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古武道現代用語事典
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2011年6月
- 書店発売日
- 2011年6月27日
- 登録日
- 2011年6月8日
- 最終更新日
- 2011年6月27日
紹介
古武道の叡智を今に生かす―
練達の武道家が現代人に提示する、
後世に伝えるべき古の技と精神。
古武道の世界には、今を生きる我々に役立つ知恵が数多ある。
本書では69の古武道用語を解説するとともに、そこから現代を生き抜く指針を提示する。
二天一流剣術の構えなど、カラー写真多数収載。
失われつつある、口伝による古武道の奥義がここに伝承される……
目次
目次
合気 6
相抜け 7
歩み足 9
居合 11
一眼二足三胆四力 12
居付き 14
一駄三足 16
一足一刀の間 17
いなす 18
入身・寄身 20
追い足・接木足 21
活殺 22
構え……仕掛けられても、
強く、ゆるがぬ心 24
二天一流剣術
二刀の中段 28
二刀使いの上段 32
二刀使いの下段 36
二刀使いの右脇構 40
二刀使いの左脇構 44
一刀の中段 48
一刀の上段 52
一刀の八相 56
一刀の下段 60
脇構 64
示現流・薬丸自顕流 蜻蛉 68
斬り落とし 73
斬る 74
気を練る 76
稽古 77
交刃の間 78
呼吸法 79
腰のすわり 83
山海の替わり 84
三殺法 85
残心(残身) 86
三位の格 87
四戒 88
示現流 89
自然体 90
十悪 92
柔よく剛を制す 93
守破離 94
常在戦場 95
勝負は鞘の内にあり 97
小よく大を制す 98
序破急 99
心気力の一致 101
捨て身 102
すり足 103
静中の動・動中の静 104
石火の打・石火の機 105
前後際断 106
戦わずして勝つ 107
脱力 108
ため 109
丹田と呼吸 110
手の内 112
中墨を取る 114
睨みによる不動金縛り 115
人が死んだら名を残すべきか、
功績を残すべきか 116
百練自得 118
拍子 119
武士に二言はない 120
仏性鬼面 122
仏神は貴し神仏をたのまず 123
平常心 125
歩歩これ道場 126
本心・妄心 127
間合い 128
間を盗む 130
身越し(越し身) 132
三つの先 133
無念無想 134
明鏡止水 135
目づかい 136
面を刺す 137
有心・無心 138
四つ習い 139
礼について 140
礼法・礼儀作法 142
我事において後悔せず 144
おわりに 146
前書きなど
おわりに
日本が大東亜戦争で敗れた後、戦勝国は日本を二度と立ち上がれないようにするため、まず〝道〟のつくもの、すなわち神道、武道からはじまって茶道・書道に至るまでを廃止の対象とし、3S政策(性の解放、映画の開放、スポーツの振興)を奨励するなど、日本の弱体化を進める占領政策を行なった。特に剣道と柔道は教育の中に取り入れられていたため、剣道や柔道の教師は教員免状を取り上げられ、大学に入り直す者すらいたのである。
一方、剣道・柔道の武道界では、武道としては駄目で、3S政策の一つであるスポーツの振興だったらよいのなら、より一層スポーツにしようじゃないかということで、柔道は体重別にし、小さい人が大きい人を投げ飛ばすことは夢のまた夢となってしまった。剣道も竹刀と竹刀の当てっこにし、畳か板の間でしか行なえなくすることで、実戦には全く役に立たないものとしてOKとなった訳である。
その結果、国から市町村に至るまでスポーツスポーツと言ってスポーツ少年団なるものまで作り、財政援助さえしているのが現状で、今になってからあれが悪い、これが悪いと言っても手遅れとなっている。識者はスポーツが亡国の遊技だと知っていても、何も言わないのが現状なのだ。
ぶれることのない思考、脳の閃きと発達、そして人間としての品格まで向上させる要素のある本物の武術、特に剣哲学と言われる剣の道を、今こそ教育の中に取り上げたいものである。
きちっとした古流の剣道では、殺生の剣から始まって破邪の剣、帝王の剣と進むようになっているが、途中で逃げ出したり、中途半端に修行した者には、師匠もそこまで教え込まないはずで、結局帝王の剣すら消えてしまった流派がいかに多いことだろうか。
ホモサピエンスと呼ばれる人類が文明の夜明けをもたらしたのは、直立して歩き、道具と火を使ったためと言われているが、この直立が脳の発達を促したのであり、熊や猿など直立する機会の多い動物も、そうでない動物に比べ知能の発達が進んでいるという。
本物の剣術もこの直立を極限まで使っている。特に上段・中段に構えて相手に向かうとき、背筋は北斗星を意識して伸ばし、正面は鼻筋からヘソにかけて南十字星を抱き、頭の天穴から宇宙のエネルギーを受け、なおかつ歩く足で呼吸せよと教えている。直立したときの頭の角度が、脳の進化はもちろん、人間としての品格をも増進させているのだ。そのような文化(功績)はしっかり残すべきと私は心の底から思い、またそうなることを願っている。
二〇一一年春
鬼子 毅彦
上記内容は本書刊行時のものです。