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スモールマート革命
持続可能な地域経済活性化への挑戦
原書: THE SMALL-MART REVOLUTION: How Local Businesses are Beating the Global Competition
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2013年9月
- 書店発売日
- 2013年9月30日
- 登録日
- 2013年9月17日
- 最終更新日
- 2014年2月18日
書評掲載情報
2013-12-01 |
朝日新聞
評者: 水無田気流(詩人、社会学者) |
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紹介
グローバル企業との対比の中で地域企業の優位性を論証し、資金循環による地域経済のあり方を包括的、理論的に論じるとともに、地産地消、地域通貨、エコロジーとの連携、起業活動の促進、ローカルな証券取引市場の創設等、地域の自立のための方策を具体的に示す。
目次
日本語版序文
序文
序章 ウォルマートからスモールマートへ
安売り
暗い側面
スモールマート革命
スモールマート国家
原点
宗教ではなく、理想を
第Ⅰ部 北風を集める
第1章 破滅経済学
鉄の女
破滅経済学101
象とネズミのごった煮
TINA至上主義の過ち
誰の運命なのか
第2章 LOISという代替案
広めるべきは「地元」
地元が過半数
地元オーナーシップ
輸入代替の意味
LOISの数え切れない利点
社会責任の挑戦
第3章 大企業衰退のメカニズム
多くの「正しい」尺度
反グローバル化を推し進める8つのトレンド
なぜ合併に急ぐ?
効率性こそが定めなのではない
第Ⅱ部 スモールマート愛国者
第4章 消費者
家計を地元化する
地元化の数
地元での買い物を容易にする
購入へのはしご
賢く選ぶ
【スモールマート革命チェックリスト】消費者のための27項目
第5章 投資家
恐竜銀行を資金不足にさせるには
「ミシシッピ州に感謝しよう!」
資本市場に革命を起こす
真のオーナーシップ社会とは
【スモールマート革命チェックリスト】投資家のための14項目
第6章 起業家
地元のニッチ
エコな考え方
LOISの協力
LOISジョイントベンチャー
LOISが企業を支える
TINAとの協力
グリーンベイ・チキン
【スモールマート革命チェックリスト】起業家のための12項目
第7章 政策担当者
経済活動における資金循環を研究しよう
TINAへの資金供給を停止しよう
公共政策上の新たな課題
反TINA条例
王道を行くビジネス・コミュニティ
グローバル貿易政策
地方独立宣言
市役所を取り戻そう
【スモールマート革命チェックリスト】政策担当者のための30項目
第8章 コミュニテイを構築する人々
地元優先:ローカル・ファースト
「それほど辺鄙な場所じゃない」
カターディン地域のワークスフィア・イニシアチブ
【スモールマート革命チェックリスト】コミュニティを構築する人々のための5項目
第9章 グローバル化をめざせ
革命的な貧困削減
革命的な平和な未来
コミュニティの再興
【スモールマート革命チェックリスト】ローカルをグローバルに展開するための8項目
付表
原注
謝辞
監訳者あとがき
前書きなど
日本語版序文
「寄らば大樹の陰」という日本のことわざがある。戦後の日本ほど、「巨大」信奉の国はほとんど見当たらない。巨大系列が幅広く経済を牛耳り、大規模な輸出を後押ししている。優秀な学生たちは大企業での終身雇用を確保するためにこぞって有名大学に群がる。巨大施設、大規模な鉄道、大規模農場、大規模な社会福祉制度、大高層ビル群、巨大ショッピングモール、巨大電光掲示板――。「巨大」はそこらじゅうに溢れている。巨大メディア複合企業が現代文化をコントロールし、政治の世界においてさえ、ほとんどたった一つの大政党によって支配され、中央集権政治が日常生活の些細なことまで管理してきた。
しかし、「巨大」には落とし穴がある。米国には、「大きければ大きいほど、激しく倒れる」というよく知られた表現がある。日本人はこの20年間、大不祥事、大不動産バブル、大銀行の破綻、大規模デフレ、そして大規模自然災害に耐えぬいてきた。福島原子力発電所の原子炉のメルトダウン――これは、地震、津波、技術力不足、そして企業の隠蔽体質といった、誰もが予測しなかった組み合わせによって引き起こされた――は、日本人の「巨大信奉」への単なる警鐘にとどまるものではない。
本書『スモールマート革命――持続可能な地域経済活性化への挑戦』は、経済的、政治的、文化的により豊かになるためのもう一つのアプローチの有効性について述べている。何百万人もの日本人が起業家となり、コミュニティのニーズに対応した新しい小規模ビジネスを始め、人と人との関係によって地域生活を取り戻すようになる。小規模エネルギーシステムによって、日本はエネルギー独立国となり、原子力のロシアン・ルーレットから解放される。食材・食品の地産地消の普及により、日本人は再び、顔の見える、信用できる、地元の農家によって生産された食材を口にして生活を送ることができる。そして、小規模製造業、在宅ベースのビジネスが広がっていくことで、起業家活動の恩恵が日本の各市町村に浸透していくのである。
しかし、何よりもこの『スモールマート革命』は経済的繁栄についての本である。本書は、基本的に三つの主張で構成されている。最も経済的に貢献度の高い企業は、「地元オーナーシップ・輸(移)入代替主義」(LOIS:Local Ownership and Import Substitution)に基づいてビジネスを展開する会社であるということ。このLOISは、一般的に得られている評価よりも実際の競争力が高いということ。そしてその価値、競争力にもかかわらず、このLOIS、そして小規模ビジネスの自由市場は巨大な公共政策の障壁に直面しており、この障壁は制度的に取り除かれなければならないものであるということ。出版から7年の間、これらの主張それぞれを裏づける証拠が出てきている。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。