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発達障害がある子のための「暗黙のルール」 ブレンダ・スミス・マイルズ(著) - 明石書店
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発達障害がある子のための「暗黙のルール」 〈場面別〉マナーと決まりがわかる本
原書: THE HIDDEN CURRICULUM: Practical Solutions for Understanding Unstated Rules in Social Situations

発行:明石書店
B5判
104ページ
並製
定価 1,400円+税
ISBN
978-4-7503-3209-3
Cコード
C0037
一般 単行本 教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2010年6月
書店発売日
登録日
2010年8月20日
最終更新日
2011年3月18日
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紹介

一般の人ならほとんど自然に習得できるが、社会的認知に困難のある人は直接教えられなければわからない微妙な「暗黙のルール」について、実践的な場面毎の詳細なリストで教え方をアドバイスするガイドマニュアル。原著はこの分野で常に参照される基本図書。

目次

 まえがき
 はじめに

「暗黙のルール」って何?
暗黙のルールの影響
暗黙のルールを教える
暗黙のルールのリストについて
暗黙のルールのリスト
 ・飛行機に乗るとき
 ・トイレでのルール
 ・お誕生日のパーティー
 ・服装
 ・食事
 ・友だち関係
 ・ライフスキル
 ・学校
 ・社会的場面
 ・プールでのルール
 ・生きていくためのルール
 ・比喩表現と慣用句

 参考文献
 監修者あとがき

前書きなど

はじめに

 私たちのまわりの世界は、ルールやガイドライン、規則や方針があふれる複雑な場所です。ルールや命令そのものが複雑な場合もありますが、それでも私たちの多くはこのような環境を、たいていは無意識のうちに居心地よく感じています。ルールは日常の多くの場面で何をすべきかを知る手助けになるからです。ルールが一貫しているならば、たいていの人はルールを好むものです。ただし、ルールがわかりにくかったり、一貫性なく用いられたり、ことばで表されていないと、私たちは動揺したり憤慨したり困惑したりしてしまいます。
 著者の1人ブレンダには、最近、海外で講演を行う機会がありました。ブレンダはその日の最初の講演者で、大きなホールの壇上から話をすることになっていました。講演の20分ほど前に、最終チェックをするためにブレンダは壇上に上がっていました。コンピューターはきちんと作動するか、プロジェクターはスクリーンにつながっているか、DVDプレーヤーの音はよく聞こえるか、などを確認していたのです。ブレンダが講演で使うコンピューターのわきに小さなテーブルといすが用意され、テーブルの上には水の入ったピッチャーとガラスのコップが置いてありました。チェックがすべて終わると、ブレンダはいすに腰を下ろして待っていました。すると突然、場内アナウンスが響きわたりました。「ブレンダ・マイルズ先生、ステージから降りてください」。面食らったブレンダはいすから飛び上がると、あわてて客席に駆け降りました。どうやらブレンダは、「講演者は全員、客席から紹介されてステージに上がること」という、文字に書かれていないルール、つまり慣習を破ってしまっていたのです。
 この世界を複雑にしている、ことばで表されないこうしたルールや慣習に、私たちは日頃から囲まれて暮らしています。これが「暗黙のルール」と呼ばれるものです。
 この本の目的は、読者のみなさんに暗黙のルールというものの存在を認識していただき、このルールがいかに捉えにくいものか、またどんな影響を与えるかを知っていただくことにあります。暗黙のルールについてどの程度教えてもらう必要があるかは、人によってさまざまです。ある人たちは暗黙のルール──あるいはその大体のあらまし──をほとんど無意識のうちに学んでいるように見えます。ところが、中には直接教わることでしかルールを学習できない人もいるのです。そこで、この本の出番となります。本書では、初めに暗黙のルールの性質について概略を説明したのち、暗黙のルールを教えるのに効果的なさまざまな指導法を紹介します。最後に暗黙のルール、つまり、ことばで表されないガイドラインのリストを掲載します。このリストは広範囲にわたるものですが、すべてを網羅しているわけではありません。暗黙のルールはもともと捉えどころのない性質を持つことから、このリストはたとえ範囲は広くても、学習すべき明確な課題というよりは、むしろルールの見本を提示しているとお考えください。親御さんや先生方やそのほかのみなさまには、ともに暮らすご家族や支援する生徒それぞれのニーズと特定の場面に応じた独自のリストを作るうえで、このリストをたたき台として捉えてご活用いただくようお願いいたします。

著者プロフィール

ブレンダ・スミス・マイルズ  (マイルズ,ブレンダ・スミス)  (

カンザス大学の准教授であり、アスペルガー症候群と自閉症について国際的に執筆・講演活動を行っている。著者および共著者として多くの出版物を発表し、邦訳された共著書としては、Asperger Syndrome and Adolescence: Practical Solutions for School Success(『アスペルガー症候群への支援──思春期編』吉野邦夫監訳、テーラー幸恵/萩原 拓訳、東京書籍、2006年)やAsperger Syndrome and Sensory Issues: Practical Solutions for Making Sense of the World (『アスペルガー症候群と感覚敏感性への対処法』萩原 拓訳、東京書籍、2004年)、Asperger Syndrome and Difficult Moments: Practical Solutions for Tantrums, Rage, and Meltdowns(『アスペルガー症候群とパニックへの対処法』冨田真紀監訳、萩原 拓/嶋垣ナオミ訳、東京書籍、2002年)、Making Visual Supports Work in the Home and Community: Strategies for Individuals with Autism and Asperger Syndrome(『家庭と地域でできる自閉症とアスペルガー症候群の子どもへの視覚的支援』門 眞一郎訳、明石書店、2006年)、Children and Youth with Asperger Syndrome: Strategies for Success in Inclusive Settings(『アスペルガー症候群のある子どもを伸ばす通常学級運営マニュアル――多面的サポートで成果を上げる』萩原 拓監修、二木早苗訳、明石書店、2008年)などがある。

メリッサ・L・トラウトマン  (トラウトマン,メリッサ・L)  (

カンザス州オーヴァーランド・パークのブルー・ヴァレー学区で自閉症のある子どもたちを教えている。ネブラスカ州リンカーンで小学生のための特別支援教育の教師を務めた経験を持つ。

ロンダ・L・シェルヴァン  (シェルヴァン,ロンダ・L)  (

ワシントン州のケルソー学区で教師をしており、サウスウエスト・ワシントンの自閉症コンサルティング団体(Autism Consulting Cadre)で共同議長を務めている。特別支援教育の分野で25年以上活動し、特別なニーズのある子どもやその家族と関わってきた幅広い経験を持つ。

萩原 拓  (ハギワラ タク)  (監修

1968年生まれ、東京都出身。1991年、立教大学文学部心理学科卒業後、渡米。1994年、メンフィス大学教育学部特殊教育学科修士課程修了。1998年、カンザス大学教育学部特殊教育学科博士課程修了、Ph.D. 取得。卒業後、同大学特殊教育学科プロジェクト・コーディネーターとして、本書の著者ブレンダ・スミス・マイルズとの自閉症スペクトラム障害の教育に関する研究や、大学院での指導者養成にあたる。2006年より、北海道教育大学旭川校特別支援教育分野准教授。発達障害の包括的アセスメントの開発、支援法の研究を、地域と連携して、実践的に展開している。また、全国規模の研究活動にも携わっている。
主な著書に、『アスペルガー症候群とパニックへの対処法』(共訳、東京書籍、2002年)、『アスペルガー症候群と感覚敏感性への対処法』(訳、東京書籍、2004年)、『こんなとき どうしたらいい?──アスペルガー症候群・自閉症のお友だちへ ヘイリーちゃんのアドバイス』(訳・解説、日本自閉症協会、2006年)、『アスペルガー症候群への支援──思春期編』(共訳、東京書籍、2006年)。『アスペルガー症候群のある子どもを伸ばす通常学級運営マニュアル──多面的サポートで成果を上げる』(監修、明石書店、2008年)などがある。

西川 美樹  (ニシカワ ミキ)  (

東京女子大学文理学部英米文学科卒業。外資系製薬会社勤務を経て翻訳者となる。
主な訳書に『あしたから子どもが変わる30の子育てマジック』(実業之日本社、2004年)、『フィンランドの歴史』(共訳、明石書店、2008年)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。