書店員向け情報 HELP
出版者情報
在庫ステータス
取引情報
Q&A 大学生のアスペルガー症候群
理解と支援を進めるためのガイドブック
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2010年6月
- 書店発売日
- 2010年6月5日
- 登録日
- 2010年7月26日
- 最終更新日
- 2012年8月20日
紹介
大学生活につまずく学生の中にはアスペルガー症候群と思われる人も多い。困難を抱える学生は問題にどう対処していけばよいのか。また大学教職員は彼らをどう支援していくべきか。学習面から卒後の就労まで、障害特性の理解と支援のポイントを具体的にアドバイス。
目次
はじめに
I アスペルガー症候群とは?
1 アスペルガー症候群・発達障害とはどんな問題か
2 アスペルガー症候群の基本障害――ウィングの三つ組の障害と運動・感覚の特徴
3 アスペルガー症候群の人の感情の特徴と「心の理論」
4 アスペルガー症候群の独特な能力
5 アスペルガー症候群と社会的問題
6 ADHDとLD
【コラム】
・自閉症とアスペルガーの症候群の歴史
・アスペルガー症候群は“障害”ではない?
・アスペルガー症候群の文明と人類への貢献
・アスペルガー症候群とインターネットやゲーム依存
・ADHDと「片付けられない女たち」
・ADHDと虐待の関係
・ディスレキシアの有名人と映画・小説
II 大学での問題――アスペルガー症候群の本人と家族のために
1 大学進学前に考えるべきこと――すでにアスペルガー症候群とわかっている方へ
2 大学生活――学業上の問題に対処する
3 日常生活と友人関係
III 大学での支援
1 大学でどのような支援を行うか
2 大学での支援の原則と手順
3 一般教職員の対応
4 相談の専門家による面接での対応――学生相談室やカウンセリングセンターで
5 保健管理センターや健康管理室での対応
【コラム】
・受容的アプローチと指示的アプローチの両立
・相談室での支援の最後にあえて一言――無理をしないように!
IV 医療機関での対応
1 教育と医療の役割分担――学外医療機関での受診を勧める前に
2 医療機関での診断
3 並存する障害と併発しやすい疾患
4 薬物療法
V 卒後をふまえて――就労支援
1 卒業後を考えるための視点
2 職業選択と就職活動
3 障害者就労と一般の就労
4 在学中の就労支援――アルバイト・勤労奨学生・インターンシップ
【コラム】
・就労支援の最後に一言
VI 社会人への支援
1 アスペルガー症候群の人を雇用する
2 社会人への支援と対応の実際
3 結婚と高齢になってからの問題
【コラム】
・アスペルガー症候群の人は、長い時間がたてば「心の理論」を獲得するか?
参考文献と映画,ホームページなど
おわりに
前書きなど
はじめに
今、大学や高等専門学校での発達障害やアスペルガー症候群の学生の問題と支援が、大きなトピックスとなっています。発達障害は今まで小児の問題とされていました。そのため、就学前あるいは小中学校での支援については、文部科学省が取り組んでいる特別支援教育の拡充もあって、理解と支援が徐々に進んできていますが、大学においてはまだまだ十分ではありません。大学でもこれからは、学生相談室のカウンセラーや健康管理室・保健室の保健師・看護師などの、支援や相談の専門家だけでなく、授業で教える一般の教員、あるいは学科の事務室、学生部、教務部、就職課の職員など、すべての教職員がアスペルガー症候群や発達障害の大学生を理解し、支援していくことが必要になってくると思います。
筆者は精神科医として、大学の学生相談室・保健室、および市中の精神科クリニックで相談や診察をする中で、アスペルガー症候群など、発達障害の大学生や成人を多く診ています。また全国の大学や日本学生支援機構などの研修会で、アスペルガー症候群についての講演を数多く行ってきました。これらの立場と経験を生かして、今まで発達障害の学生とあまりかかわってこなかった(と思っている)方、支援の経験が少ない方、アスペルガー症候群のことを知らなかった方がもつ基本的な疑問や戸惑いに答え、大学での問題や支援全体が見渡せる基本的なガイドブックを書くことにしました。
この本でとり上げているのは、大学生を中心とした発達障害、とくにアスペルガー症候群の人、あるいはその可能性がある人です。大学に入るまでは“障害”と認知されることなく特別な支援を受けてこなかった人を想定していますが、義務教育で特別支援教育を受けて、今後大学に入学しようとする人にも役立つ内容となっています。私がかかわった事例を元に、なるべく具体的な問題や支援を記載していますが、個人を特定できないように内容をかなり改変し、問題や疑問をQ&A方式にして、広く浅く学べるようになっています。より専門的な項目、たとえばコミュニケーション・スキル・トレーニングなどの心理技法、ジョブコーチによる就労支援の実際などは、参考書籍をあげましたのでそちらを参考にしてください。
この本によって大学生や成人の問題の一つである発達障害、とくにアスペルガー症候群への理解が深まり、大学教職員のみならず、学生自身や保護者の方の役に立つことができれば幸いです。
上記内容は本書刊行時のものです。
