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ノルウェーを知るための60章 大島 美穂(編著) - 明石書店
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エリア・スタディーズ 132

ノルウェーを知るための60章

発行:明石書店
四六判
392ページ
並製
定価 2,000円+税
ISBN
978-4-7503-4047-0
Cコード
C0336
一般 全集・双書 社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2014年8月
書店発売日
登録日
2014年8月22日
最終更新日
2014年8月22日
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紹介

スカンティナヴィア半島西岸のノルウェー王国。他の北欧諸国と同様に高負担高福祉、さらに男女平等が最も進んだ国としても知られている。フィヨルドやオーロラなど雄大な自然をはじめ、歴史、経済、文化にわたる様々な分野で、その知られざる魅力を紹介する。

目次

 はじめに
 ノルウェー地図


Ⅰ 歴史

第1章 北欧神話――オーディンからハルヴダン黒王へと続く系譜
第2章 ヴァイキングの活動――「北の道」からノルウェーへ
第3章 キリスト教の布教――司教座の役割
第4章 スターヴ教会と癒しの奇跡――大地母神の変容
第5章 アイツヴォル憲法――ノルウェー・アイデンティティの源
第6章 「ノルウェーらしさ」の探求――民族ロマン主義の隆盛と葛藤
第7章 議会主義への道――「官僚国家」から政党デモクラシーへ


Ⅱ 現代の政治

第8章 1905年――スウェーデンとの同君連合解消
第9章 第一次世界大戦とノルウェー――中立路線の苦闘
第10章 福祉社会への道――危機からのコンセンサス
第11章 第二次世界大戦――抵抗の記憶と継承
第12章 「冷戦」初期の選択――東西対立の狭間で
第13章 労働党政権の動揺――政党政治の多様性
第14章 地域協力――ノルウェーとロシアの関係
 【コラム1】グロー・ハーレム・ブルントラン


Ⅲ 経済

第15章 ノルウェーの経済――高度な福祉社会を支えてきた産業基盤の変遷
第16章 漁業――タラ漁によって国を築いたノルウェー
 【コラム2】ノルウェーのJAS登録認定機関
第17章 ノルウェーの海事産業――海とともに生きるノルウェー
第18章 ノルウェーにおける石油・ガス産業――新たな段階に向かうノルウェーの石油・天然ガス開発
 【コラム3】ノルウェー商品(オートソック)
第19章 異なる労働文化――石橋を叩かずに渡るノルウェー人の臨機応変さ


Ⅳ 暮らしと社会

第20章 言語的リージョナリズム(愛郷主義)――標準語という概念を持たないノルウェー国民
 【コラム4】ノルウェー人の名前
第21章 オーロラのもとでの生活――ノルウェー先住民族サーミ民族と共存するノルウェー社会
 【コラム5】サーミ人の星座
第22章 ノルウェーの女性について――日本人の嫁とノルウェー人の姑
第23章 スポーツ――スキーを履いて生まれてきたノルウェー人
第24章 環境問題――環境保護ノルウェー流
第25章 国民的王室――ノルウェーにおける王室と国民の関係
第26章 教育システム――学力だけでなく、社会参加も重視するノルウェーの教育
第27章 ノルウェー人の食生活――学生生活をともにした彼らから見えたもの
第28章 ノルウェーの移民政策――「ノルウェー語の学習も福祉政策の一環」という発想
第29章 図書館の未来とは?――あらゆる人々と知識、文化が出会う場所
 【コラム6】ともに音を奏で、ともに生きる


Ⅴ 観光

第30章 オスロ――豊かな自然と文化の薫る、ノルウェーの首都
 【コラム7】オスロとクリスチャニア
 【コラム8】オスロ市内中心部にある救世主墓地
第31章 ベルゲン――海に開かれた第二の都市
第32章 鉱山都市ローロス――独特な教会と100軒もの木造家屋が建ち並ぶ鉱山都市
第33章 ウルネスの木造教会――唯一世界遺産に登録されているノルウェーの木造教会
第34章 アルタの岩絵――先史時代の生活を語り伝えるヨーロッパ最北端の岩絵群
第35章 フィヨルドを旅する――ノルウェー旅行の醍醐味
 【コラム9】山歩き
第36章 北極圏の生活――光とともに移り変わる四季


Ⅵ 文化

第37章 イプセン――悲劇にはじめて一般市民を登場させた劇作家
第38章 グリーグ――「すべての真の芸術は人間的なるものから生まれる」
第39章 ムンク――生の不安も病もなければ、僕はまるで舵のない船だったろう
第40章 ノーベル文学賞を受賞したノルウェー人――ビョルンソン、ハムスン、ウンセット
 【コラム10】ひとりじゃない、家族だけじゃない、ともだちだけじゃない…… トールモー・ハウゲ
ンを読みながら
第41章 博物館――豊かな地方性を示す福祉国家の博物館
 【コラム11】ノルウェーのデザイン
第42章 ノルウェーの現代音楽――20~21世紀のさまざまなジャンルを巡って
 【コラム12】ノルウェーバレエ――その過去、そしてこれから
第43章 ノルウェーの映画――『歌え!フィシャーマン』『卵の番人』、そして…
第44章 若者文化――「人民を映す鏡」のなかの若者たち
第45章 教会音楽――社会背景と讃美の変遷
第46章 ブーナドと呼ばれる民族衣装――長い伝統のある、新しい国の民族的アイデンティティ
 【コラム13】ノルウェーのセーター
第47章 オスロの四季を楽しむ方法――自然とのふれあいを満喫できた日常生活


Ⅶ 国際社会のなかのノルウェー

第48章 探検家を輩出するノルウェー――ナンセン、アムンセン、そしてハイエルダール
第49章 紛争調停――オスロ合意からクラスター爆弾禁止条約まで
第50章 EU加盟問題――独自性の追求
第51章 NATO加盟国として――協力と対立の狭間で
第52章 国際協力――キリスト教精神に基づく国際協力と「無所属」である強み
第53章 ノーベル平和賞――変貌する国際社会で、平和を提唱し続ける民間の賞
第54章 スヴァールバル――北極海の「熱い島々」
第55章 デンマークから見たノルウェー――「兄弟民族」ノルウェー人に対する親近感
第56章 スウェーデンから見たノルウェー――ノルウェー政府の依頼でスウェーデン軍のノルウェー侵入も
第57章 フィンランドから見たノルウェー――ノルウェーの歴史を辿る
 【コラム14】国境越えの思い出


Ⅷ 日本とノルウェー

第58章 松井須磨子の登場――女優の誕生―とても男の役者には演り科せないだろう
第59章 鯨の取り持つ仲――捕鯨先進国であったノルウェー
第60章 北欧の大産油国のなかの小さな日本――ノルウェーにおける出光の石油開発事業

前書きなど

はじめに(大島美穂)

 本書を作成するにあたって、何度か問われたことがある。なぜ、ノルウェーなのか。ノルウェーは他の北欧4カ国とどこが違うのか、その特色を明らかにしなければならない…と。その問いかけは、ある意味でもっともである。ノルウェーはデンマークにも、スウェーデンにも支配された経験があり、ノルウェー語はデンマーク人に言わせればデンマーク語の一方言と言えるほどよく似ている。さらにネイティブのノルウェー人の風体は(洋服が少しダサい、または最近では必要以上にお洒落なことさえ除けば)スウェーデン人とほとんど変わらない。フィンランドが北欧の中で異彩を放ち、異なった言語、異なった歴史を持っているのとは大違いである。そして、そもそも社会福祉や平等、民主主義に対する考え方は北欧地域で共通であり、ノルウェーは二つの隣国の前に影が薄い。
 しかしそう言った途端、多くのノルウェー人、ノルウェー研究者、ノルウェー在住外国人から、たくさんの反論が出されることは間違いない。
 曰く、ノルウェーの自然はすばらしい、フィヨルドと滝、山脈からなる壮大な光景はどこの北欧諸国にも見られない神々しいものだ。ノルウェーの歴史も、ヴァイキングから現在まで、十分独自的である。そして、他の北欧諸国がEUに加盟し、北欧らしさを失いつつあるなかで、ノルウェーはEU非加盟を貫き、孤高のなかで独自性を保っている。ノルウェーが他の北欧諸国の背後に隠れていたのは過去のことで、北海油田、天然ガスの発掘によってノルウェーの国民一人当たりの所得は今やスウェーデン、デンマークを抜き北欧一、いやヨーロッパ一である。スポーツ面でも優れており、2014年のソチ・オリンピックでは開催国ロシアに次ぐメダル獲得数であり、人口比にしたら文句なく世界一だ。そればかりか、手工芸品や芸術作品も優れており、いまや世界中から人が集まってくる、など。しかし、他方で言えるのは、こうした議論が際限なく出てくるのは、そもそもノルウェーが自己のアイデンティティを常に問いかけざるを得ない状況に置かれてきたからであり、さらに言えば、他の北欧三国に対して、独自性を述べよなどとはあまり言われない。そこにノルウェーの特異性があり、そのナショナリズムの源泉がある。
 本書は執筆者各自が各々の観点や経験から、ノルウェーの現在、そして歴史的な特徴を語ったものである。研究者もいれば実務家も生活者もおり、ノルウェー人もいれば日本人もいる。ただしそこに共通するのは、ノルウェーへの強い思いであり、ノルウェーを理解し、さらにそれを通じて「世界」を考えていきたいという志向性である。例えば、筆者は国際政治の研究をしているが、ノルウェーの国内政治と外交を通して国際政治の常識を問い直すことができると考えている。本書を手に、ぜひ、あなたの「世界」を広げてほしい。
 なお、ノルウェー語の日本語表記に関しては、読者がインターネットなどで情報を入手しやすいことを念頭に、従来から慣用化してきた表記を使用した。また、特に中世以前の原語表記については、現代ノルウェー語での原語表記を参考に、それに基づいた表記を行った。

著者プロフィール

大島 美穂  (オオシマ ミホ)  (編著

1957年生まれ。筑波大学社会学系講師(国際関係学類・国際総合学類)を経て、現在津田塾大学学芸学部国際関係学科教授。専門は国際政治、北欧研究(ノルウェー近現代史)。主な著書に共著『環バルト海――地域協力のゆくえ』(岩波新書、1995年)、共編著『「国際化」する地域研究』(文化書房博文社、2009年)、編著『EUスタディーズ3――国家・地域・民族』(勁草書房、2007年)、単著「北欧の市民社会――ノルウェーにおけるNGO」『市民社会の成熟と国際関係』(志學社、2014年)、「北極海における国際政治―グローバル・ガバナンス、下位地域協力、国家間政治の交差の中で」『国際法外交雑誌』110巻3号、2011年、「ノルウェー――内外の変容の中での独自路線の模索」津田由美子、吉武信彦共編著『世界政治叢書――北欧・南欧・ベネルクス』(ミネルヴァ書店、2011年)など。

岡本 健志  (オカモト タケシ)  (編著

1960年生まれ。東洋大学や津田塾大学などで非常勤講師として勤務した後、駐ノルウェー王国日本大使館に専門調査官として赴任。その後、プロジェクト担当官としての駐日ノルウェー王国大使館での勤務を経て、現職(フェリス女学院大学非常勤講師・安川シーメンス オートメーション・ドライブ株式会社WkiPMドキュメントコーディネータ)に至る。専門は北欧文学・語学専攻。主な著書に『自習ノルウェー語文法』(大学書林、1993年)、『ノルウェー語分類単語集』/『デンマーク語分類単語集』(ともに大学書林、1996年)、『イプセンハンドブック』(駐日ノルウェー王国大使館、2008年)、『やさしいノルウェー語の作文』(大学書林、2010年)など。TBS世界遺産「アルタの岩絵」、「ウルネスの木造教会」などの監修も担当。

執筆者一覧


安倍 オースタッド 玲子(あべ・Auestad・れいこ)
オスロ大学文化研究・東洋語学部教授。日本近代文学専攻。

池上 佳助(いけがみ・けいすけ)
東海大学文学部准教授。国際関係史専攻。

石原 洋二(いしはら・ようじ)
駐日ノルウェー王国大使館通商技術部。

井上 勢津(いのうえ・せつ)
ノルウェー政府認定音楽療法士、東京音楽大学・東邦大学非常勤講師。音楽療法専攻。

岩﨑 昌子(いわさき・まさこ)
一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程。国際社会学、ノルウェー移民研究、福祉制度論専攻。

鵜沢 加那子(うざわ・かなこ)
ノルウェートロムソ大学大学院博士課程。日本とノルウェーの先住民族であるアイヌ民族とサーミ民族の研究、特にILO第169号条約における先住民族の権利比較研究が専門。

大島 美穂(おおしま・みほ) ※編著者プロフィールを参照

大溪 太郎(おおたに・たろう)
早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程。ノルウェー近代史専攻。

岡本 健志(おかもと・たけし) ※編著者プロフィールを参照

小川 有美(おがわ・ありよし)
立教大学法学部教授。ヨーロッパ政治論専攻。

笠島 克恵(かさじま・よしえ)
ノルウェー極地研究所臨時研究員、現地ガイド(フリーランス)。海洋物理学専攻。

モモ・カラン(Momo Kalland)
40年以上オスロ近郊のアスケル市にあるネーソイヤ島在住。ツアーガイドも行っている。

北川 美由季(きたがわ・みゆき)
北欧文化協会理事。

スヴァイン・グランドゥム(Svein Grandum)
駐日ノルウェー王国大使館通商技術部。

スヴェン・ホーコン・クリスチャンセン(Svend Haakon Kristensen)
駐日ノルウェー王国大使館通商技術部。

ビョルン・ゴードイ(Bjorn Godoy)
作家(オスロ在住)。歴史学専攻。ノルウェーの歴史に関する著作があり、現在はハンセン病患者の本を執筆中。

小長光 牧子(こながみつ・まきこ)
2000年から4年間オスロに暮らす。現在は東京で和食店「旬菜みつや」を経営。

小林 ひかり(こばやし・ひかり)
日本グリーグ協会理事、日本音楽学会会員。文学博士(大阪大学)。

酒井 葉(さかい・よう)
東京バレエ団、王立スウェーデンバレエ団、ノルウェーオペラ座バレエでダンサーとして活躍。現在、ワルシャワ在住。ピラティス、バレエのインストラクター。

高橋 照之(たかはし・てるゆき)
出光ペトロリアムノルゲ社長(オスロ在住)。北海道大学大学院修士課程修了(地質学・鉱床学専攻)、ノルウェー大陸棚での石油・天然ガスの探鉱・開発・生産事業に従事。

武井 真理子(たけい・まりこ)
ベルゲン大聖堂教区、教会音楽総監督兼オルガニスト。ノルウェー教会音楽総監督国家資格、デンマーク王国演奏家オルガニストディプロマ取得。

竹内 麻梨子(たけうち・まりこ)
在ノルウェー日本国大使館三等書記官。

田渕 宗孝(たぶち・むねたか)
在ノルウェー日本国大使館専門調査員。北欧地域研究専攻。

富永 裕子(とみなが・ひろこ)
駐日ノルウェー王国大使館通商技術部。

中里 巧(なかざと・さとし)
東洋大学文学部哲学科教授。北欧精神史・生命倫理学専攻。

中山 圭介(なかやま・けいすけ)
駐日ノルウェー王国大使館通商技術部。

成川 岳大(なりかわ・たかひろ)
埼玉大学教育機構ほか非常勤講師。ノルウェーを中心とした北欧中世史、教会史専攻。

羽生 浩一(はにゅう・こういち)
東海大学文学部広報メディア学科准教授。広報外交、ジャーナリズム論専攻。

本間 晴樹(ほんま・はるき)
東京音楽大学教授。スウェーデン史専攻。

マグヌセン 矢部 直美(Magnussen・やべ・なおみ)
オスロ大学人文社会学図書館司書。東アジア関係資料担当の他、レファレンスやカタログ等の図書館業務担当。

松村 一(まつむら・はじめ)
外務省アジア大洋州局地域政策課課長補佐。オスロ大学留学後、在ノルウェー日本大使館、在デンマーク日本大使館で勤務、外務本省では北欧・バルト担当官を務める等長年日・北欧関係に従事。

松村 律子(まつむら・りつこ)
北欧社会研究家。

村井 誠人(むらい・まこと)
早稲田大学文学学術院教授。北欧史専攻。

百瀬 宏(ももせ・ひろし)
北欧文化協会理事長、津田塾大学名誉教授。国際関係学、フィンランド近現代史専攻。

リーヴ・ランデ(Liv Lande)
日本生まれ。民族音楽学博士。在ノルウェー日本国大使館広報文化班現地職員。

レックム 市原 奈緒美(Rokkum・いちはら・なおみ)
オスロ大学院政治専攻。オスロ市議会議員、ノルウェー自由党(Venstre)国際委員会会員、オスロ自由党(Oslo Venstre)執行委員、国際自由青年連合元幹事長。

上記内容は本書刊行時のものです。