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奴隷船の歴史 マーカス・レディカー(著) - みすず書房
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【書誌情報利用可】

奴隷船の歴史 (ドレイセンノレキシ)

歴史・地理
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発行:みすず書房
A5判
440ページ
定価 6,800 円+税   7,480 円(税込)
ISBN
978-4-622-07892-0   COPY
ISBN 13
9784622078920   COPY
ISBN 10h
4-622-07892-9   COPY
ISBN 10
4622078929   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C1022  
1:教養 0:単行本 22:外国歴史
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2016年5月21日
最終更新日
2016年6月14日
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書評掲載情報

2016-12-25 読売新聞  朝刊
評者: 旦敬介(作家、翻訳家、明治大学教授)
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紹介

奴隷貿易が続いた400年の間に、1400万人を超える奴隷がアフリカから大西洋を南北アメリカに運ばれ、プランテーションの無賃労働者となった。
アトランティック・ヒストリーの第一人者にして海賊の専門家、マーカス・レディカーは、この身の毛もよだつ最悪の悲劇を、前代未聞の視点から語り、わたしたち読者を奴隷船の現場に連れて行く。
レディカーがここに再現させるのは、怪物的な「浮かぶ地下牢」と、運搬中に200万人が命を落とした、恐怖の「中間航路」である。飢餓と、病気と、悲運に直面した、奴隷たちの日常、懲罰と拷問の極端な暴力と、蔓延する死である。しかしまた、一触即発の奴隷たちと同じ船に閉じ込められた乗務員たちの恐怖を、きつい階級関係を、水夫と囚人との関係を、歴史家は想起させる。さらに、衝突にも記述を割き、さまざまな言語集団出身の奴隷たちが意思の疎通をはかりつつ組織して立ち上がった血まみれの反乱を、厖大な史料から発見して描き出す。まさに、アフリカン・アメリカン文化の萌芽であった。
奴隷貿易廃止200周年を機に刊行され、ジョージ・ワシントン図書賞をはじめ数々の賞に輝いた、黒い大西洋史の画期的著作。笠井俊和解説「闘う歴史家レディカーと奴隷船研究」

目次


第一章 奴隷貿易における、生と死、そして恐怖
第二章 奴隷船の進化
第三章 中間航路への道
第四章 オラウダ・エクィアーノ――驚愕と恐怖と
第五章 ジェイムズ・フィールド・スタンフィールドと浮かぶ地下牢
第六章 ジョン・ニュートンと平安の王国
第七章 船長が創る地獄
第八章 水夫たちの巨大な機械
第九章 捕囚から船友へ
第十章 奴隷船《ブルックス》の長い旅
エピローグ 終わりなき旅路

訳者後書き(上野直子)
解説「闘う歴史家レディカーと奴隷船研究」(笠井俊和)

謝辞
原注
索引

著者プロフィール

マーカス・レディカー  (マーカス レディカー)  (

アメリカの歴史家・市民運動家。ペンシルヴェニア大学で博士号を取り、現在、ピッツバーグ大学歴史学科のアトランティック・ヒストリー特別教授。社会史研究において「下からの歴史」を実践。近世大西洋世界の、船乗り、海賊、奴隷を扱った数々の著作は高い評価を受けている。

上野直子  (ウエノナオコ)  (

獨協大学外国語学部教授。専門はブラック・ブリティッシュ文学を中心とする「混成の英国」の文学と文化。英語圏ディアスポラ文学。訳書にマーカス・レディカー『奴隷船の歴史』(みすず書房、2016)、キャリル・フィリップス『新しい世界のかたち:黒人の歴史文化とディアスポラの世界地図』(明石書店、2007)『はるかなる岸辺』(岩波書店、2011)、フランシーヌ・デュ・プレシックス・グレイ『シモーヌ・ヴェイユ』(岩波書店、2009)など。

上記内容は本書刊行時のものです。