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出版者情報
居場所なき革命
ドゴール主義とフランス5月革命
- 初版年月日
- 2022年4月18日
- 書店発売日
- 2022年4月20日
- 登録日
- 2022年3月10日
- 最終更新日
- 2022年4月18日
書評掲載情報
2022-07-03 |
産經新聞
朝刊 評者: 会田弘継(関西大学客員教授) |
2022-07-02 |
日本経済新聞
朝刊 評者: 渡邊啓貴(帝京大学教授) |
2022-06-04 |
毎日新聞
朝刊 評者: 岩間陽子(国際政治学者) |
2022-05-21 | 朝日新聞 朝刊 |
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紹介
1968年。それは、世界中の学生と労働者が〈システム〉に異を唱え、現代政治の諸問題を提起するという、戦後史の分岐点となった年であった。しかし、1968年が何であったのか、何を意味するのかは今も定まらない。運動の本拠地フランスの五月革命も、あれから半世紀が経ってなお、その成否をめぐる意見は分かれ、意義についての評価も一致をみない。
本書は、このとらえ難さを乗り越えるために、これまでにない手法を用いている。反革命であるところのドゴール主義による政治を、友鏡にするのだ。
フランス五月革命は、その直後の議会選挙でドゴール派が圧勝したため、から振りに終わった。しかし翌年には、自らが仕かけた国民投票の結果を受けてドゴール大統領が辞任する、という展開を生む。「新しい政治」への希求に対峙した「旧い政治」たるドゴール主義は、なぜ国民投票に打って出ることになったのか。はたして五月革命は、成功だったのか、失敗だったのか。この問いへの答えを模索するなかに、五月革命の相貌が見えてくるだろう。「居場所なき」ことを余儀なくされた――ふたつの――革命の姿として。
戦後政治史の一画期を根底からとらえ直す、清新な試み。
目次
序章 「六八年五月革命」――シンボルと歴史の狭間で
1五月革命の意味 2五月革命の推移と帰結 3本書の射程と意義 4構成と資料
第1章 五月革命をめぐる諸解釈と問題設定
1反システム運動としての一九六八年 2世界同時/個別革命としての一九六八年 3「六八年世代」の形成 4五月革命の複数の時間性 5分析視角
第2章 ドゴール主義とは何であったのか
1ドゴールとバイユー演説 2ドゴール主義はいかなるナショナリズムなのか 3ドゴール主義と民主主義 4ドゴール主義における社会的次元――「参加」とは何か 5社会に抗する国家
第3章 「革命」に対する政治の「勝利」
1五月革命の予兆 2ナンテール校からカルチエ・ラタンへ 3学生/労働運動の共闘の開始 4「学生の五月」から「社会の五月」へ 5ドゴールの政治的勝利 6ポンピドゥーの退陣
第4章 国民投票とドゴールの退陣
1フォールによる高等教育改革法案 2グルネル合意の経済的影響 3国民投票への道――州議会設置と上院改組 4国民投票キャンペーンの開始 5「ノン」の勝利とドゴール退陣 6ポンピドゥーによるポスト・ドゴール期の開始
終章 居場所なき革命
1ドゴール主義による革命 2新たな保守政治への助走
あとがき
文献
註
索引
上記内容は本書刊行時のものです。