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ソーシャルワーク実践事例集 澤 伊三男(編) - 明石書店
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ソーシャルワーク実践事例集 (ソーシャルワークジッセンジレイシュウ) 社会福祉士をめざす人・相談援助に携わる人のために (シャカイフクシヲメザスヒトソウダンエンジョニタズサワルヒトノタメニ)

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発行:明石書店
B5判
260ページ
並製
定価 2,800円+税
ISBN
978-4-7503-2941-3   COPY
ISBN 13
9784750329413   COPY
ISBN 10h
4-7503-2941-X   COPY
ISBN 10
475032941X   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2009年3月
書店発売日
登録日
2010年2月18日
最終更新日
2010年5月21日
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紹介

高齢者・児童虐待から更生保護、精神保健、スクール・ソーシャルワーク等まで、多彩な福祉分野と最新の福祉制度に準拠した本格的「相談援助実践集」。新カリキュラムに対応したソーシャルワーク実践33事例を紹介。国家試験対策の自己学習にも最適。

目次

 はじめに

 本書を活用していただくまえに
 事例の読み方・活用の方法
 凡例
 相談援助演習の意義と組み立て方

第 I 部 演習における事例分析と応用

 1 入所施設における強度行動障害者への支援と家族との関わりの難しさ
 2 生活の困難が背景にあって子どもがネグレクトされている家庭に対する介入と支援
 3 生活が危機的状況にある家庭への介入・ワーカーのジレンマ
 4 家族支援のない保護受給者への支援とワーカーの役割

第II部 展開事例

【地域】
 1 父子家庭の子どもたちへの地域支援
 2 地域生活を送る上で様々な生活課題がある家族への支援――日常生活自立支援事業を利用して
 3 親族から虐待を受けている認知症高齢者への緊急対応

【高齢者】
 4 生活が困難になりつつある独居高齢者に対する支援
 5 高齢者の虐待ケースに対するソーシャルワークアプローチ
 6 認知症高齢者を介護する家族が意図せず犯す家庭内の暴力に対処する支援
 7 施設は誰のものか・トラブル事例
 8 精神疾患と認知症が疑われる独居高齢者への介入・家族との関わりについて

【障害者】
 9 地域で生活を希望する身体障害者への支援
 10 障害者自立支援法の下、地域で暮らす知的障害者が自立をめざすことへの支援
 11 長期に入所施設で生活してきた知的障害者の地域移行支援と地域生活支援
 12 医療機関への受診・社会とのつながり
 13 精神障害者の「生活のしづらさ」への支援
 14 地域で孤立しながら必死に病気と向き合う精神障害者への生活支援

【児童・家庭】
 15 自立援助ホームにおける被虐待高齢児への心の傷の癒し
 16 母子分離した家族への支援とアフターケア
 17 近隣からの孤立・育児不安と夫の暴力を抱えた家族への介入
 18 多問題家族・国籍・自己探求への援助課題に直面するワーカーの苦悩
 19 教育分野でのソーシャルワーカー
 20 軽度~中度の児童虐待への市町村の対応――境界性パーソナリティ障害のケース

【低所得者】
 21 養育能力に課題がある母親と子どもたちへの支援
 22 ホームレスの地域生活移行支援――本人名義の年金を妻が受給している事例
 23 路上生活からの自立をクライエントとともに考える支援

【保健医療】
 24 高次脳機能障害を伴う脳血管疾患を発症したクライエントの社会復帰への支援
 25 DVの夫からの緊急避難を含めた療養援助と家族への援助

【成年後見制度】
 26 ケアマネジメントを超える多様な生活課題に対しての取り組み
 27 成年後見制度を利用した実践

【更生保護】
 28 触法知的障害者の社会復帰に向けた支援

【民間企業(高齢者サービス)】
 29 地域の犯罪増加と高齢者の不安に対処する民間企業におけるソーシャルワーク

 本書事例と新カリキュラムとの対応一覧表
 編集後記
 執筆者一覧
 編集委員紹介

前書きなど

はじめに(一部抜粋)

 ここ数年、社会福祉を取り巻く環境は大きく変化しています。
 1999年の社会福祉基礎構造改革を受け、社会福祉は措置から契約の時代に変わりました。それにともなって、高齢者福祉の分野では2000年に介護保険がスタート、障害者福祉の分野では2006年に障害者自立支援法が施行されました。また、「児童虐待防止等に関する法律」、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(略称:DV防止法)」、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(略称:高齢者虐待防止法)」などの新しい法律も制定されています。福祉自体もかつては低所得者や母子世帯など具体的な支援対象が見えていたのですが、現在はセーフティネットの機能低下により労働、年金、医療、教育などを総合的に捉えなければならず、一般市民をも巻き込んで展開しています。

(…中略…)

 じつは、かねてから、養成教育と実務(必要とされる実践力)に乖離があることが指摘されてきました。筆者自身、現場のソーシャルワーカーから「現在の教育内容では、卒業後即戦力とならない。社会福祉士の資格を持っていても実際場面では役に立たないので、職場に配置されると同時に、特に実践的な分野(援助スキル)について大学で教えてもらったことをすべて忘れさせ、実務的な再教育をしています」との厳しい意見をきいたこともあります。
 筆者はここ数年、東京で「社会福祉援助技術演習研究会」という40人ぐらいの規模の研究会を隔月で開催してきました。その会では、大学などの教員と現場のソーシャルワーカーが交互に事例を持ち寄り、検討していたのですが、教育者と現場実践者とのたがいの視点の確認と意見交換が必要であることを痛切に感じました。そして、実際にどうすれば実務者として期待されるソーシャルワーカーとなれるのかを、その研究会のなかで事例や講義を通して学び合いました。
 本書は、この実践重視のカリキュラムにあわせて編んだ事例集です。社会福祉士の資格の有無をとわず、ソーシャルワーカーとして、さまざまな分野で活躍している実践者の方々に執筆をお願いしました。「エンパワメント」と「ストレングス視点」というソーシャルワーカーとしての支援の基本をもって実践を積んでいる方たちばかりです。先の研究会の仲間も数多く参加しています。
 本書をつくるにあたって留意したのは、福祉職をめざす学生や現場で日夜実践活動を行っている方々が、相談援助演習を学ぶに当たりわかりやすい表現や言葉をつかうこと、必要な専門的知識を確認できることです。今、ここで辛苦にあえいでいる要支援者への理解と支援のあり方をイメージし、福祉職をめざす学生には、卒業後福祉の第一線における即戦力として理論・知識・援助技術、そして何よりも「人権擁護の大切さ」について具体的な場面を通し学習していただきたいと考えています。また、福祉現場で実践活動を行っている方には、あらゆる分野の事例を通して、幅広く知識と理解を深め、「自分ならどう対応するか」などを考えて、職場内の研修会などでも活用していただきたいと思います。
 ソーシャルワーカーとして意欲的に活動している32人の仲間と共に、本書を通して、それぞれの熱い思いを1つひとつの事例に託し皆さんに伝え、「利用者が第一」ということを忘れずに、これからの道を一緒に切り拓きたいと願っています。

著者プロフィール

澤 伊三男  (サワ イサオ)  (

旭川大学保健福祉学部コミュニティ福祉学科教授
北海道札幌市生まれ、北海道旭川市在住。日本社会事業大学大学院社会福祉学研究科社会福祉学専攻博士前期課程修了。北海道職員を経て専門学校日本福祉学院(札幌市)社会福祉士養成課程専任教員、日本社会事業学校(東京都)社会福祉士養成課程専任教員、日本社会事業大学通信教育科社会福祉士養成課程(東京都)主任教員兼実習教育センター助教授を経て、2008年4月より現職。社会福祉士。
元(社)日本社会福祉士会副会長。
【主な著書】(社会福祉援助技術関係のみ提示)
『社会福祉士実践事例集 I 』(中央法規出版、1994年、編集委員)『社会福祉士実践事例集 II』(中央法規出版、2001年、編集委員長)『社会福祉援助技術演習ワークブック』(相川書房、2003年、編集委員長)『福祉科教育法』(三和書籍、2004年、分担執筆)などがある。

川松 亮  (カワマツ アキラ)  (

東京都北児童相談所児童福祉司
早稲田大学大学院教育学研究科修士課程卒業。東京都に福祉職として就職。知的障がい児施設、児童養護施設、児童自立支援施設勤務を経て現職。全国児童相談研究会運営委員。早稲田大学非常勤講師。「共に生きる」ことを基本に子どもと家族に寄り添う相談活動のあり方を追求している。社会福祉士。
【主な著書、論文】
「児童相談所から見る子どもの虐待と貧困」(浅井他編『子どもの貧困』明石書店、2008年)、「児童虐待対応と子ども支援」(子どもの権利条約総合研究所『子どもの権利研究』第12号、日本評論社、2008年)、「ある日の児童福祉司」(『子どもと福祉』vol.1、明石書店、2008年)、「声をあげにくい子どもたちの自己決定」(『子ども白書2003年版』草土文化)、『児童福祉、社会福祉士を目指す人のために』(八千代出版、2001年、分担執筆)など。

渋谷 哲  (シブヤ サトシ)  (

淑徳大学総合福祉学部社会福祉学科准教授
神奈川県生まれ、千葉県君津市在住。淑徳大学社会福祉学部卒業後、横浜市職員(社会福祉職)を経て横浜国際福祉専門学校専任教員、福島学院大学専任講師。2004年4月より現職。大正大学大学院文学研究科社会福祉学専攻修士課程修了、淑徳大学大学院社会学研究科社会福祉学専攻博士後期課程単位取得退学。社会福祉士。
【主な著書】
『低所得者への支援と生活保護制度』(みらい、2009年、編著)、『対人援助職をめざす人のケアマネジメント』(みらい、2007年、分担執筆)、『ソーシャルワーク記録―理論と技法(誠信書房、2006年、分担執筆)』、『社会福祉援助技術演習ワークブック』(相川書房、2003年、分担執筆)などがある。

山下 浩紀  (ヤマシタ コウキ)  (

専門学校日本福祉学院社会福祉士通信課程学科主任
北海道生まれ、札幌市在住。東洋大学社会学部卒業後、15年間の障害者施設生活支援員を経て、2004年4月に現職。2008年4月より東洋大学社会学部非常勤講師。社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士、介護支援専門員。

上記内容は本書刊行時のものです。