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グローバリズムは世界を破壊する
プロパガンダと民意
原書: Propaganda and the Public Mind
- 出版社在庫情報
- 品切れ・重版未定
- 初版年月日
- 2003年1月
- 書店発売日
- 2003年1月15日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2011年3月8日
紹介
冷戦終結後,唯一の超大国となったアメリカ合衆国。アジア・中東・中南米など全世界で繰り広げている合衆国的正義に対して,合衆国=「ならずもの国家」の正体をみきわめるために世界的言語学者が合衆国の正義をねつ造するプロパガンダの欺瞞を暴きだす。
目次
謝辞
序文(デイヴィッド・バーサミアン)
1 活動主義の勝利
2 アメリカ合衆国から世界へ――そこをどけ
3 国家の大義のために
4 危機にある東チモール
5 シアトルの意味
6 正統主義からの解放
7 連帯
訳者あとがき
原注
付録
索引
前書きなど
このあとがきを書いている二〇〇二年十二月、国連はイラクの武器査察を行ない、合衆国はイラク攻撃の準備をしています。『インターナショナル・ヘラルド・トリビューン』の調査によれば、合衆国内でイラクを危険な国だと考える人は八四パーセント、フセイン打倒のための武力行使に賛成する人は六二パーセントという数字になっているそうです。世界一の核兵器保有国、ベトナムで化学兵器を使用した国、イラクが化学兵器を使うのを支持していた国の国民がこのように考えることができるようになるには、なにかのトリックがあるに違いありません。プロパガンダとメディアの役割、特別な言葉の使い方について、その仕組みをチョムスキーはありありと見せてくれます。 世の中で当然とされている前提を鵜呑みにせず、自分で考えてみたらどうだろうと著者は言います。そのためには明白な質問をすればいいのだ、と。 数年前まで、外国人の友人が日本についてかならず言うことがありました。アメリカ、ヨーロッパ、アジアの友人です。日本は貧富の格差が非常に少ないというのです。一億総中流と揶揄するように言われたものですが、中流の中身はどうあれ、国民の大多数がまあまあうまくやっていると感じられたとすれば、それはなかなか幸せなことだったのではないでしょうか。今、それが変わってきています。これからもっと変わろうとしています。貧富の差が拡大するだけではなく、固定されようとしています。世界が「大貧民」ゲームのようになっています。 年金、税金、教育、健康保険などの制度改革、国営事業の民営化。今、日本がやっていることはみんな合衆国の後追いのように見えますが、その結果アメリカの社会はどうなっているのか? 構造改革の掛け声のもとに社会政策を変更してきた国では、人々の暮らしはどうなっているのか。そのことも本書には書いてあります。そして、いちばん大事なことは、自分の目で真実を見た人々が手を取り合って行動すれば世界は変わるというチョムスキーの訴えではないかとわたしは思います。訳者あとがき 藤田真利子
上記内容は本書刊行時のものです。