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現代中東の国家・権力・政治 ロジャー・オーウェン(著) - 明石書店
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現代中東の国家・権力・政治 (ゲンダイチュウトウノコッカケンリョクセイジ)
原書: State, Power and Politics in the Making of the Modern Middle East, 3rd Ed.

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発行:明石書店
A5判
472ページ
並製
定価 3,000円+税
ISBN
978-4-7503-4140-8   COPY
ISBN 13
9784750341408   COPY
ISBN 10h
4-7503-4140-1   COPY
ISBN 10
4750341401   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0031  
0:一般 0:単行本 31:政治-含む国防軍事
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2015年2月
書店発売日
登録日
2015年2月13日
最終更新日
2015年2月24日
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紹介

中東地域に近代国家がどのように成立したのか、国家建設後に政治体制がいかに定着していったのかを構造的に論考する。中東政治のダイナミズムを、ポスト・コロニアルな社会に共通する現象として、国際的な比較研究の俎上にのせた中東政治学・政治史の名著。

目次

 日本語版への序文
 図表一覧
 序文
 謝辞


第一部 国家と国家建設

序論 中東の国家

第一章 帝国の終焉――現代中東諸国家の誕生
 オスマン帝国の崩壊
 植民地国家の政治実践
 中央統治
 植民地政策
 外部の影響
 新たな政治の枠組みとしての植民地国家
 独立とその後
 中央集権国家の形成――トルコとイラン

第二章 アラブ世界における国家の力の拡大――一党支配体制
 はじめに
 拡大する国家機構の規模、増大する規制力と支配力
 権威主義体制下の政治
 同質社会と分断社会における階級および他の社会集団の政治的役割
 国家の具現化に対抗して

第三章 アラブ世界における国家の力の拡大――家族支配とリビアの新たな選択
 はじめに
 家族支配のポリティクス――概観
 王族支配のポリティクス――ヨルダンとモロッコ
 家族支配の実践――サウディアラビアと湾岸諸国
 リビア――王制から新たな政治体制、ジャマーヒーリーヤへ

第四章 アラブ民族主義――アラブの統一とアラブ諸国間関係
 はじめに
 アラブ主義からアラブ民族主義へ
 新たなアラブ国家――協力と競合の狭間で
 一九七〇年代と八〇年代のアラブ主義
 アラブ諸国間関係の特殊性
 アラブ諸国間関係のなかのイスラエルとパレスチナの役割
 アラブ経済統合のポリティクス
 アラブの「秩序」はあるのか

第五章 第二次世界大戦以降のイスラエル、トルコ、イランの国家と政治
 はじめに
 イスラエル
 イラン
 トルコ

第六章 一九九〇年代における中東政治の再編
 はじめに
 主要な共和制アラブ諸国
 アラブの君主制国家――モロッコ、ヨルダン、そして湾岸諸国
 周縁化された三カ国とレバノン
 イラン、イスラエル、トルコ
 一九九〇年代における中東政治の展開――結論にかえて


第二部 現代中東政治を理解するためのいくつかのテーマ

第七章 経済再建のポリティクス
 はじめに
 エジプトを含む北アフリカ諸国の経済再建政策
 石油の富の限界――シリア、イラク、ヨルダンの民間企業支援
 湾岸諸国の限定的な経済開放
 トルコ、イスラエル、イラン
 結論

第八章 政党と選挙――アラブ世界における民主主義の難題
 はじめに
 エジプト――民主主義理念の盛衰
 北アフリカと東アラブ地域の一党支配体制と多党制
 モロッコ、ヨルダン、クウェートの家族支配と選挙
 レバノンの特異な事例
 結論――アラブ諸国の民主主義

第九章 宗教復興のポリティクス
 はじめに
 イスラームにおける宗教と政治――概観
 イラン・イスラーム共和国における宗教と政治
 アラブ諸国の宗教政治
 イスラーム主義者の暴力を語る際の「テロ」という言葉について
 ムスリム政治――簡単な結論
 コミュナリズムとナショナリズムの狭間に置かれたキリスト教徒
 ユダヤ人国家における宗教と政治

第一〇章 政治のなかの軍、政治の外の軍
 軍の政治的役割をめぐる理論的アプローチ
 比較的強いアラブ諸国の大きな軍――エジプト、シリア、イラクの事例から
 アラブの小国における軍の役割
 トルコ、イラン、イスラエルの軍と政治
 結論――冷戦後の中東の軍

第一一章 非国家アクターの役割
 はじめに
 地方政治の自己充足的な世界
 組織された労働者と政治活動の限界
 政治過程のなかの女性
 パレスチナ人――イスラエルへの抵抗とパレスチナ自治政府の形成


第三部 九・一一の衝撃

第一二章 米国による中東再編の試み
 はじめに
 アラブ諸政権の直面するジレンマ
 アラブ経済への圧力
 イスラエルとパレスチナ――和平プロセスから第二次インティファーダ、そして新しいロードマップへ
 イラク――戦争への道とその後

結論 二一世紀初頭の中東
 地域的な文脈
 内政の文脈
 二〇世紀の遺産
 二一世紀に向けた展望


 略語一覧
 原註
 各章の重要文献
 索引
 訳者解説
 著者、訳者紹介

前書きなど

訳者解説


 本書はRoger Owen, State, Power and Politics in the Making of the Modern Middle East, 3rd ed.(Routledge, 2004)の全訳である。
 原著は、中東政治を学ぶうえで古典ともいえる重要な研究であり、中東政治・政治史の教科書として高い評価を得ている。その証拠に、ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)やオックスフォード大学、ハーバード大学、タフツ大学、スタンフォード大学をはじめ、欧米の主要な大学および大学院で中東政治のテキストとして広く使われている。一九九二年に初版が刊行されてから三回も版を改め、そのたびに重版されていることからも、原著がいかに広く読まれているかがわかるだろう。日本語訳の刊行にあたって、著者には「日本語版への序文」を加筆する労をとっていただいた。
 ロジャー・オーウェンは、一九三五年に生を得た英国出身の歴史家であり、現在はハーバード大学歴史学部名誉教授の職にある。オックスフォード大学セントアントニーズ・カレッジで博士号(経済史)を取得したオーウェンは、一九六四年以降、同カレッジで長らく教鞭をとるかたわら、セントアントニーズ・カレッジ中東研究センターの所長も務めた。一九九三年には、米国のハーバード大学に異動し、一九九六年からは同大学中東研究センターの所長、二〇〇七年からはアメリカ芸術科学アカデミーのメンバーを歴任した。オーウェンは、中東政治や中東現代政治史をめぐるこれまでの業績が評価され、第三回世界中東学会(二〇一〇年スペイン・バルセロナで開催)で、世界中東学会賞を受けている。

 (…中略…)

 以上の研究業績からも分かるように、オーウェンは、もともとの専門である経済史の立場から、中東の現代政治史や社会経済史についての重要な研究を蓄積してきた。とりわけ、植民地支配下の中東の経済史が彼の最も得意とする分野である。
 本書にも、その経済史という専門的知見が随所にちりばめられている。一九九二年に初版が刊行された後、本書は翌年と翌々年に重版されている。二〇〇〇年に刊行された第二版では、第六章「一九九〇年代における中東政治の再編」が加筆された。本書が訳本として用いた第三版は二〇〇四年に刊行され、さらに第一二章「米国による中東再編の試み」が加筆されている。なお、第三版も二度重版されている。重版を繰り返していることが示すように、本書は間違いなくオーウェンの代表作の一つである。中東地域で数多くのフィールド調査を重ね、中東政治や経済史について長きにわたって研究を行ってきたオーウェンならではの、深遠な造詣に裏打ちされた味わい深い教科書に仕上がっている。

 (…後略…)

著者プロフィール

山尾 大  (ヤマオ ダイ)  (

1981年 滋賀県に生まれる。
2010年 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科一貫制博士課程修了。
2010年 日本学術振興会特別研究員(PD)。
現在 九州大学大学院比較社会文化研究院准教授、博士(地域研究、京都大学)。
専攻 イラク政治、中東政治、国際政治、比較政治。
著作 『「イスラーム国」の脅威とイラク』岩波書店、2014年(吉岡明子と共編著)、『紛争と国家建設――戦後イラクの再建をめぐるポリティクス』明石書店、2013年(第17回国際開発研究大来賞受賞)、『イラクを知るための60章』明石書店、2013年(酒井啓子・吉岡明子と共編著)、『現代イラクのイスラーム主義運動――革命運動から政権党への軌跡』有斐閣、2011年、“Sectarianism Twisted: Changing Cleavages in the Elections of Post-war Iraq”, Arab Studies Quarterly, 34 (1), 2012、「反体制勢力に対する外部アクターの影響――イラク・イスラーム主義政党の戦後政策対立を事例に」『国際政治』(166)、2011年(第5回国際政治学会奨励賞受賞)など。

溝渕 正季  (ミゾブチ マサキ)  (

1984年 香川県に生まれる。
2011年 上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科地域研究専攻単位取得退学。
2012年 日本学術振興会特別研究員(PD)。
2013年 ハーバード大学ジョン・F・ケネディ公共政策大学院ベルファー科学・国際問題研究センター研究員。
現在 名古屋商科大学経済学部専任講師、博士(地域研究、上智大学)。
専攻 シリア・レバノン政治、中東政治、国際政治、比較政治。
著作 『シリア・レバノンを知るための64章』明石書店、2013年(黒木英充編著)、『中東和平の現状――各アクターの動向と今後の展望』日本国際問題研究所、2011年(日本国際問題研究所編)、「『見えない敵』への爆撃――第二次レバノン戦争(2006年)とガザ戦争(2008/09年)におけるイスラエルのエア・パワー」『国際政治』(178),2014年、「シリア危機はなぜ長期化しているのか?――変容する反体制勢力と地政学的攻防」『国際安全保障』41(4),2014年、“The Myth of the “New Phoenicians”: Are Lebanese People Really Cosmopolitans?”Mediterran-ean Review, 6(1), 2013(高岡豊との共著)、など。

上記内容は本書刊行時のものです。