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ディズニー化する社会 アラン・ブライマン(著) - 明石書店
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明石ライブラリー120

ディズニー化する社会 文化・消費・労働とグローバリゼーション

発行:明石書店
四六判
384ページ
上製
定価 3,800円+税
ISBN
978-4-7503-2803-4
Cコード
C0336
一般 全集・双書 社会
出版社在庫情報
品切れ・重版未定
初版年月日
2008年6月
書店発売日
登録日
2012年2月1日
最終更新日
2012年2月1日
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紹介

グローバリゼーションと消費社会化の進む現代社会の特質を「ディズニー化」という観点から分析する。テーマ化、ハイブリッド消費、マーチャンダイジング、パフォーマティブ労働、管理と監視といったキーワードを自在に用いたスリリングな論考を展開。

目次

 凡例
 はじめに

第一章 ディズニーゼーション
 ディズニーゼーションはディズニフィケーションではない
  卑小化(トリビアライゼーション)と無菌化(サニタイゼーション)/ディズニーゼーションについての省察
 結論

第二章 テーマ化
 なぜテーマ化なのか
 テーマの源泉
 ディズニー・テーマパークのテーマ化
 テーマ化の先駆的存在
 テーマ化の普及
  遊園地/レストラン/マクドナルド/ホテル/モール/ヘリテージ・ショッピング/テーマ・ショッピング/動物園/場所のテーマ化/タウンズ/博物館/他のテーマ化領域
 結論

第三章 ハイブリッド消費
 なぜハイブリッド消費環境を創造するのか
 ディズニー・テーマパークのハイブリッド消費
 ハイブリッド消費の先駆的存在
 ハイブリッド消費の普及
  ホテルとカジノ/テーマパーク、ショッピング、レストラン/店内のハイブリッド消費/ホテル/スポーツ・スタジアム/マクドナルド/動物園/博物館/空港ターミナル/クルーズ客船/他のハイブリッド消費領域
 結論

第四章 マーチャンダイジング
 なぜマーチャンダイジングするのか
 ディズニー・テーマパークのマーチャンダイジング
 マーチャンダイジングの先駆的存在
 マーチャンダイジングの普及
  ディズニーのマーチャンダイジング/劇場用長編映画/テレビシリーズ/テーマパーク/テーマレストランとテーマホテル/動物園/マクドナルド/スポーツ/他のマーチャンダイジング領域
 マーチャンダイジングについての省察
 結論

第五章 パフォーマティブ労働
 感情労働
 なぜ感情労働を促進するのか
 ディズニー・テーマパークにおける感情労働
 感情労働の先駆的存在
 感情労働の普及
  客室乗務員/店員/マクドナルド/他のレストラン/ホテル/コールセンター/動物園/他の感情労働領域/感情労働は労働者にとって悪いものなのか
 ディズニー・テーマパークの美的労働とその先
 パフォーマティビティ(パフォーマンス性)の広がり
 結論

第六章 管理と監視
 ディズニー・テーマパークの管理
  訪問客の行動管理/テーマパーク経験の管理/想像力の管理/モチーフとしての管理/従業員の行動管理/直接的環境の管理/テーマパークの運命の管理
 ディズニー・テーマパークを超えた管理と監視
  消費者の管理/消費者の監視/従業員の監視
 抵抗
  ディズニー・テーマパークでの抵抗/ディズニー化に対する抵抗
 結論

第七章 ディズニー化の示唆するもの
 システムスケープとしてのディズニー化
 ディズニー化とグローバリゼーション
  ディズニー・テーマパークとローカルの接触/ディズニー化とローカル事情/類似の構造
 反ディズニー化
  搾取労働/土地と自然環境の破壊/都市の衰退/半市民の創造
 経済と文化の邂逅
 結論

 監訳者あとがき
 原注
 文献
 索引
 監訳者・訳者紹介

前書きなど

はじめに

 本書は、ディズニー・テーマパークの特質がますます顕著に見られるようになった現代社会の諸問題を取り上げる。ディズニーゼーション(Disneyization)という考えは、ディズニー・テーマパークが現代社会にまぎれもなく変化を起こしているという確信から生まれている。ディズニーゼーションは、消費とグローバリゼーションに関連する諸問題を考えるうえでも、また、現代社会の性質を見るうえでも、一つの視点を提供するものである。
 現代社会がディズニー・テーマパークの特徴を帯び始めていることを指摘したのは私が初めてではないが、本書の目的は、ディズニー・テーマパークの影響を網羅的に述べることではなくて、この問題を体系的に論究することにある。ディズニー・パークが様々な社会制度や慣行に影響を与えてきたと思われる点に注目するとともに、ディズニー・パーク第一号の開園(一九五五年ディズニーランド誕生)以前に発展してきたディズニー化の原理も論じる。つまり、ディズニー・テーマパークは、それ自体が社会的影響力をもち続けていると同時に、本書で述べるいくつかの傾向を象徴的に示しているのである。
 多くの社会制度や慣行がディズニー・テーマパークにますます類似してきている点を網羅的に述べるのではなく、むしろ体系的なアプローチを採ることで、私が「ディズニーゼーション」と呼ぶ社会現象を四つの次元から説明する。第一章で、ディズニーゼーションの概念を紹介したあと、各章でこの四つの次元、つまり、テーマ化、ハイブリッド消費、マーチャンダイジング、そしてパフォーマティブ労働を順次論じる。各章では、ディズニーゼーションの各次元がディズニー・テーマパークでどのように機能しているのか、また、テーマパークを超えて、一般社会では各次元がどのように現われているのかを分析する。第六章では、ディズニー化が機能するのに欠かせないのは管理と監視であり、これがディズニー・テーマパーク、またはディズニー化した制度や慣行に顕著に見られる点であることを論じる。最終章では、ディズニーゼーションが消費とグローバリゼーションに関連する広範な問題とどのように関係しているかを論じる。この点に関して、ディズニーゼーションは画一化した世界を作り出す均質化傾向と見るべきなのか否かを、問題提起したい。私は、この問題を的確に捉えるために、システムスケープ(systemscape)という用語を新たに作り出した。ディズニーゼーションは、一定の根本的な原理が経済、文化、そして社会全般に浸透しているが実際の運用面で様々な変形が見られるという意味で、システムスケープとして捉えられる。したがって、ディズニー化した制度は非常に多様な形態を見せることになるだろう。また最終章では、ディズニーゼーションがもたらすマイナス効果を論じることで、他の章よりも批判的視点を提示する。

(…後略…)

著者プロフィール

アラン・ブライマン  (ブライマン,アラン)  (

英国ラフバラー大学社会科学科で31年間教鞭をとった後、2005年よりレスター大学経営学部教授を務める。専門は組織・社会の調査研究。主に3つの分野(リーダーシップ論、質的・量的調査の統合、ディズニー化・マクドナルド化と関連した消費社会分析)で実績をあげており、本書The Disneyization of Society はその3番目の分野での成果として2004年に刊行された。他の著作として、Leadership and Organizations (Routledge, 1986)、Quantity and Quality in Social Research (Unwin Hyman, 1988)、Disney and his Worlds (Routledge, 1995) などがある。

能登路 雅子  (ノトジ マサコ)  (監訳

 アメリカ文化研究者。東京大学教養学部卒。カリフォルニア大学ロサンゼルス校人類学博士課程修了。1980年から83年にかけて、ウォルト・ディズニー・プロダクションズおよびオリエンタルランド社の嘱託として、東京ディズニーランドプロジェクトに参加。東京大学助手、武蔵大学助教授、東京大学助教授を経て、1996年より東京大学大学院総合文化研究科教授。主な編著書に『ディズニーランドという聖地』(岩波書店、1990)、『事典 現代のアメリカ』(大修館書店、2004、共編著)、『アメリカの世紀』(東京大学出版会、2005、共編著)、共訳書に『ウォルト・ディズニー』(講談社、1983)、『アメリカ政治文化史』(木鐸社、1987)、『ウィメンズ・アメリカ』(ドメス出版、2000)など。

森岡 洋二  (モリオカ ヨウジ)  (

 ビジネス法務翻訳者。創価大学卒。マッコーリ大学応用言語学修士(オーストラリア)、同大学国際コミュニケーション博士。中高英語教員を経て、渡豪。在豪14年。その間、ニューサウスウェールズ大学とアメリカンエキスプレスで日本語非常勤講師。その後、マッコーリ大学で異文化関係論とアジアメディアを教える。1999年より、企業情報、経営資源管理、契約書、会社定款、市場調査などのビジネス法務翻訳に従事。出版論文“Identity representations in international public relations: A case study of contemporary Japan”など。

上記内容は本書刊行時のものです。