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OECD保育白書 OECD(編著) - 明石書店
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OECD保育白書 (オーイーシーディーホイクハクショ) 人生の始まりこそ力強く:乳幼児期の教育とケア(ECEC)の国際比較 (ジンセイノハジマリコソチカラヅヨクニュウヨウジキノキョウイクトケアイーシーイーシーノコクサイヒカク)
原書: Starting Strong II: EARLY CHILDHOOD EDUCATION AND CARE

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発行:明石書店
A4変形判
520ページ
並製
定価 7,600円+税
ISBN
978-4-7503-3365-6   COPY
ISBN 13
9784750333656   COPY
ISBN 10h
4-7503-3365-4   COPY
ISBN 10
4750333654   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0037  
0:一般 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2011年3月
書店発売日
登録日
2011年3月24日
最終更新日
2011年3月24日
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紹介

乳幼児期の教育とケアの質を高めすべての人に適切に行き渡るようにするにはどうしたらよいのか? OECD諸国の乳幼児期政策と取り組みを詳細に紹介するとともに、家族や子どもに影響を与える社会的・経済的・概念的要因を分析し、重要な政策領域を提示する。

目次

 日本語版への序(ジョン・ベネット)
 序文
 謝辞
 各章の要旨

第1章 各国はなぜ「乳幼児期の教育とケア(ECEC)」に投資するのか
 第1節 サービス経済の発達と女性の給与雇用職への参入
 第2節 仕事の責任と家庭の責任を女性にとって公正な方法で両立させること
 第3節 人口動態的課題:低下する出生率と増え続ける移民の問題
 第4節 子どもの貧困と教育上の不利益に抗するアクション
 第5節 公共財としてのECEC

第2章 ECEC政策への体系的で統合的なアプローチ
 第1節 中央レベルでの協調的な政策枠組み
 第2節 主管省庁の指定
 第3節 中央レベルと地方分権レベルの協調
 第4節 改革への協調的参加型アプローチ
 第5節 地方レベルのサービス・専門家・親の間の連携

第3章 ECECと教育制度の強力で対等な連携
 第1節 学習への一体化されたアプローチ
 第2節 ECECの「学校化」は起こっているのか?
 第3節 子どもにとっての移行を促すこと

第4章 すべての人に開かれたアクセスと特別なニーズをもつ子どもたちへの配慮
 第1節 すべての3~6歳児に開かれた適切なアクセスを提供すること
 第2節 3歳未満児のための公共施設の増加
 第3節 すべての子どもが質の高いECECを受けられる公正なアクセスを保障すること

第5章 ECECサービスとインフラに対する相当額の公的投資
 第1節 ECECサービスへの投資から誰が便益を得るか?
 第2節 ECECサービスに各国はいくら支出しているか?
 第3節 ECEC分野への新しい資源の投入
 第4節 政府はどのようにECECサービスに資金供与しているか?
 第5節 チャイルドケアに対する親の負担
 第6節 各国で選ばれた資金供与の方法は制度の質に影響を与えているか?
 第7節 有効な政策は行政への投資とサービスの支援を含む

第6章 ECECの質の改善と保証への参加型アプローチ
 第1節 ECECにおける質と規制
 第2節 OECD諸国におけるECECの規制の状況
 第3節 規制と質の基準を改善する取り組み
 第4節 教育学的枠組みと教育プランの使用
 第5節 ECECカリキュラムについての優勢な理解の仕方
 第6節 質の改善への参加型のカルチャーを推進するために各国は何をしているか

第7章 ECEC職員のための適切な養成と労働条件
 第1節 ECEC制度の質は効果的な職員養成と公正な労働条件を必要とする
 第2節 ECEC部門の職員のプロフィール
 第3節 ECECサービスの中核となる専門職についての新しい考え方
 第4節 初期養成と現職研修
 第5節 給与と労働条件
 第6節 ジェンダーの混成と労働力の多様化のための戦略

第8章 ECEC分野の体系的なデータ収集とモニタリング
 第1節 乳幼児とそのサービスのための包括的データを作り上げる
 第2節 ECECデータ収集を改善するステップ
 第3節 信頼性のあるECECデータを収集し提供するための手続きを確立する
 第4節 ECECシステムのモニタリング
 第5節 ECECシステムのモニタリングへの参加型のアプローチを進める

第9章 ECEC研究と評価の安定した枠組みと長期的課題
 第1節 どんなタイプの研究が最も一般的か?
 第2節 ECEC研究課題を広げる
 第3節 研究領域でのいくつかの課題

第10章 OECDによる政策提言:10項目
 第1節 考慮すべき政策領域
 第2節 結語

 付録A 本報告書で使われている用語
 付録B ECEC調査の範囲と方法論
 付録C 各図のデータ表
 付録D ECECへの公的投資を支持する国際的なエビデンスの概略
 付録E 各国概要:参加各国のECECシステムの概要
  オーストラリア/オーストリア/ベルギー:フランス語圏共同体/ベルギー:フラマン語圏共同体/カナダ/チェコ/デンマーク/フィンランド/フランス/ドイツ/ハンガリー/アイルランド/イタリア/韓国/メキシコ/オランダ/ノルウェー/ポルトガル/スウェーデン/イギリス/アメリカ
 付録F 調査チームメンバー

 訳者解説
 訳者あとがき
 日本語版における用語に関して

Box
 Box1.1 アイルランドの経済成長
 Box2.1 地方分権のもとで政府と地域が組織する子ども発達政策(カナダ)
 Box2.2 フィンランドにおけるECEC発展への参加型アプローチ
 Box3.1 メキシコのヌエボ・レオン州の教育とケアに関する政策
 Box4.1 3歳未満児に向けた新しいサービスの発展:ハンガリーの子どもセンター
 Box4.2 ドイツ(ウェストファーレン州)の子どものためのモンハイム・パイロット・プロジェクト:Mo.Kiプロジェクト
 Box5.1 フランスの家族に対するECEC助成
 Box6.1 アメリカのアーカンソー・ベターチャンス・プログラムの諸規則
 Box6.2 アメリカの初等中等教育法による「落ちこぼれゼロ」の政策枠組み
 Box6.3 韓国のハンミ「レッジョ・エミリア」センター
 Box6.4 早期の教育における親の参加:アメリカの事例
 Box8.1 オーストリア統計局:国家統計局の役割
 Box9.1 イギリスの就学前教育の効果的整備計画(EPPE)
 Box9.2 「乳幼児教育と養成研修における多様性」研究ネットワーク
 Box9.3 ベルギー(フラマン語圏共同体)におけるチャイルドケア施設のための自己評価尺度を志向したプロセス
 Box10.1 フィンランドのECECカリキュラム開発、2000~2003年


 表1.1 OECD諸国における法定休暇権利期間
 表1.2 イギリスの就学前教育の効果的整備計画(EPPE)研究に用いられたリスク要因指標、1997~2007年
 表2.1 子どもサービスのより体系的なアプローチの達成に向けた各国の最近の取り組み
 表4.1 OECD諸国におけるECECの主要な整備
 表4.2 OECD諸国のECEC施設利用資格
 表4.3 OECD諸国の出産休暇、父親休暇、育児休暇政策の概要
 表5.1 質の高い乳幼児プログラムにおける子ども1人当たりの投資概算額
 表5.2 主要国のECECサービス(0~6歳)の主要財源の有無
 表6.1 OECD調査の一部対象国における家庭的保育・保育所・公立幼児教育機関の許認可要件
 表6.2 2つのカリキュラムの伝統の特徴
 表6.3 OECD諸国のECECカリキュラム
 表7.1 OECD諸国の施設型ECEC職員の資格
 表7.2 乳幼児期教育の主要専門職のタイプ
 表8.1 ベルギー(フラマン語圏共同体)のグループ別チャイルドケア利用率


 図1.1 OECD諸国における25~34歳の男女別雇用率、1980年および2004年
 図1.2 全女性就業者におけるパートタイム雇用率とフルタイム雇用率、2004年
 図1.3 有効育児休暇指数
 図1.4 男女別全就業者に占めるパートタイム雇用率、2004年
 図1.5 男女別の雇用率(25~54歳)、2004年
 図1.6 OECD諸国の高齢者および移民の人口動態
 図1.7 所得移転が与える子どもの貧困への影響
 図1.8 OECD加盟国中10か国のひとり親の比率
 図1.9 人的資本投資に対する収益率:生涯において同一額の投資が行われると仮定
 図4.1 3~6歳児の認可ECECおよび就学前教育施設の在籍率
 図4.2 3歳未満児の母親の就業率および0~3歳児の認可ECEC施設の利用率
 図4.3 3歳未満児とその親に対する政策アプローチ
 図5.1 ペリープリスクール研究:40歳時の主な結果
 図5.2 家庭と乳幼児への公的支出額の対GDP比
 図5.3 OECD諸国14か国のECECサービス(0~6歳)への公的支出額の対GDP比
 図5.4 就学前教育(3~6歳のみ)への公的支出および私的支出の対GDP比
 図7.1 イギリスの乳幼児期関連従業者(子守を含み、教師は含まない)の平均時間給:同等の資格を要するその他の職種との比較
 図10.1 豊かな国における子どもの貧困率

前書きなど

 経済発展と急速な社会変動は、OECD加盟国全体で、家族と子育ての様相を大きく変えた。この白書はOECD加盟20か国の乳幼児期の教育とケア(Early Childhood Education and Care, ECEC)についての報告であり、その乳幼児期政策に影響を与える社会的要因、経済的要因、概念的要因、そして研究の要因について論じたものである。ここで取り上げられていることのなかには、労働市場への女性の参入が増加している現状、女性も男性も同等に仕事と家庭の責任を両立させる問題、各国が直面する人口問題への対処等があるが、とりわけ、ECECサービスの利用しやすさ・質・多様性・子どもの貧困・教育環境条件の格差の問題に各国がどう取り組んでいるかが述べられている。このような問題への各国の対処の仕方には、その国の社会経済的な伝統、家族と幼い子どもについての理解の仕方、質の高い乳幼児期サービスがもたらす利益についての研究の蓄積など、たくさんの要因が影響している。
 本書「OECD保育白書」は、2001年版の白書「Starting Strong」で概観したECEC政策の成功の鍵となる諸側面に、その後各国がどう応え、どのような進展があったかを報告している。ここではECECの新しい政策の取り組みの例が数多く紹介されている。結論として、本書は10項目の政策領域を提案しており、各国政府がこれらに注目するよう望んでいる。また、参加20か国のECECシステムの概観である各国概要が掲載されている。
 本書は、子どもの発達、ワークライフバランス、乳幼児期の教育とケアの政策等に関心のある多くの読者に供するものである。
 本書の対象となった国は次の通りである。オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、韓国、メキシコ、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スウェーデン、イギリス、アメリカ。

著者プロフィール

星 三和子  (ホシ ミワコ)  (

 東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。現在は、十文字学園女子大学人間生活学部教授。2011年4月から名古屋芸術大学人間発達学部教授。専門は、発達心理学、保育の国際比較。主な著書論文に、“Jeu et education des tout-petits dans les creches japonaises”(Rayna, S. & Brougere, G.(eds.), Jeux et cultue prescolaire, INRP, Lyon, France, 2010)、“Tradition et evolution de la coeducation au Japon”(Rayna, S., Robio, M. N. & Scheu, H.(eds.), Parents-professionnels: la coeducation en questions, Edition Eres, Toulouse, 2010)、“Culture prescolaire et nouveaux defis au Japon”(Revue internationale d'education de Sevre, 53, 2010)、「子どもの発達にとって町とは何か:ピストイアの保育における環境としての町」(共著、『十文字学園女子大学人間生活学部紀要』第7号、2010年)、「保育士はゼロ歳児の〈泣き〉をどうみているか」(共著、『保育学研究』第47巻2号、2009年)、“Japan”(New, R. & Cochran, M.(eds), International Encyclopedia on Early Childhood Education, Greenwood Publishing, California, USA, 2007)、“Modes de garde et education des enfants de moins de trois ans au Japon”(Rayna, S. & Brougere, G.(eds.), Tradition et innovations dans . l'education prescolaire, INRP, Paris, France, 2000)、『子どもの描画:なぐり描きから芸術まで』(翻訳、ハワード・ガードナー著、誠信書房、1996年)ほか。

首藤 美香子  (ストウ ミカコ)  (

 お茶の水女子大学家政学部児童学科卒業。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科人間発達学専攻修了。人文科学博士。現在は、白梅学園大学子ども学部子ども学科准教授。専門は、児童文化論、子ども観の比較社会史、子ども学。主な編著書に、『近代的育児観への転換:啓蒙家三田谷啓と1920年代』(単著、勁草書房、2004年)、『児童文化』(共著、ななみ書房、2006年)、論文に、「幼稚園教育と児童保護宣伝:1920~1922年―交錯する視線―」(『幼児教育史研究』第32008年)、「OECDのECEC政策理念と戦略―“Starting Strong II: Early Childhood Education and Care”(2006)―」(『国立教育政策研究所紀要』第138集2009年)、「〈児童文化〉・〈子ども文化〉の定義をめぐって」(『チャイルドサイエンス』vol.6、日本子ども学会編、2010年)、「越境する子ども学―エリアからグローバルへ―」(『地域と子ども学』第2号、白梅学園大学、2010年2月)など。

大和 洋子  (ヤマト ヨウコ)  (

 埼玉大学教育学部卒業。香港大学にて比較教育学で修士号(優等)取得。現在は、東洋英和女学院大学等で非常勤講師。2011年4月から国立教育政策研究所研究協力者を兼任。専門は、比較教育学、英語教育学。主な著書論文に、「シンガポール:「考える学校、学ぶ国家」遊びを通して学ぶ体験学習へ」(泉千勢・一見真理子・汐見稔幸編著『世界の幼児教育・保育改革と学力〈未来への学力と日本の教育9〉』明石書店、2008年)、「香港の外国人学校と国際学校:中国返還後の新たな動きに注目して」(福田誠治・末藤美津子編著『世界の外国人学校』東信堂、2005年)、Education in the Market Place: Hong Kongユs International Schools and their Mode of Operation(CERC, The University of Hong Kong, 2003)ほか。

一見 真理子  (イチミ マリコ)  (

 東京外国語大学外国語学部卒業。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。現在は、国立教育政策研究所国際研究・協力部総括研究官。専門は、比較教育学、教育史、アジア地域の教育政策。主な編著書に、Policy and Practice of Early Childhood Education and Care across Countries: Report of NIER Study Visit Programme(NIER, 2009)、『世界の幼児教育・保育改革と学力〈未来への学力と日本の教育9〉』(共編著、明石書店、2008年)、『東アジア地域における早期教育の現状と課題・報告書』(編著、国立教育政策研究所、2006年)、『21世紀初頭における中国の教育政策:動向と分析』(編・監訳、国立教育政策研究所、2005年)、『親の学校参加に関する国際比較研究・報告書』(編著、国立教育政策研究所、2002年)、『諸外国における保育の課題と展望』(共著、世界文化社、1997年)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。