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原発輸出の欺瞞 伊藤 正子(編著) - 明石書店
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原発輸出の欺瞞 (ゲンパツユシュツノギマン) 日本とベトナム、「友好」関係の舞台裏 (ニホントベトナムユウコウカンケイノブタイウラ)

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発行:明石書店
四六判
216ページ
上製
定価 2,500円+税
ISBN
978-4-7503-4142-2   COPY
ISBN 13
9784750341422   COPY
ISBN 10h
4-7503-4142-8   COPY
ISBN 10
4750341428   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2015年2月
書店発売日
登録日
2015年2月12日
最終更新日
2015年2月13日
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紹介

福島第一原発事故後も着々と進む原発輸出計画。ベトナムも積極的に日本からの輸出を受け入れてる国の1つだ。原発を輸入することは原子力のみならず、環境に負荷を与えつづける廃棄物や原発労働や差別をも受け入れるということ。輸出側も輸入側もそれには目をつむり推進している。その問題点を現地の人々の声も織り交ぜながら、ベトナム研究者たちが明らかにする。

目次

はじめに

第1章 ベトナムへの原発輸出はどう推進されてきたのか――経済政策の目玉としての輸出戦略[満田夏花]
 震災後も見直すことなく続いた原発輸出の促進策
 「インフラ輸出」戦略の花形として
 公的支援なしに成り立たないという事実
 原発輸出の何が問題なのか
 日本がベトナムの戦略パートナー
 ニントゥアン第二原発計画の問題点
 日本原電に流れる不透明な国税
 世論と政策のギャップは埋められるか

コラム1 原発建設予定地の村を訪ねて[中井信介]

第2章 原発輸出と日本政府――海外原発建設に使われる国のお金[田辺有輝]
 アメリカの動きに呼応して始まった国際展開
 日本政府はどう関与するのか
 原発輸出をめぐる四つの問題点
 限りなくゼロに近い妥当性

コラム2 チャム人と原発建設計画[インラサラ]

第3章 ベトナムのエネルギー政策と原子力法――急増する電力需要への対応[遠藤聡]
 ベトナムのエネルギー事情
 原子力導入を前提とした第七次国家電力開発計画
 原子力法の概要
 今後の課題

第4章 大規模開発をめぐるガバナンスの諸問題――ボーキサイト開発の事例から原発建設計画を問う[中野亜里]
 ガバナンスは機能しているのか
 密室で決定されたプロジェクト
 市民による抗議
 批判の論点
 政府側の説明
 ボーキサイト開発現場の調査から
 計画の破綻
 おわりに

第5章 誰のための原発計画か――その倫理性を問う[伊藤正子]
 ベトナム人が日本政府に送った原発輸出反対署名
 原発建設予定地の状況――相対的貧困と伝えられない情報
 日本の推進派の意見と動向――「国際戦略」しか考えない人たち
 懸念される問題点――立地と情報公開
 ベトナムにおける知識人たちの動向
 日越の「もたれあい」を超えた連携を

コラム3 民族の生命を外国技術の賭けの対象にはできない[グエン・ミン・トゥエット]

第6章 差別構造を考える――私たちにできること[吉井美知子]
 差別について
 原発輸出が内包する差別構造
 私たちにできること――ベトナム研究者の場合
 私たちにできること――日本の市民として

おわりに

前書きなど

はじめに

 本書は、東南アジア諸国のなかで唯一、日越両政府によって合意され、本格的に実行に移されようとしている日本からベトナムへの原発輸出について、背景と問題点を明らかにするとともに、日本語を読むことのできる市民に広くこの問題に関心をもってもらうことを目的としている(原発輸出とは、原子力発電関連の機材を海外に売るとともに、関連する技術を提供し、発電所の建設に日本企業が参入することと定義する)。

 (…中略…)

 本書の構成を簡単に説明しておきたい。まず、第1章「ベトナムへの原発輸出はどう推進されてきたのか――経済政策の目玉としての輸出戦略」(満田夏花)は、福島の事故を踏まえて、ベトナムへの原発輸出の経緯を明らかにする。(……)
 第2章「原発輸出と日本政府――海外原発建設に使われる国のお金」(田辺有輝)は、ベトナム、ヨルダンなどの原子力協定批准のための国会審議の際、衆議院外務委員会で参考人として証言し、砂漠に建設予定のヨルダン原発が下水処理施設から引いた水を冷却水として使用するというお粗末な計画であることを暴露して、委員会採決をいったん見送らせる重要な役割を果たした田辺による執筆である。(……)
 第3章「ベトナムのエネルギー政策と原子力法――急増する電力需要への対応」(遠藤聡)では、ベトナムのエネルギー事情と原子力関係の法律の整備状況を解説し、とくにベトナム政府の原発必要論が根拠にしている電力需要予測を検討している。(……)
 第4章「大規模開発をめぐるガバナンスの諸問題――ボーキサイト開発の事例から原発建設計画を問う」(中野亜里)は、中国が投資してすでに始まっているボーキサイト開発の事例を取り上げ、大規模開発をめぐるガバナンスの面から問題提起を行う。(……)
 第5章「誰のための原発計画か――その倫理性を問う」(伊藤正子)は、情報と言論を統制したうえで日本発の安全神話を広め、開発から取り残された少数民族地域に原発を建設しようとしているベトナム側の状況と、原発輸出によって技術の維持と経済的利益を追求し、米国の安全保障政策に追随しようとする日本政府や企業のありようを批判している。(……)
 第6章「差別構造を考える――私たちにできること」(吉井美知子)は、日本政府が進める「システム輸出」によって、大都市と過疎地、大企業と日雇い被ばく労働者など、「差別構造」がそのまま輸出されるのみならず、新規立地が難しい先進国が途上国に(リスクの高い)原発を輸出することにより国家レベルの差別を助長することを指摘している。(……)
 さらに、中井信介、インラサラ、グエン・ミン・トゥエットのコラムを、論考の間にはさんである。(……)

 (…後略…)

著者プロフィール

伊藤 正子  (イトウ マサコ)  (編著

広島市出身。1988年東京大学文学部東洋史学科卒、毎日新聞記者を経て、東大大学院総合文化研究科で2003年博士(学術)取得。専門はベトナム現代史。2006年より京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科准教授。著書に『エスニシティ〈創生〉と国民国家ベトナム――中越国境タイー族・ヌン族の近代』(2003年、三元社、第2回東南アジア史学会賞受賞)、『民族という政治』(2008年、三元社)、『戦争記憶の政治学――韓国軍によるベトナム人戦時虐殺問題と和解への道』(2013年、平凡社)など。

吉井 美知子  (ヨシイ ミチコ)  (編著

京都市出身。1981年京都大学文学部仏文科卒、1991年パリ第7大学ベトナム語学科修士号、商社勤務等を経て2007年東京大学大学院新領域創成科学研究科国際協力学博士号。専門はベトナムNGO研究。2008年三重大学教授、2014年より沖縄大学人文学部教授。著書に『立ち上がるベトナムの市民とNGO――ストリートチルドレンのケア活動から』(2009年、明石書店、第8回日本NPO学会優秀賞、2012年国際ボランティア学会隅谷三喜男賞受賞)、共著に『アジアの市民社会とNGO』(2014年、晃洋書房)など。

上記内容は本書刊行時のものです。