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「恩恵の論理」と植民地
アメリカ植民地期フィリピンの教育とその遺制
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2014年9月
- 書店発売日
- 2014年9月22日
- 登録日
- 2014年8月6日
- 最終更新日
- 2015年2月16日
書評掲載情報
2015-02-15 | 毎日新聞 |
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紹介
アメリカの植民地政策を象徴する教育制度がめざした革新主義的ユートピア社会はフィリピンに実現したのか。芽生えつつあったフィリピン・ナショナリズムを打ち砕き、土着文化の多様性を黙殺しつつアメリカが掲げた民主主義の実像を、教育行政の検証により明らかにする。差別と暴力に溢れた植民地の現実を認めてなお、植民地教育を「恩恵」とみなしてきたアメリカの歴史認識を問い直す労作。
目次
序章 アメリカ植民地期フィリピンと植民地教育を問い直す
一 フィリピン植民地研究の意義
二 アメリカ史から
三 東南アジア史から
四 フィリピン史から見た植民地教育
五 本書の視角
第一章 アメリカ植民地主義と言語
一 英語教育の導入
二 公式化する英語認識
三 多言語主義と階級性
四 継続する言語問題
第二章 制度としての「恩恵」
一 制度構築の根拠と展開
二 教育財政の展開
三 バリオ学校問題
四 移植される教育行政
五 中央集権的性格と「民主」
第三章 アメリカ人教員とフィリピン人教員
一 教員雇用制度
二 雇用に関する二つの根拠
三 越境者の足跡(一)──フィリピン人エリート
四 越境者の足跡(二)──アメリカ人教員
第四章 フィリピン人教員層と市民教育
一 植民地における二つの文化
二 学校文化のなかのフィリピン人教員
三 「市民教育」とその展開
四 フィリピン人教員の教育実践
第五章 抗争する歴史──植民地の地理・歴史教育
一 カリキュラムと教科書
二 「人種史」を規定する「地理」
三 「発展」を語る「アメリカ史」
四 革命と「フィリピン史」
第六章 フィリピン学校ストライキ論
一 学校ストライキ前史
二 一九三○年のマニラ高校ストライキの経過
三 共産主義者・民族主義者の関与
四 動員過程と運動の限界
第七章 反フィリピン人暴動とその帰結
一 アメリカにおけるフィリピン人の経験
二 排斥と容認のはざま
三 交渉過程の微視的分析
四 屈辱と救済
五 脱植民地化と「恩恵の論理」
終章 植民地主義は継続しているか──二一世紀のフィリピン社会とフィリピン人
あとがき
参考文献
事項索引
人名索引
上記内容は本書刊行時のものです。