版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊 ラノベ
サイコパシー・ハンドブック クリストファー・J・パトリック(編) - 明石書店
.

サイコパシー・ハンドブック
原書: Handbook of Psychopathy

発行:明石書店
A5判
952ページ
上製
定価 20,000円+税
ISBN
978-4-7503-4201-6
Cコード
C0011
一般 単行本 心理(学)
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2015年6月
書店発売日
登録日
2015年6月12日
最終更新日
2018年4月6日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

サイコパス的人格に関する最新の研究成果を伝えるハンドブック。同分野における54名の第一線の研究者が精神病質の理論モデルから概念上の諸問題、評価方法、病因、遺伝的要因や脳機能に関する項目まで包括的に解説。

目次

 序文


第Ⅰ部 理論的・経験的基盤

第1章 精神病質人格――問題の範囲
第2章 サイコパシーの二重欠如モデル
第3章 サイコパシーに関するその他の理論的モデル
第4章 サイコパシーのPCL-Rによる評価――展開,構造上の性質,そして新しい方向性


第Ⅱ部 概念と評価

第5章 臨床的サイコパシーの様相――より明確な測定に向けて
第6章 サイコパシーの自己報告式評価――問題,落とし穴,および有望さ
第7章 サイコパシーとパーソナリティ
第8章 サイコパシーとDSM-IVの精神障害
第9章 サイコパシーを分類する――亜型はどこをどのように見て探せばよいか
第10章 サイコパシーの概念化における視点――統合に向けて


第Ⅲ部 病因

第11章 サイコパシーと反社会的行動に対する遺伝および環境の影響
第12章 家庭背景とサイコパシー
第13章 サイコパシーと関連障害の神経化学および薬理学
第14章 サイコパシーの神経解剖学的根拠――脳画像所見のレビュー
第15章 サイコパシーの皮質下の脳内システム――扁桃体と関連構造
第16章 前頭葉の機能構造――サイコパシー犯罪者を対象とした研究への示唆
第17章 サイコパシーの認知的側面による理解
第18章 サイコパシーと青年期における反社会的行動の発達経路
第19章 サイコパシーの病因に関する統合された見解に向けて


第Ⅳ部 特異的課題

第20章 小児と青年におけるサイコパシー――概念化と評価における主要な問題
第21章 女性におけるサイコパシー――評価,発現,および病因学
第22章 サイコパシーにおける民族的および文化的多様性
第23章 「成功した」サイコパス――一般集団におけるサイコパシーの適応型と臨床症状欠乏型


第V部 臨床的応用

第24章 サイコパシーと攻撃性
第25章 サイコパシーと物質使用障害
第26章 女性に対する性行為の強制におけるサイコパシーの役割
第27章 犯罪の常習性リスク――サイコパシーの役割
第28章 サイコパシーの治療――経験的知見からのレビュー
第29章 サイコパシーの評価と治療における法律問題と倫理問題
第30章 未来へ向けて――予防と治療戦略への基礎研究の応用


第Ⅵ部 展望

第31章 故きを温めて,新しきを知る――Cleckleyを指針とした次世代のサイコパシー研究


 監修者あとがき
 索引

前書きなど

序文

 われわれは誰しも,イリュージョン(幻想),すなわち見かけとは違うものに心惹かれる。それゆえに,サイコパシー(精神病質)の症候群は,本質的な魅力をもつ。それは,Hervey Cleckleyが「説得力のある正気の仮面(convincing mask of sanity)」と呼ぶ,見かけの正気さに隠された重症の精神障害である。(……)

 (…中略…)

 (……)本書では,狭い理論的観点に縛られることなく,広範なレビューを提供する意思のある寄稿者を求めた(すなわち,本書では経験的知見の記述的要約を重視し,理論は特定の系列の研究が由来する範囲で考察し,そのかわり解釈の枠組みを考察した)。寄稿者には,各章の望ましい内容範囲について,また各章の初稿のレビューに基づいて説明し,さらに追加する出版物についても提案した。
 各章は,大きなテーマに基づいて5部にまとめてある。
 (1)基本用語と影響力の大きい理論についての第Ⅰ部で,サイコパシーチェックリスト[改訂版](PCL-R)に体系化されたサイコパシーモデルを紹介する,(2)概念化と評価についての第Ⅱ部では,サイコパシーの構成概念の要素(面)についての最近の知見,サイコパシーの自己報告式評価,正常なパーソナリティと『精神疾患の診断・統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)』(DSM)に挙げられた障害との関連,表現型亜型(「サブタイプ」)を中心に扱う,(3)病因についての第Ⅲ部で,サイコパシーを理解するうえで関連がある認知,感情,行動のプロセス,および神経生物学的基盤や発達のプロセスに重点を置く,(4)特定の集団に関する第Ⅳ部で,小児,青年,女性,多様な民族的および文化的グループ,および非犯罪者のサイコパシーを網羅する,(5)特に臨床的な問題や適用に関する問題に焦点をあてた第Ⅴ部で,個々の臨床標本(暴力犯罪者,物質乱用の問題のある人たち,性犯罪者)におけるサイコパシー,予測,治療,法的な問題や倫理的な問題を扱っている。さらに第II~V部では,最終章で部の各章から生じた鍵となるテーマに関する意見を述べ,今後の研究の主な優先順位を明確にしている。本書の最終章では,Cleckleyのサイコパシーの古典的概念化(この概念化はサイコパシーに関する現代の研究の基盤の役割を果たしている)の見地から,本分野の未解決な根本的問題を考察し,これらの問題を経験的に解決するための戦略を提案する。
 サイコパシーに関する他の書籍と比較して,本書は対象範囲,包括性,現代性の点で独自性がある。経験的研究の知見を重視しているため,研究者や学生ならびに犯罪,反社会的行動,暴力,物質乱用に関心のある他の分野の研究者にとって,特に興味深いと思われる。さらに,臨床評価,特殊な集団および介入に関連のある問題を詳細に網羅しているため,本書は心理学者,精神科医,犯罪者や物質乱用問題のある依頼人に対応するカウンセラー,更正に携わる心理学者や職員にとって貴重な情報源になると思われる。評価を重視し重要な法的および倫理的問題を網羅しているため,本書は法医学的心理学者や精神科医および刑法の専門家にとっても価値があると思われる。

 (…後略…)

著者プロフィール

クリストファー・J・パトリック  (パトリック,クリストファー・J)  (

ミネソタ大学スターク・R・ハサウェイ(Starke R. Hathaway; MMPIの開発者名)抜群教授(Distinguished Professor;特に優れた業績をあげた現役教授の称号)および心理学科の臨床研修ディレクター。博士は,サイコパス,反社会的行動,および物質使用や乱用の分野で広範囲な研究を発表している。さらに,他の研究分野は,感情,性格,精神生理学,認知神経科学といった分野にも精通している。博士は,米国心理学会(1995),精神生理学研究協会(Society for Psychophysiological Research, 1993)への貢献に対する賞を受賞している。博士は,Psychophysiologyの前副編集長で,現在はPsychological AssessmentとJournal of Abnormal Psychologyの顧問編集者である。

田中 康雄  (タナカ ヤスオ)  (監修

こころとそだちのクリニックむすびめ院長
精神保健指定医・児童精神科医・臨床心理士。北海道大学名誉教授。
1958年、栃木県生まれ。獨協医科大学医学部卒業後、旭川医科大学精神科神経科にて研修。北海道内の精神科・精神病院で勤務したのち、国立精神・神経センター精神保健研究所、児童思春期精神保健部室長、北海道大学大学院教育学研究院教授を経て、2012年、こころとそだちのクリニックむすびめを開業して現在に至る。
主な著書に、『軽度発達障害――繋がりあって生きる』(金剛出版、2008年)、『支援から共生への道――発達障害の臨床から日常の連携へ』(慶應義塾大学出版会、2009年)、『つなげよう――発達障害のある子どもたちと私たちができること』(金剛出版、2010年)、『発達支援のむこうとこちら』(日本評論社、2011年)、『児童生活臨床と社会的養護』(編著、金剛出版、2012年)。監修書として『子どもと青年の破壊的行動障害』(明石書店、2012年)、『いじめの罠にさようなら――安全な学校をつくるための子ども間暴力防止プログラム』(明石書店、2013年)などがある。

片山 剛一  (カタヤマ コウイチ)  (

翻訳家
主要訳書:『Yogaに役立つ解剖学――アーサナでのケガを予防する』(ヨガワークス、2007年)。

松井 由佳  (マツイ ユカ)  (

翻訳家
主要訳書:『脳科学革命――脳と人生の意味』(新曜社、2013年、共訳)、『子どもと青年の破壊的行動障害――ADHDと素行障害・反抗挑戦性障害のある子どもたち』(明石書店、2011年)、『進化発達心理学――ヒトの本性の起源』(新曜社、2008年、共訳)。

藪 盛子  (ヤブ セイコ)  (

翻訳家(主にメディカル)
主要訳書:『神経筋療法トリガーポイントマニュアル』(産調出版、2011年)、『ハーブ&サプリメント――natural standardによる有効性評価』(産調出版、2007年、共訳)。

和田 明希  (ワダ アキ)  (

広島大学教育学部心理学科卒業、スウォンジー大学社会科学部開発学科修士課程修了
認定心理士

上記内容は本書刊行時のものです。