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討議
非暴力社会へのプレリュード
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2013年10月
- 書店発売日
- 2013年10月30日
- 登録日
- 2013年10月24日
- 最終更新日
- 2014年2月3日
紹介
底なしの衰退基調に東日本大震災が追い打ちをかけた日本で、非暴力的な社会変革は可能か。本書は「討議」というワンテーマを焦点に、討議の必要性、自由な場で討議を行うにはどうすればよいか、討議は何をもたらすか、といった点を、思想的に掘り下げていく。
目次
まえがき
プロローグ
第1章 原発事故に直面して
1 応答責任とは何か
2 自分本位が惨事を招いたのか
3 負担を引き受ける覚悟はあるのか
4 異を唱える気概はあるのか
第2章 自由な討議とは何か
1 システムに覆われた世界
2 官僚制による無人支配
3 討議の場としての公共空間
4 自由な行為主体として
5 アイデンティティを解き放つ
第3章 討議は何をもたらすのか
1 何を討議するのか
2 誰と討議するのか
3 何のために討議するのか
4 どこまで討議するのか
5 雄弁でなければならないのか
第4章 労働者として討議ができるのか
1 労働力を売り渡して
2 自己責任を押しつけられて
3 コーポラティズムの狭間で
4 フォーディズムの円環のなかで
5 精神を蝕まれようとも
6 死守するのか突き抜けるのか
第5章 討議は暴力を乗り越えられるのか
1 受動的市民に陥ることなく
2 新たな組織活動の息吹
3 システムに抗して
4 抗議運動を超えて
5 貴族主義に抗して
6 暴力に抗して
7 信頼と不信の過剰のなかで
8 友愛をはぐくみながら
エピローグ
あとがき
参考文献
前書きなど
まえがき(東條由紀彦)
覚悟していたことであるが、我々の前作『ヘゲモニー・脱ヘゲモニー・友愛――市民社会の現代思想』に対する評価は、我々の友人の間でも、「いいネ」をはるかに上回って、「むずかしい、よく分からない」であった。退却の道もあるが、しかし我々は前進の道を選択した。
本書は前作のなかでも、最も理解を得やすいと考えた、「第Ⅰ部 第3章 アーレント」を中心に、それに大幅な「加筆・修正」を加え、何よりもやさしく、分かりやすいことに重きをおいて書かれたものである。
「加筆・修正」を具体的に行ったのは主に志村君であるが、もとの原本が共作のものであり、「加筆・修正」にあたっても、数十回にわたり内容を両者で検討してきた経緯からも、今回も「共作」とするのが妥当と判断した。文責はむろん全編両者が共同して負い、執筆箇所の分担等もないことは前作の通りである。
現今の出版事情を考えると無謀な試みであるが、本書がさらに「討議」の輪をひきおこし、忌憚のない批判や反論が寄せられることを期待している。
上記内容は本書刊行時のものです。