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MATLABによる振動工学 小林 信之(著) - 東京電機大学出版局
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MATLABによる振動工学 基礎からマルチボディダイナミクスまで
原書: 0

A5判
240ページ
上製
定価 3,000円+税
ISBN
978-4-501-41740-6
Cコード
C3053
専門 単行本 機械
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2008年9月
書店発売日
登録日
2017年10月5日
最終更新日
2017年10月5日
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目次

第1章 振動の基礎
 1.1 振動の実例
 1.2 座標系と運動方程式
 1.3 単振動とベクトル表示
 第1章の演習問題
第2章 1自由度系の自由振動
 2.1 不減衰自由振動(減衰のない系)
 2.2 重力場における自由振動
 2.3 いろいろな系の運動方程式と固有振動数
 2.4 エネルギー法とレーリー法
 2.5 1自由度系の減衰自由振動と減衰比
 第2章の演習問題
第3章 1自由度系の強制振動
 3.1 粘性減衰系の定常応答
 3.2 振動伝達率
 3.3 過渡応答
 第3章の演習問題
第4章 複雑な系の1自由度系へのモデル化法
 4.1 回転運動と慣性モーメント
 4.2 等価質量と等価ばね
 4.3 等価系の運動方程式
 第4章の演習問題
第5章 2自由度系の自由振動
 5.1 不減衰系の運動方程式
 5.2 不減衰系の固有振動数と固有振動モード
 5.3 並進と回転の達成振動
 第5章の演習問題
第6章 多自由度系の振動
 6.1 多自由度系の運動方程式
 6.2 固有振動モードの直交性と運動方程式の非達成化
 6.3 初期値問題
 6.4 減衰と強制力がある場合の運動方程式
 第6章の演習問題
第7章 弾性体の振動
 7.1 梁の縦振動
 7.2 梁のねじり振動
 7.3 弦の振動
 7.4 梁の曲げ振動
 7.5 梁の強制曲げ振動
 第7章の演習問題
第8章 安定問題と非線形振動
 8.1 自励振動
 8.2 安定問題
 8.3 係数励振振動
 8.4 非線形振動
 第8章の演習問題
第9章 振動の制御
 9.1 振動制御の方法
 9.2 振動伝達率と振動制御
 9.3 パッシブ振動制御
 9.4 動吸振器
 9.5 アクティブ振動制御とセミアクティブ振動制御
 第9章の演習問題
第10章 仮想仕事の原理とラグランジェ方程式
 10.1 ダランベールの原理
 10.2 ハミルトンの原理
 10.3 ラグランジェ方程式
 第10章の演習問題
第11章 マルチボディダイナミクス入門
 11.1 マルチボディシステムの運動学
 11.2 マルチボディシステムの動力学
 第11章の演習問題
第12章 有限要素法による振動解析
 12.1 梁要素の定式化
 12.2 全系の運動方程式と境界条件
 12.3 梁構造物の振動解析
 第12章の演習問題
付録 振動工学における数学の基礎知識とMATLABコマンド
 A1.行列と連立1次方程式
 A2.テイラー級数展開
 A3.常微分方程式の解法
 A4.編微分方程式の解法
 A5.常微分方程式の数値積分法
 A6.MATLABコマンド
演習問題の解答
参考文献
索 引

前書きなど

 機械に時間変化する力が加えられるとき機械に振動が生じます.その振動は,ときには大きく成長して機械自身の性能を劣化させるだけでなく,機械の安全性を損なうこともあります.機械が単純であった頃には,これらの力やそれに起因する振動を計算するのに,1つの質量と1つのばねで構成される1自由度振動系のようなきわめて単純な数学モデルを作成して,それに対する比較的明快な解析解を導出し,手計算をするか,せいぜい電卓を使う程度で十分でした.ところが近年の機械の高速化,高精度化,軽量化に伴い,振動問題が以前にもまして複雑かつ重要になってきています.そのため,多自由度振動系としてモデル化を行い,より詳細に機械の応答を求める必要性が高まり,コンピュータを用いた大規模な振動解析が求められるようになってきています.
 多くの優れた振動工学に関する教科書が出版されているなかで,浅学非才の著者らが本書を著した動機は,このような時代の要請を背景にして,振動工学の基礎を理解したうえで,機械や構造物を設計開発する際に直面する種々の振動問題をコンピュータの援用のもとに解明する力をシステマティックに養うことができる教科書があればよいと考えたからです.
 このような観点から著された本書は,従来の振動工学の教科書と異なるいくつかの特長を有しています.
 第一に,慣性力を含むすべての力の成分を右手右ねじ座標系によって統一的に表していることです.このような記述により,動的な力と静的な力をすべて統一した座標系で取り扱って力の釣り合いを考えることができますので,複雑に力が作用している系の取扱いが明確になります.このような考え方により,振動の基礎をしっかり理解できるように工夫しています.
 第二に,幾何学的な拘束を伴う系の振動についても説明を加え,最先端の動力学解析法であるマルチボディダイナミクスへの入門としての位置付けをもたせています.
 第三に,複雑な機械を簡略化してモデル化する方法や機械の実際の構造形態に対応できる有限要素法による振動解析法に関する基本的事項についても説明を加え,振動解析の実用書としての役割をもたせています.
 第四に,主要な例題についてMATLABプログラムによる計算例を示し,読者が自らプログラムを作成して振動解析を行い,振動の特徴や解析法を図などを通じて具体的に理解できるようにしています.
 第五に,本書で扱う数学に関する基礎的事項を付録にまとめ,さらに,ともすればブラックボックス的に扱われがちな数値積分法についても説明を加えました.
 本書の第一の特長である力の記述法は,従来の多くの教科書と違っていますので,最初は少し戸惑うかもしれませんが,このような記述法により,よりシステマティックに運動方程式を導くことができます.座標系を統一することはコンピュータを用いた動力学解析を行ううえでとても重要であり,本書では右手右ねじ座標系によって,振動基礎から有限要素法,マルチボディダイナミクスまでを一貫した考え方に基づいて学べるように配慮しています.
 本書の第1章~第9章までは振動工学の基礎的な部分であり,学部2から3年次の2セメスターで学ぶ内容です.第4章はやや実用的な振動解析にかかわる内容も含まれていますので,学部2~3年次では4.1節のみを学習して,4.2節と4.3節は読み飛ばしてもかまいません.第10章以降は,さらに高度な振動解析法を学ぶために役立ちます.第10章はロボットなど複雑な運動をする機械の動力学解析を行う場合に重要です.第11章および第12章は,汎用の機構解析コードや有限要素解析コードを用いる場合に,その理論的な背景を理解するために,さらに自らプログラムを作成して振動解析するために有用です.
 本書は,著者らの大学における振動工学および機械力学に関する講義および産業界で経験した振動問題を基にして,振動の基礎から先端的な事項まで広く扱っていますが,紙幅の関係から説明が十分でない部分もあります.さらに詳しく学ぼうと考えている読者は巻末の参考文献を参照してください.本書が,機械工学を学ぶ学生や若い技術者が振動工学に興味をもち,その本質を理解し,実際の振動問題を解決するための力を身につけるお役に少しでも立てれば,著者の望外の喜びであります.なお,著者の力不足から,至らぬ点や不満足な点もあると思います.本書に関して忌憚のないご意見やご指摘をいただければ幸いに存じます.
 最後に,本書で引用させていただいた書籍,文献,図などの著作者に厚く感謝いたします.また,元石川島播磨重工業(株)技術研究所部長 近藤尚夫博士,東京大学生産技術研究所研究院 田島洋博士には,本書を丁寧に査読していただき,かつ有益なコメントを賜りました.ここに深謝いたします.さらに,東京電機大学出版局植村八潮氏、吉田拓歩氏には,本書の刊行に多大なるご理解とご尽力をいただきました.心から感謝申し上げる次第です.
 2008年9月 著者

関連リンク

・正誤表〔第1版1刷〕〔第1版2刷〕
・ダウンロード:プログラム

上記内容は本書刊行時のものです。