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レイシズムと外国人嫌悪 駒井 洋(監修) - 明石書店
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レイシズムと外国人嫌悪 (レイシズムトガイコクジンケンオ)

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発行:明石書店
A5判
232ページ
並製
定価 2,800 円+税   3,080 円(税込)
ISBN
978-4-7503-3915-3   COPY
ISBN 13
9784750339153   COPY
ISBN 10h
4-7503-3915-6   COPY
ISBN 10
4750339156   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0336  
0:一般 3:全集・双書 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2013年10月
書店発売日
登録日
2013年10月11日
最終更新日
2013年10月15日
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紹介

インターネットの普及、経済の低迷などを背景に、日本でもアジアに対する極端な民族差別発言が公然と語られ、叫ばれるようになった。ナチスの台頭、ヨーロッパの反ユダヤ主義などの分析と比較のなかからレイシズム、ゼノフォビアに対する原理的批判の試み。

目次

 「移民・ディアスポラ研究」3の刊行にあたって(駒井洋)
 序章 レイシズムと外国人嫌悪(小林真生)


Ⅰ レイシズムとしてのネット右翼

特別企画 ネット右翼と反日暴動、その底流にあるもの(安田浩一×莫邦富)
第1章 日本におけるヘイトスピーチ拡大の源流とコリアノフォビア(岡本雅享)
第2章 右派のイデオロギーにおけるネット右翼の位置づけ――道徳概念システム論による分析の試み(能川元一)
第3章 中国「方正日本人公墓」にみる対日意識の形成と表出(南誠)
第4章 近代日本の人種差別と植民地政策(佐々木てる)
第5章 ナチスによるユダヤ人迫害から得られる教訓(駒井洋)


Ⅱ ヨーロッパにおけるイスラモフォビア

第6章 ドイツの排外主義――「右翼のノーマル化」のなかで(佐藤成基)
第7章 「人権の国」で許容されるレイシズムとは何か?――フランスにおける極右、反移民政策、イスラモフォビア(森千香子)
第8章 英国における人種主義とイスラモフォビア(樽本英樹)


Ⅲ 日本人の排外意識と外国人管理の強化

第9章 在日ブラジル人の「社会問題」化と排外意識(濱田国佑)
第10章 日本型雇用と「職の競合」をめぐる排外感情――「外国人労働者に関する意識調査アンケート」を素材として(永田大輔)
第11章 新たな在留管理制度に内在する構造的暴力――日本社会に蔓延する無自覚な外国人差別(鈴木江理子)


 書評(駒井洋)
  小林真生著『日本の地域社会における対外国人意識――北海道稚内市と富山県旧新湊市を事例として』
  佐々木てる著『日本の国籍制度とコリア系日本人』

 編者後記(小林真生)

前書きなど

編者後記

 最近では、ヘイトスピーチという言葉が一般にも知られるようになってきた。しかし、この第3号の企画が編集委員会の中で話題に出始めたのは2010年頃からである。それ以前から、ネット右翼や在特会といった話題はレイシズムに関心のあるものであれば、気がかりな事象であった。しかし、2011年3月に東日本大震災が起き、外国人と災害というテーマに取り組む必要に我々は駆られ、第2号出版へ向けて精力を注ぐこととなった。
 その間もネットの中では外国人に対する偏見は広がり続け、東日本大震災に際しても、外国人による犯罪行為に関するデマがネット上に流れるなどした。こうしたネット空間における偏見の広まり、日本そして世界に絶えず残る人種差別・外国人差別は、編者をはじめ編集委員会としても早急に取り組まねばならない問題として認識され続けていた。
 そうした過程を経て2012年に本号の準備が本格化したのだが、それと同時に東アジアは嫌悪の渦中に投げ込まれることとなった。日本、韓国、中国、それぞれに理由は異なるものの、他者への反感が同じ光景を見るかのように繰り返されたのである。その中では、政治家の偏見に基づく、聞くに堪えない発言も散見された。ただ、本書の関係者がそうした現状を横目に見ながら執筆を進められたことにより、行間から危機感を読み取ることのできる多くの玉稿が生まれた。資料を基に積み上げていく論文という形はとるものの、「現状を何とかしたい」との思いがそれぞれの執筆者を動かした。その情熱が社会に対して届いてくれればと編者として願うばかりである。
 現在、そうした不穏な空気があるとはいえ、将来に向けての希望も存在する。この9月、日本は2020年の東京オリンピック招致に成功した。すると、多くの東アジア出身の友人はそれを喜んだ。私は、日頃彼らからヘイトスピーチや反韓デモなどに脅威を感じるとの言葉を聞いていたため、「日本という社会に対して反発を感じているのではないか」と心配していたが、それは杞憂であった。彼らは「日本が好きで来ているのだから、喜ぶのは当然」と笑う。彼らの日本への愛着を安堵として捉えるのではなく、それに対しいかに応えるのかを、この社会が問われているといえよう。
 また、オリンピックは世界の注目を集める。そうした中で、ヘイトスピーチが継続し、それらを助長する関係者の発言が頻発することは、法制面の規制を設けている国から見れば、大きな不備に映ろう。2013年現在、福島第一原発の放射能漏れ対策に議論が集中しており、それに対応することが開催国としての責務との見解が示されている。しかし、同様に世界各国から選手や観客を迎え入れる国として、レイシズムや外国人嫌悪が街頭で声高に叫ばれる状況は、差別撤廃の観点はもちろんのこと、それが世界中に発信されることを考えても対応が求められる。私個人としても、国内外からのまなざしに日本がいかに向き合うのかを検証していくと共に、改善に向けて力を尽くしていきたい。
 最後に、現代社会が抱えるレイシズムという問題に対してご理解をいただき、本号刊行の機会を与えて下さった明石書店の石井昭男社長のご判断に心より御礼申し上げます。そして、編集作業にご尽力いただいた明石書店の黒田貴史様、ならびにオフィスバンズの金野博様に対し、編集委員会と執筆者を代表して感謝の意を表し、本号を閉じたい。

 2013年9月30日   移民・ディアスポラ研究3 編者 小林真生

著者プロフィール

駒井 洋  (コマイ ヒロシ)  (監修

筑波大学名誉教授。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。近著に『グローバル化時代の日本型多文化共生社会』(単著、明石書店、2006年)、『ヨーロッパ・ロシア・アメリカのディアスポラ』(共編著・監修、明石書店、2009年)、『貪欲に抗する社会の構築――近代合理主義をこえる仏教の叡知』(単著、明石書店、2010年)、『ブラック・ディアスポラ』(共編著・監修、明石書店、2011年)、ロビン・コーエン著『新版 グローバル・ディアスポラ』(訳、明石書店、2012年)。

小林 真生  (コバヤシ マサオ)  (編著

国立民族学博物館共同研究員。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科博士後期課程修了。博士(学術)。群馬県太田市出身で、地方都市における対外国人意識を研究。主著に『日本の地域社会における対外国人意識――北海道稚内市と富山県旧新湊市を事例として』(単著、福村出版、2012年)。『移民・ディアスポラ研究1 移住労働と世界的経済危機』(共著、明石純一編著・駒井洋監修、明石書店、2011年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。