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現代中国政治概論 熊 達雲(編著) - 明石書店
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現代中国政治概論 そのダイナミズムと内包する課題

発行:明石書店
A5判
256ページ
並製
定価 2,800円+税
ISBN
978-4-7503-4169-9
Cコード
C0031
一般 単行本 政治-含む国防軍事
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2015年3月
書店発売日
登録日
2015年3月20日
最終更新日
2015年3月23日
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紹介

急速な経済発展を遂げ大国化した中国――。その中国政治のダイナミズムと内包する課題とはいかなるものか。共産党の政権掌握の過程とその統治のメカニズム、民族問題や環境問題、さらには昨今のソーシャルメディアの普及が権力構造に与える影響などについて詳述した。日本在住の中国人研究者による、現代中国政治をより深く多角的に理解するための概説書。

目次

 まえがき

第1章 中国共産党の統治構造と支配の仕組み
 1.中国共産党の党員数と組織構造
 2.共産党はどのように一体性を保つか
 3.共産党はどのように「廉潔さ」と「先進性」を保つか
 4.共産党の中国統治の実際

第2章 人民代表大会制度
 1.人民代表大会とその制度
 2.人代代表の選出と代表団
 3.全人代に対する共産党のコントロール
 4.全人代・常務委員会の審議過程
 5.現状と展望

第3章 中国の行政システム
 1.計画経済体制と「全能な政府」
 2.市場経済への行政システム再構築
 3.党政関係の現在
 4.政策決定過程

第4章 政治協商会議と民主党派
 1.共産党が指導する多党協力
 2.政治協商会議の歴史
 3.政治協商会議の現在
 4.政治協商制度と民主党派の役割
 5.政治協商と「協商民主」

第5章 政法委員会と司法との関係
 1.政法委員会の位置づけ
 2.政法委員会の由来および歴史的変遷
 3.政法委員会の現状――その基本的機能や他機関との関係
 4.おわりに――「法治国家」と中国の未来

第6章 国民世論の形成とソーシャルメディアの影響
 1.中国のソーシャルメディア
 2.中国における伝統的な世論とネット世論
 3.ソーシャルメディアが直面する課題および展望

第7章 中国政治におけるシンクタンク
 1.現代国家とシンクタンク
 2.中国のシンクタンクの分類と分布
 3.中国のシンクタンクの政治過程

第8章 腐敗の深刻化とそれを撲滅するメカニズム
 1.腐敗の現状、特徴および原因
 2.腐敗撲滅の取り組みとそのシステム
 3.汚職・腐敗退治の手段と措置

第9章 中国版文民統制の形成と課題――党軍関係をめぐって
 1.文民統制の意味
 2.中国人民解放軍の誕生と文民統制
 3.中国人民解放軍の近代化と文民統制

第10章 中国の外交政策――歴史・現状・展望
 1.毛沢東時代の中国外交
 2.鄧小平時代の中国外交
 3.「発展途上の超大国」と中国外交

第11章 現代中国の中央と地方関係
 1.中央と地方の関係に関する基本制度
 2.中央と地方との関係における政治過程
 3.中央と地方との関係における問題
 4.今後の見通し

第12章 民族問題と対応策
 1.中国民族地図の形成
 2.中国の民族事情
 3.主な少数民族が現在直面する問題
 4.中国の民族政策

第13章 中国の環境問題と対策
 はじめに
 1.中国の環境保全担当政府部署、組織機構、関連法令
 2.中国地理環境の特徴
 3.中国における大気汚染問題の現状と対策
 4.大気汚染問題への対策

第14章 少子高齢化社会の到来と社会保障対策
 1.少子高齢化対策としての年金改革
 2.医療保障制度の改革
 3.介護福祉供給体制の構築
 4.社会保障改革の政策課題――「公平性」・「持続性」

第15章 中国近代化の歩みと今後の展望
 1.中国の近代化における歴史の3段階
 2.中国近代化の「成果」の検証
 3.中国の現状分析
 4.未来への展望――覇権国ではなく、文化大国を目指す

前書きなど

まえがき

 本書は、日本で大学院教育を受けた、または受けている中国人(学者・研究者)による現代中国政治の概説書である。
 本書は15章から構成されており、内容的には重なる部分もあるが、概ね中国政治に関する制度と組織、政策形成、政治的課題の3点について分析されている。第1は、中国の政治体制や制度に関する分析であり、政権党たる中国共産党の統治の仕組み(第1章)、立法機関の人民代表大会(第2章)、行政機関としての国務院(第3章)、また政治協商会議(第4章)、検察や裁判などを統制する政法委員会(第5章)などが分析されている。第2は主として政策過程に関わる諸要素の検討である。制度の問題でもある軍の文民統制(第9章)、中央地方関係(第11章)のほか、ネット世論(第6章)、シンクタンク(第7章)、外交政策(第10章)が取り上げられている。第3は現在の中国が直面している諸問題に関する検討である。腐敗対策(第8章)のほか、民族政策(第12章)、環境保護(第13章)、高齢化社会への対応策(第14章)などが検証されている。なお、これからの中国を展望するために、近代化の歩みに対する検証も行なわれている(第15章)。
 本書は通常の中国政治概論といった書籍とはかなり異なっている。たとえば、軍に対する文民統制の検討では伝統中国における文官と武官との関係から説き始めている。また民族問題の分析では中国の地理・地形の検討から分析を進めている。共産党や全人代、国務院、中央地方関係などのほか、通常概説書では取り上げられない政治協商会議と「民主党派」、政法委員会、ネット世論、シンクタンクの役割が分析されている。ユニークな概説書だと思っている。
 本書は、中国政治の諸問題について客観的な叙述・分析に努めている。例えば、共産党組織の分析ではできるだけその仕組み、時代の変化に適用しつつある共産党支配のあり方を検討した。加えて、腐敗の対策、国家統合に関わる中央地方関係の変容や民族問題の対応についての分析では、中国崩壊論とは異なる視点が提示されている。

 (…後略…)

著者プロフィール

熊 達雲  (ユウ タツウン)  (編著

山梨学院大学大学院社会科学研究科教授、同大学法学部教授。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了、博士号(政治学)取得。主な著書に『アジアのなかの日本官僚――歴史と現在』(共著、諏訪春雄編、勉誠出版、2011年)、『東アジアの公務員制度』(共著、武藤博己・申龍徹編、法政大学出版局、2013年)、『法制度からみる現代中国の統治機構――その支配の実態と課題』(明石書店、2014年)など。

毛 桂榮  (モウ ケイエイ)  (編著

明治学院大学法学部教授。1986年中国復旦大学卒業、1993年名古屋大学大学院法学研究科(政治学専攻)修了、博士号(法学)取得。名古屋大学法学部助手を経て、1995年明治学院大学専任講師、2004年から現職。その間、1999年8月から2001年8月まで、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員。主な著書に『日本の行政改革――制度改革の政治と行政』(青木書店、1997年)、『比較のなかの日中行政』(風行社、2012年)、共訳書に(西尾勝著)『行政学〔新版〕』(中国人民大学出版社、2006年、原著:有斐閣、2001年)ほか多数。

王 元  (オウ ゲン)  (編著

東北文化学園大学総合政策学部准教授。専攻:政治学、国際関係学。復旦大学大学院政治学研究科政治学専攻、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科国際関係学博士後期課程修了、博士号(学術)取得。復旦大学際政治学部専任講師を経て、現職。主な著書に『中華民国の権力構造における帰国留学生の位置づけ――南京政府(1928-1949年)を中心として』(白帝社、2010年)、『日本大都市の総合管理』(遠東出版社:上海、1997年)、『現代中国の軌跡』(編著、白帝社、2007年)など多数。

劉 迪  (リュウ テキ)  (編著

杏林大学総合政策学部教授。中国ハルビン市生まれ。早稲田大学大学院法学研究科修了、博士号(法学)取得。人民日報外報部記者・編集スタッフ、早稲田大学総合研究機構客員講師、杏林大学総合政策学部准教授を経て現職。中国社会科学院法学研究所特別研究員兼任。香港『大公報』など中国語圏の駐日本特約記者・コラムニスト歴任。主な著書に『近代中国における連邦主義思想』(成文堂、2009年)など。

追記

執筆者一覧


熊 達雲(ゆう たつうん、Xiong, Dayun) ※編著者プロフィールを参照

毛 桂榮(もう けいえい、Mao, Guirong) ※編著者プロフィールを参照

劉 迪(りゅう てき、Liu, Di) ※編著者プロフィールを参照

王 元(おう げん、Wang, Yuan) ※編著者プロフィールを参照

趙 詣(ちょう い、Zhao, Yi)
1984年中国河南省鄭州市生まれ。慶應義塾大学法学部卒業、早稲田大学大学院法務研究科修了(稲門法曹奨学金取得)。法務博士(専門職)。現在、日機装株式会社法務部勤務。主な業績:『如果我是日本首相――日本新生代政治家宣言』(当代世界出版社、2004年)河野太郎衆議院議員談話部分を翻訳。

陳 洋(ちん よう、Chen, Yang)
東洋大学大学院社会学博士後期課程在籍。1987年中国黒龍江省ハルビン市生まれ。2011年黒龍江大学で学士学位を取得。2014年東洋大学大学院社会学研究科修士学位を取得。専攻は日中両国のニューメディアおよび新聞報道の比較研究。

張 剣波(ちょう けんは、Zhang, Jianbo)
早稲田大学客員研究員、非常勤講師。1995年4月より早稲田大学大学院政治学研究科国際政治専攻修士課程、博士後期課程、博士号(政治学)取得。研究分野:米中関係、日中関係、日中和解、アジアにおける国際関係、世界秩序、移民問題など。中国社会科学研究会元会長。2006年に中日ボランティア協会を創設、代表を務める。主な論文に「1990年代の中国における冷戦史研究――その現状と特徴」『早稲田政治公法研究』68号(2001年)、「米中和解と中越関係――中国の対ベトナム政策を中心に」(博士論文)など。

周 建中(しゅう けんちゅう、Zhou, Jian-Zhong)
東京成徳大学人文学部国際言語文化学科教授。中国内モンゴル自治区出身。1977年中国大連外国語大学日本語学部卒業、1987年日本留学、1995年鳥取大学連合大学院にて博士号(農学)取得。専門分野:生物環境科学(自然と社会科学の両面から見た沙漠化問題)、中国語教育。日本沙漠学会編集委員会委員など。共著書に「第4部2章 中国の一人っ子政策と教育」『幼児教育リーディングス』(北大路書房、2003年)など。

沈 潔(しん けつ、Shen, Jie)
日本女子大学人間社会学部教授。専攻:社会福祉・社会保障。1995年日本女子大学にて博士号(社会福祉学)取得。主な著書・編著書に『中国の社会福祉改革は何を目指そうとしているのか――社会主義・資本主義の調和』(ミネルヴァ書房、2014年)、広井良典・沈潔編著『中国の社会保障改革と日本――アジア福祉ネットワークの構築に向けて』(ミネルヴァ書房、2007年)、編著『中華圏の高齢者福祉と介護――中国・香港・台湾』〈MINERVA社会福祉叢書〉(ミネルヴァ書房、2007年)ほか多数。

上記内容は本書刊行時のものです。