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光技術入門 堀内敏行(著) - 東京電機大学出版局
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光技術入門 第2版

A5判
256ページ
上製
価格 2,800円+税
ISBN
978-4-501-62880-2
Cコード
C3042
専門 単行本 物理学
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2014年7月
書店発売日
登録日
2015年9月7日
最終更新日
2015年9月7日
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紹介

人間の五感の中でも、とくに情報量が多い視覚と密接な関連を持つ「光」の利用技術は、近年ますます重要性を増している。これらについて光線の基本的な性質から、各種応用光学や機器について最新のものを記載。理解が難解な数式について、展開の補足を行った。

目次

第1章 光線の性質
 1.1 光とは
 1.2 幾何光学
 1.3 幾何光学の基本原理
 1.4 幾何光学の基本法則
 1.5 正規反射と乱反射
 1.6 全反射
 参考文献
第2章 レンズによる結像
 2.1 凸レンズと凹レンズ
 2.2 光軸と焦点
 2.3 主点と主平面
 2.4 球面における屈折
 2.5 凸レンズによる結像
 2.6 凹レンズによる結像
 2.7 ニュートンの結像式
 2.8 レンズを2枚重ねたときの焦点距離
 参考文献
第3章 ミラーによる結像
 3.1 凸面鏡と凹面鏡
 3.2 凹面鏡による平行光の集束
 3.3 凸面鏡による平行光の発散
 3.4 凹面鏡による結像
 3.5 凸面鏡による結像
 3.6 平面鏡による結像
 3.7 球面以外の二次曲面の性質
 参考文献
第4章 収差
 4.1 球面による収差
 4.2 色収差
 参考文献
第5章 光の波動性
 5.1 光の波動的な特徴
 5.2 光の波動の解析
 5.3 干渉
 5.4 偏光
 5.5 反射特性への波動性の影響
 参考文献
第6章 回折
 6.1 回折現象
 6.2 短形スリット2によるフラウンホーファ回折
 6.3 回折格子
 6.4 円形開口によるフランホーファ回折
 6.5 レンズによるフランフォーファ回折
 6.6 スリットによるフレネル回折
 6.7 ナイフエッジによるフレネル回折
 6.8 光波の複素数表現
 参考文献
第7章 光の粒子性
 7.1 水素の輝線スペクトル
 7.2 光子と光子のもつエネルギ
 参考文献
第8章 光と視覚
 8.1 人間の目の構造
 8.2 人間の目の解像度
 8.3 光の強さ
 8.4 めがね
 参考文献
第9章 レーザ
 9.1 レーザ光の発生
 9.2 レーザ光のモード
 9.3 レーザ光の種類と用途
 参考文献
第10章 光ファイバー
 10.1 光ファイバーの構造
 10.2 光の伝播可能角度
 10.3 通信用光ファイバー
 10.4 画像取り出し用光ファイバー
 10.5 ライトガイド
 参考文献
第11章 光学機器
 11.1 拡大鏡(ルーペ)
 11.2 顕微鏡
 11.3 望遠鏡
 11.4 カメラ
 11.5 コピー機
 11.6 レーザプリンタ
 参考文献
第12章 光応用技術
 12.1 液晶ディスプレイ
 12.2 ホログラフィ
 12.3 干渉を利用した距離測定技術
 12.4 屈折率分布の可視化技術
 12.5 発光ダイオード
 12.6 光造形法
 12.7 リソグラフィ
 参考文献
索引

前書きなど

 人間には視覚,聴覚,嗅覚,味覚,触覚の五感があるが,情報量としては視覚から得るものが断然多い.その視覚機能を担当するのは「目」であり,人間にとって極めて重要なセンサとなっている.「目」は光に対して,色(波長)の違いや強弱を検出できる極めて優れたセンサであり,非常に多彩な機能を有している.また,顕微鏡,望遠鏡などの「目」を助ける光学機器と組み合わせるとその機能は著しく向上する.
 科学技術の進歩は各種の機械に大きな変革をもたらしたが,光の利用もその一つに数えられよう.携帯電話,パーソナルコンピュータ,デジタルカメラ,CDプレーヤなどが生活必需品になっているが,一見電子機器に見えるこれらの機器には,光技術が深く関わっている.光の利用に進歩をもたらした基本的な要因を考えると,光学要素として従来のレンズやミラーに加えて光ファイバーが加わった.また、光源としてレーザやLED(発光ダイオード)が加わり,光センサとしてフォトダイオードやCCD(電荷結合素子)などの半導体素子が使われるようになった.また,液晶やプラズマ発光,エレクトロルミネッセンスなどをディスプレイ表示に利用する技術も大きく進歩した.光の利用技術,そして人間の視覚機能は以前にも増して重要になりつつある.
 しかしながら,大学において,「光学」の基礎とその関連技術に力を入れて教育を行っている学部,学科はあまり多くないようである.元々のベースとなる中学校の理科教育,高等教育の物理学教育においても,「光学」にはわずかな時間が割かれているに過ぎない.しかも,高等学校の物理学教育は一般に選択科目であり,全員が履修して来るわけではない.加えるに,大学の同じクラス内でも,数学および理科全般についての基礎学力のばらつきが極めて大きい.こうした状況のもとで「光学」を基礎から学習し,最先端の「光応用技術」まで話を到達させることは容易ではない.しかしながら,順序立てて基本を学び,その基本がどう応用されているのかをある程度理解でき,話が自分達の身近なものにつながると,「光学」が急に面白くなるようである.
 本書は次世代を担う理科系の大学生が「光学」の基本を理解するとともに,「光応用技術」の最新の動向を察知して,いろいろな技術に興味を持つようにすることを目的に,「基礎光学」,「応用光学」,「光学機器」などの初級教科書としてしたためたものである.基礎があまりない学生には積極的に学ぶ手掛かりを与えたいと考えて執筆したつもりである.「光学」や「光応用技術」になんとなく興味を持った学生が本書を足掛かりとして本当に興味を持ってくれるならば,著者にとって無上の喜びである.

2005年3月
著者しるす


改訂にあたって
 本書の第1版を2005年4月に発行して以来10年目にかかろうとしている.この間に,筆者が大学での講義に教科書として使用し,9年間で約800名の学生諸君に使用してもらった.しかし,それ以外に約2000冊もご利用いただけたことは,望外の喜びである.
 第1版を発行して5年が経過した頃から,内容を振り返るときに修正や追記したい場所があったり,初学者向けとしては数学が難しすぎるなどのご指摘をいただいた部分があった.このため,早めに改訂を行いたいとずっと思い続けていたが,中々執筆の時間が取れず,重版時のわずかな修正に止めざるを得なかった.
 しかし,第11章の光学機器,第12章の光応用技術に関しては,世の中の技術の進歩が速く,10年前の内容では現状にそぐわない状況となってきた.そのため,今回,勇を奮って内容の改訂を行った.本来ならばもう少し改訂を加えたいところを,時間との兼ね合いで最小限に止めざるを得なかったものの,何とか改訂が行えたことを嬉しく思っている.第4章の数学的に難しかった部分は思い切ってカットし,定性的な説明や,別の基本的な説明を加えた.
 衣替えした本書が理科系大学生の「光学」,「光応用技術」の基礎教育や,社会人技術者の基礎力向上,知識向上の一助として役立つことを願っている.

2014年5月
著者しるす

上記内容は本書刊行時のものです。