版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊 ラノベ
新しい国際協力論 山田 満(編著) - 明石書店
.

新しい国際協力論

発行:明石書店
四六判
268ページ
並製
定価 2,500円+税
ISBN
978-4-7503-3188-1
Cコード
C0036
一般 単行本 社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2010年5月
書店発売日
登録日
2010年7月13日
最終更新日
2010年7月13日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

現代社会における国際協力とは何か、なぜ国際協力は必要なのか? グローバル公共財、貧困問題、紛争解決と平和構築、国連が取り組む人権・環境・難民、そして企業の社会的責任など、グローバル化のなかで変化する課題における国際協力の理論と実践を概説する。

目次

序章 なぜ国際協力は必要なのか(山田満)
 はじめに
 第1節 フリーライダーになってはいけない!
 第2節 地球公共財とは何か
 第3節 国際協力とは何か
 (a)平和
 (b)人権
 (c)開発
 (d)環境
 第4節 本書の構成

第1章 グローバリゼーションと貧困問題(中野洋一)
 はじめに
 第1節 冷戦期の南北問題
 (1)1960年代までの状況
 (2)1970年代の状況
 (3)1980年代の状況
 第2節 冷戦後の南北問題とグローバリゼーション
 (1)歴史的転換点
 (2)グローバリゼーションにおける南北関係
 (3)グローバリゼーションにおける新しい問題提起
 第3節 グローバリゼーションと貧困削減の課題
 (1)今日の途上国の貧困状況
 (2)拡大する世界的貧富の格差
 (3)グローバリゼーションをどのように評価すべきか
 (4)貧困削減のための費用と財源
 おわりに

第2章 社会開発(吉川健治)
 はじめに
 第1節 社会開発とは
 (1)社会開発理念醸成の背景
 (2)開発のパラダイム・シフト──「人間開発概念」
 (3) 社会開発と人間開発までの開発理念の変遷
 第2節 社会開発事業
 (1)開発と女性
 (2)マイクロ・ファイナンス
 第3節 社会開発の方向性──教育と開発を例にとって
 (1)教育開発の歴史
 (2)開発の中心課題としての教育開発
 おわりに──社会開発の今後の課題

第3章 国際関係と国際平和協力(山田満)
 はじめに
 第1節 国際関係理論から国際平和協力を考える
 (1)リアリズムからみた国際平和協力
 (2)リベラリズムからみた国際平和協力
 (3)コンストラクティヴィズムからみた国際平和協力
 第2節 紛争後の平和構築をどのように進めるのか
 (1)ウェストファリア体制の再生
 (2)グッド・ガバナンスとは何か
 第3節 多様な世界での国際平和協力を考える
 おわりに

第4章 国連が取り組む人権、環境、難民問題(滝澤三郎)
 はじめに
 第1節 国連の人権分野における活動
 (1)国連憲章と世界人権宣言
 (2)差別撤廃への努力と「第三世代の人権」
 (3)国内避難民の人権保護
 (4)国連人権理事会
 第2節 国連の環境分野における活動
 (1)1970~80年代
 (2)1990年代と気候変動に関する国連枠組み条約
 (3)2000年以降とIPCC
 (4)第15回締約国会議(COP15)
 第3節 国連の難民保護における活動
 (1)人の自発的、強制的移住
 (2)強制移動のサイクル
 (3)難民問題の解決
 (4)難民・国内避難民の国際的な保護体制の拡大
 (5)難民・国内避難民の国際的な保護体制への制限的な動き
 (6)難民問題の政治性と人道性
 (7)日本の難民受け入れ
 おわりに

第5章 緊急人道支援から開発支援へ(桑名恵)
 はじめに
 第1節 緊急人道支援におけるNGOの役割──ジャパン・プラットフォームを事例に
 (1)緊急人道支援におけるNGOの強み
 (2)ジャパン・プラットフォーム(JPF)が必要とされた背景
 (3)JPFの目的と機能
 (4)JPFの成果
 (5)他国との比較
 (6)JPFの課題
 第2節 緊急人道支援と開発支援の連携、移行にともなう諸課題
 (1)緊急人道支援と開発支援の連携が必要とされる背景
 (2)緊急人道支援から開発支援へと繋ぐ課題
 (3)移行期の重要性
 第3節 主要アクターの役割、調整、発展的課題
 (1)主要アクターの役割
 (2)調整の重要性
 (3)軍との関係
 おわりに

前書きなど

あとがき(山田満)

 今や「国際協力」という言葉は誰もが知っている。しかしその中身を問えば、圧倒的多数の人たちは、ODA(政府開発援助)を通じた政府間援助であったり、民間ボランティアの学校建設であったり、あるいは地震などの災害後の募金であると答えるかもしれない。もちろん、これらの回答は正しい。しかしその一方で、国際協力の一面しか捉えていないとも言えよう。
 国内経済の不況が続けば、政府の援助は当然減少するし、民間からの学校建設や災害後の復旧に対する募金も減ることになる。しかしこのような援助の削減は被援助国の人々に生命の危機をもたらすかもしれないし、何よりも理念のない国際協力として批判されるだろう。だからこそ、私たちはなぜ国際協力をするのかをいま一度考える必要がある。
 冷戦後の1990年代以降「人間の安全保障」が叫ばれるようになったのは偶然ではない。一国家で解決できない国境を越えた様々な脅威が私たち人間に襲い掛かり、私たちはその解決に向けて国際的な連携を余儀なくされたのだ。各国政府、国連、国際機関、国際NGOなど様々なアクターがそれぞれのアプローチで諸課題解決に向けて努力する一方で、アクター間の連携を積極的に模索してきた。したがって、国際協力とは国内経済の好不況に左右されるべきものではなく、今後益々求められていく地球市民としての責務であると言えよう。
 本書はこのような問題意識のもとに、実際に国連やNGOに長年勤務経験を有し、国際協力の現場を十二分に理解している研究者と、それぞれの専門から広く市民活動を含めた国際協力を考察してきた研究者の協働作業による国際協力論である。「国際協力」とは援助国から被援助国に対する一方的な支援ではない。それはまさに協働作業なのだ。本書は地球的諸課題解決に向けた協働作業としての「国際協力」を読者とともに考える内容構成となっている。

(…後略…)

著者プロフィール

山田 満  (ヤマダ ミツル)  (編著

1955年北海道生まれ。米国オハイオ大学大学院東南アジア研究科修了。東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程単位取得退学、2000年に神戸大学博士(政治学)を取得。東ティモール国立大学客員研究員、埼玉大学教養学部教授、東洋英和女学院大学大学院国際協力研究科教授などを経て、09年4月より早稲田大学社会科学総合学術院教授。同大学アジア研究機構アジア・ヒューマン・コミュニティ(AHC)研究所長。特活インターバンド代表理事(03?05年)、特活LoRo SHIP代表理事などNGO活動や国際ボランティア活動にも従事。専攻は、国際関係論、国際協力論、平和構築論。
[主な著書]
『多民族国家マレーシアの国民統合──インド人の周辺化問題』(大学教育出版、2000年)
『「平和構築とは何か」──紛争地域の再生のために』(平凡社新書、2003年)
『新しい平和構築論──紛争予防から復興支援まで』(共編著、明石書店、2005年)
『東ティモールを知るための50章』(編著、明石書店、2006年)

上記内容は本書刊行時のものです。