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性問題行動のある知的障害者のための16ステップ クリシャン・ハンセン(著) - 明石書店
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性問題行動のある知的障害者のための16ステップ 「フットプリント」心理教育ワークブック
原書: FOOTPRINTS: Steps to a Healthy Life

発行:明石書店
B5変型判
272ページ
並製
定価 2,600円+税
ISBN
978-4-7503-2937-6
Cコード
C0037
一般 単行本 教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2009年3月
書店発売日
登録日
2011年3月1日
最終更新日
2011年3月1日
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紹介

逸脱した性問題行動がある知的障害者への治療・教育のためのワークブック。再発防止モデルと、発達障害(知的障害)のある性犯罪者の治療現場から得られたデータや概念を組み込み、カウンセラーなどの臨床家をはじめ、家族、教師などにも役立つ。

目次

 わたしの確認表
 臨床家の方へ
 この本にかいてあること

ステップ1 自分のことをしろう
ステップ2 「カウンセリング」ってなんだろう?
ステップ3 正しいタッチ
ステップ4 わたしの歴史 わたしにおこったこと
ステップ5 境界線
ステップ6 よい性と人間関係
ステップ7 正しい考えかた
ステップ8 きっかけ
ステップ9 危険ゾーン
ステップ10 選択
ステップ11 気もち
ステップ12 行動のサイクル
ステップ13 被害者と共感
ステップ14 再発防止計画
ステップ15 復習してまとめよう
ステップ16 ステップを実行して生きる

 フットプリントにでてきたことば
 付録 性の歴史ワークシート
 参考文献
 監訳者あとがき

前書きなど

監訳者あとがき――Footprintsによる反社会的行動のある知的障害者への心理教育的アプローチと支援

(…前略…)

 本書は、「臨床家の方へ」にあるように『PathwaysやRoadmapsで使われている再発防止モデルと、発達障害(知的障害)のある性犯罪者の治療現場から得られたデータや概念を組み込んでつくられたもの』である。個人治療またはグループセッションで実施される記述式のワークブックの形式である。認知行動療法の手法をもとにして、自己コントロール力、セルフマネジメント力を高めることを重視している。全部で16のステップからなり、それぞれのステップは、解説といくつかの「宿題」で構成されている。各ステップの最後には、必ず正しい方向と間違った方向を確認する課題、ステップの内容を復習し、自己コントロールのために「セルフトーク(自分のことば)」が示される。
 性行動を本書では「タッチtouching」と呼び、通常の健康的な性行動を「正しいタッチ」とし、逸脱した性問題行動を「まちがったタッチ」とする。
 「まちがったタッチ」を修正するために、セルフモニタリングとしての日記(スターチャート)、自己と他者、公(パブリック)と私(プライベート)を区分する「境界線」の概念、性行動のルールである「同意と許可」を心理的に(再)教育する。ステップ4において、これまでの自己の性行動の歴史をふり返ったうえで、ステップ7では『あなたの脳が、あなたの体を動かしている』と行動の主体としての自己を確認し、『まちがった考え方をするから、まちがったタッチをする』と思考・行動・その相互作用、とりわけ思考の誤りを修正の対象とする。ついで、被虐待・被害体験の影響も想定される未分化なままの感情の気づきが導入される(ステップ11)。ステップ12において、「まちがったタッチ」は、きっかけ・感情・思考・計画・行動の実行というサイクルから生み出されるとし、きっかけや危険ゾーンを回避するプランなどそれまでのステップにおいて学習した行動概念を使って悪い行動のサイクルを良いものに修正する。最後に、対象者の被虐待・被害体験を取り扱いつつ被害者への共感の形成、再発防止のためのプラン作りへと展開される。
 順にステップを進んでいくことが望ましいが、状況により順番の変更は可能であるとされている。そのためには、本書の構成やすすめ方を理解し、アセスメントを経たうえで実施すべきであることはいうまでもない。また、本書における「境界線」、「同意と許可」、「感情のコントロール」などの行動のルール、あるいはコントロールは、他の反社会的行動やより広汎な対象者の指導や教育においても導入可能な考え方であろう。

(…後略…)

著者プロフィール

クリシャン・ハンセン  (ハンセン,クリシャン)  (

 1998年、ワシントン大学心理学部、同大学ソーシャルワーク修士課程を経て、ティモシー・カーン(Timothy Kahn)やその同僚とともに、性問題行動のある子どもや性犯罪を犯した青少年を対象とした個人開業のソーシャルワーカーとして活動を始める。一方で、性問題行動のある発達障害児・者(知的障害児・者)に対しても、活動を開始した。当初は、こうしたクライエントに対して、「パスウェイ(Pathways)」や「ロードマップ(Roadmaps)」のカリキュラムを適用しようと試みたが、性問題行動のある発達障害児・者(知的障害児・者)はそれぞれ固有のニーズを持っていることに着目し、本書の著述につながった。

ティモシー・カーン  (カーン,ティモシー)  (

 1980年ワシントン大学ソーシャルワーク修士課程を修了後、臨床家、トレーナー、著作者として、性問題行動のあるクライエントに対して実践に従事。性犯罪の経歴がある、あるいは性問題行動のある青少年の支援を目的としたワークブック『パスウェイ(Pathways)』『パスウェイ・家族へのガイド(Pathways,A Guide for parents)』の著者であり、近著の『ロードマップ(Roadmaps)』は、性問題行動のある児童の治療の枠組みを提供している。現在、ワシントン大学ソーシャルワーク学部臨床准教授、The Washington State Sex Offender Treatment Provider Advisory Committee(ワシントン州性犯罪治療者養成協会)代表。性犯罪カウンセラーのために多くのトレーニングセミナーを実施し、他にも治療プログラムの実施、里親機関での相談、さらに、ワシントン州ベルビューの臨床やコンサルテーションで、性犯罪のあった青少年や成人、また、様々な性問題行動のある児童、青少年、成人に対しアセスメントと治療を行っている。クリシャン・ハンセンの父。

本多 隆司  (ホンダ タカシ)  (監訳

 1978年大阪大学人間科学研究科前期課程修了後、大阪府で心理判定員、及び障害者福祉や権利擁護を担当。2005年より種智院大学人文学部社会福祉学科准教授。著書に『高齢者の権利擁護』(共著・ワールドプランニング・2004年)等、他に反社会的行動のある知的障害者をテーマとした論文、学会発表等。

伊庭 千惠  (イバ チエ)  (監訳

 1987年大阪市立大学生活科学部児童学科卒業。臨床心理士。心理職として大阪府子ども家庭センター(児童相談所)、知的障害者サポートセンター(知的障害者更生相談所)等を経て、現在、大阪府東大阪子ども家庭センターに勤務。著書に『くらしのほほ絵みノート』(分担執筆・大阪手をつなぐ育成会・1993年)、他に、児童への性的虐待、反社会的行動のある知的障害者をテーマとした論文、学会発表等。

上記内容は本書刊行時のものです。