奨学生としてベルリン・フンボルト大学留学。ドイツ文化論・ヨーロッパ紀行文学、主要著作にKlassifizierung der Welt. Georg Forsters Reise um die Welt(単著 Rombach Verlag 2011年)、『ドイツ王侯コレクションの文化史 禁断の知とモノの世界』(編著 勉誠出版 2015年)、『ビールを〈読む〉――ドイツの文化史と都市史のはざまで』(共著 法政大学出版局 2012年)、『エロスの庭 愛の園の文化史』(ミヒャエル・ニーダーマイヤー著 共訳 三元社 2013年)。

上記内容は本書刊行時のものです。