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子どもを病人にしたてる親たち
代理によるミュンヒハウゼン症候群
- 出版社在庫情報
- 品切れ・重版未定
- 初版年月日
- 2003年3月
- 書店発売日
- 2003年3月1日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2015年8月22日
紹介
原因不明の子どもの病を訴え,必死に世話をする親たち。しかし,それら全てが虚構だったとしたら……。特異な児童虐待として注目される「代理によるミュンヒハウゼン症候群」。親たちはなぜ子どもを病気にしたてるのか,豊富な実例で概念,歴史,現況を解説。
目次
1 ミュンヒハウゼン症候群
2 事件ファイルNo.1「ケイ」事件発端編
3 事件ファイルNo.1「ケイ」事件解決編
4 事件ファイルNo.2「チャールズ」事件
5 メドウ医師の考察
6 これはMSBPではない!
7 それではMSBPとは何か?
番外編
8 DSM・IVとMSBP
9 MSBPと加害者の動機
10 虐待の一類型としてのMSBP
11 アメリカからの報告
12 生き延びた子どもの証言
前書きなど
「代理によるミュンヒハウゼン症候群」は、「子どもの虐待」のなかでも特異な位置を占めています。この虐待の特徴は、「子どもの病気を治そうと懸命に努力する医師の行為が、結果的に子どもを虐待することになってしまう」というところにあります。最近になって、日本でもその症候群の存在が医師の知るところとなり、その結果、いくつかの病院でケースが発見され、児童相談所や家庭裁判所を巻き込む形で事態が展開し始めています。私自身も現在複数のケースにかかわっています。 日本でも、この症候群についての症例報告は散見され始めましたが、専門書は欧米の翻訳も含めていまだに刊行されていません。このような状況下にあって、この症候群をわかりやすく紹介する必要性を感じた私は、私が所属している東京の「子どもの虐待防止センター」のニューズレターに連載の形で書くことにしました。このニューズレターの読者は同センターの賛助会員のみであり、したがって、日常的に「子どもの虐待」に何らかの形でかかわっている人々です。内容が「診断概念」というちょっと専門的なことにこだわっていることは、そのような背景を反映しています。(後略)まえがき 著者
上記内容は本書刊行時のものです。