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在庫ステータス
取引情報
発達障害白書 2013年版(CD-ROM付き)
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2012年9月
- 書店発売日
- 2012年9月5日
- 登録日
- 2012年8月31日
- 最終更新日
- 2012年8月31日
紹介
知的障害を中心とした発達障害分野の、2011年における医療・教育・家族支援・福祉・労働・国際動向などに関するトピックをとりあげる。特集は「東日本大震災への支援活動と災害への対応策――関係団体からの活動報告と提言」「ボーダーレス化する発達障害」
目次
まえがき
『発達障害白書2013年版』における「発達障害」の表記と定義の統一について
第1部 特集
1 東日本大震災での支援活動と災害への対応策
2 ボーダーレス化する「発達障害」
第2部 各分野における2011年度の動向
第1章 障害概念
第2章 医療
第3章 幼児期/家族支援
第4章 教育:特別支援学校の教育
第5章 教育:小・中学校等での特別支援教育
第6章 日中活動
第7章 住まい
第8章 地域生活支援
第9章 職業
第10章 権利擁護/本人活動
第11章 文化・社会活動
第12章 国際動向
第3部 資料
1 年表
2 統計
3 日本発達障害福祉連盟と構成団体名簿
あとがき
執筆者一覧
前書きなど
まえがき
『発達障害白書2013年版』をお届けする。1961(昭和36)年、『精神薄弱者問題白書1961年版』として刊行されたこの「白書」は、書名を変えながらも49冊目となった。
イヤーブックとして毎年発行され続け、半世紀に及ぶ白書の歴史の中でも、今年は激動の年と言えるかもしれない。昨年度末、2011(平成23)年3月11日に発生した東日本大震災は、多くの犠牲者と甚大な被害を生むことになった。大地震とそれに続く想定外の大津波、そして原発事故。千年、万年単位の大自然のサイクルは人智をはるかに超えていた。そればかりか安全神話にすがっていた結果としての原子力発電所の事故は、私たちの生活を根底から見直すことを迫っている。
この震災による障害のある人々への被害の大きさと復興の困難さを知るにつけ、日頃からの地域社会のネットワークの重要性を改めて認識せざるをえない。「復興支援法」においても、絆の見直しと共生社会の実現の重要性を条文に盛り込んでいる。
本書では、障害者団体の現地支援、地域ネットワークの再構築の取り組みを採録している。終わりのない取り組みであり、まだ緒に就いたばかりであるが、大きな犠牲を払った教訓をしっかり学び、地域生活を見直す機会としたい。
もうひとつの大きな動きは、国連の障害者権利条約の批准を視野に入れた関連国内法の改正など、障害者に関わる制度改革の取り組みである。内閣府に設置された障がい者制度改革推進会議や総合福祉部会は精力的に議論を進め、総合福祉法制定に向けて「骨格提言」をまとめた。また中央教育審議会に設けられた「特別支援教育の在り方に関する特別委員会」でも、インクルーシブ教育をめざしての基本的概念と仕組みの転換に向けた議論がなされている。揺れ動く政局の狭間で先行きは不安定だが、当事者やその保護者の意向を十分に踏まえた法改正と、国連の障害者権利条約の早期批准が望まれる。
最後になったが、本年版より本書の発行所が明石書店に変わる。これまで長年にわたり本書の発行を担ってくださった日本文化科学社に代わって、幅広くかつ鋭い視点で、本書の充実にご支援いただくことになる。読者の皆様にも一層のご理解とご協力をお願いする次第である。
社団法人日本発達障害福祉連盟会長 金子健
上記内容は本書刊行時のものです。