書店員向け情報 HELP
出版者情報
在庫ステータス
取引情報
病いとかかわる思想
看護学・生活学から〈もうひとつの臨床教育学〉へ
- 出版社在庫情報
- 品切れ・重版未定
- 初版年月日
- 2003年9月
- 書店発売日
- 2003年10月5日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2011年2月9日
紹介
自ら癒す力の衰えた現代人。その問題点をナイチンゲールの看護論,西勝造の医学論をもとに検討。人間や動植物の形態の進化を踏まえ,現代の看護・医療のさまざまな矛盾点・問題点をみる。現代日本人の食生活の偏りから,心身両面の「健康」のあり方を考える。
目次
第一章 ナイチンゲール看護論と現代
――文明批判の学としての西医学との共通性
一 看護学と医学
1〈生命力〉と〈生活〉への着眼
二 ナイチンゲール看護論と現代社会
1「健康の法則」と「文明」社会
三 西勝造の医学論
1「生命の歴史」性
2「空気」「熱」
3「食」
4〈卑小〉性としての〈排泄〉の力
5「病気観」
6 科学的医学構築の先駆者
四「看護の専門性」考
1 生活性・日常性
第二章 科学的食理論の射程
――〈離乳〉の意味と近代食養運動の再評価
一 哺乳類と母乳
1 哺乳類
2 人類史における農耕・牧畜
3 「乳糖不耐症」をめぐる諸問題
二 瀬江千史批判
1 離乳の意味
三 香川綾批判
1 香川栄養学の限界
2 戦後の米食批判と社会変化
第三章 空腹と歯牙の意味論
――飢餓の生命史の視座から
一 空腹
1 空腹/満腹と血糖値調節機構
2 空腹の胃学(モチリン)
3 空腹と排泄
4 〈ニワトリを殺して食べる授業〉と〈断食〉
二 歯牙・歯式
1 ヒトにおける歯牙退化
2 日本列島における歯牙退化
3 歯式・食性問題
4 石塚左玄の思想
第四章 ハリス・諭吉・ベルツ
――幕末維新期の牛乳/牛肉と日本文化
一 ハリスと牛乳
1 ハリス前史
2 ハリス下田来航
二 福沢諭吉と牛乳・牛肉
1 チフス経験/セメンズ処方
2 セメンズ処方の波紋
三 エルウィン・ベルツの思想
1 来日六年目の転換
2 フォイト栄養学批判と人力車夫「試験」
四 民衆文化における牛乳牛肉
1 ケガレ観とジェンダー
五 啓蒙思想家福沢諭吉と差別問題
第五章 イリイチの『脱病院化社会』をどう読むか
――ロマン主義的自律論から〈もうひとつの臨床教育学〉への架橋
一 学校化社会
1 「文字」の特異性
2 「創造的獲得」から「学校的学習」へ
二 加速化社会
1 歩く暮らしと運ばれる暮らし
三 病院化社会
1 癒すちから、癒えるちからの衰退
四 イリイチ思想と脱医療化運動
1 生活と病気
2 イリイチ思想と脱医療化運動
五 社会変革と自己変革
1 「医療サービスの消費者」を超えて
2 臨床教育学へ
上記内容は本書刊行時のものです。