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里親と子ども Vol.2
特集 虐待・発達障害と里親養育
- 出版社在庫情報
- 品切れ・重版未定
- 初版年月日
- 2007年10月
- 書店発売日
- 2007年10月2日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2014年9月10日
紹介
里親養育において大変重要な課題となっている虐待を受けた子どもや、発達障害をもつ子どもの心理や行動を理解する。いま養育している子どもの気になる行動が、なぜ起きるのか? どのように対応したらよいか? どこに相談したらよいか? それぞれ具体的に説明する。
目次
特集 虐待・発達障害と里親養育
1 総論
虐待・発達障害と里親養育(庄司順一、篠島里佳)
アタッチメントの機能と発達(久保田まり)
発達障害と子ども虐待(宮本信也)
2 虐待の影響
絡み合う子ども虐待と発達障害(杉山登志郎)
アタッチメント-トラウマ問題(奥山眞紀子)
虐待を受けた子どもの心理的特徴――トラウマと愛着の問題を中心に(西澤 哲)
解離(海野千畝子)
虐待が脳の発達に及ぼす影響(田村 立、遠藤太郎、染矢俊幸)
3 心理・行動上の問題
愛着障害(青木 豊)
注意欠陥多動性障害――最近の話題(原 仁)
反抗挑戦性障害・行為障害(原田 謙)
学習障害(宮尾益知)
4 対応と治療
虐待を受けた子どもへの精神医学的治療(杉山登志郎)
虐待を受けた子どもの心理療法――トラウマに焦点をあてた心理療法を中心に(西澤 哲)
行動への対応(塩川宏郷)
ADHDのペアレントトレーニング(中田洋二郎)
虐待を受けた乳児へのかかわり(山崎知克)
5 虐待を受けた子どもの委託
虐待を受けた子どもを委託する場合――ソーシャルワークの立場から(宮島 清)
虐待を受けた子どもを委託する場合――里親支援の立場から(兼井京子)
【エッセイ】
ファミリー・グループホームに生きる(鈴木 力)
愛着障害の息子と共に里親として生きた16年(吉野圭子)
【里親制度への期待と里親制度の課題】
家庭での養育が受けられない子どもの早期ケアに必要なもの(井上登生)
里親がほんとうに増えるためには里親を支える方法に工夫を(米沢普子)
【ブックレビュー】
貨泉やす子著『ひとりにしないよ! 「里子」のしあわせ』(木ノ内博道)
マイケル・ラター、エリック・テイラー編(長尾圭造、宮本信也監訳)『児童青年精神医学』(庄司順一)
海外文献紹介/トピックス/編集後記
前書きなど
編集後記
『里親と子ども』第2巻を刊行することができました。今回の特集は「虐待・発達障害と里親養育」としました。それは、今日の里親養育において虐待と発達障害が重要な問題であるからですが、隠されたもう一つの目的は小児医学、児童精神医学、臨床心理学の専門家の方々に里親制度、里親養育についてもっと関心をもっていただきたいということです。執筆していただいた方々も、これまで里親を意識して書かれたことはあまりなかったのではないでしょうか。
さて、本号ではトピックで簡単に触れておきましたが、国は社会的養護のあり方について検討を行っています。「中間とりまとめ」が発表されましたが、今後さらに注目していってほしいと思います。
最後に、本誌の編集委員の一人、鈴木祐子先生が2月5日に亡くなられたことをご報告しなければなりません。確かな実践経験に裏打ちされたご見解は、矛盾の多い社会的養護の問題について、理想を目指しながらも、現実をふまえたもので、私は多くのことを学びました。社会的養護にかかわる者にとってはたいへん大事な方を失ってしまいました。ご冥福を心からお祈りいたします。(庄司順一)
上記内容は本書刊行時のものです。