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漂着 小檜山 博(著) - 柏艪舎
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漂着 (ヒョウチャク)

文芸
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発行:柏艪舎
四六判
228ページ
上製
定価 1,524 円+税   1,676.4 円(税込)
ISBN
978-4-434-14842-2   COPY
ISBN 13
9784434148422   COPY
ISBN 10h
4-434-14842-7   COPY
ISBN 10
4434148427   COPY
出版者記号
434   COPY
Cコード
C0093  
0:一般 0:単行本 93:日本文学、小説・物語
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2010年8月24日
最終更新日
2010年10月6日
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紹介

いま、野生が現代を撃つ
日本人の運命を問う 渾身の長編小説
これは現代の百姓一揆だ
逃げた妻を捜してさまよう男の激怒。
小説『出刃』から『光る女』を通り、35年をかけて描かれた『漂着』、三部作完成。

前書きなど

後記

五年がかりでこの小説を書き上げて感じたことは、このままだと日本という国は滅亡してしまうかもしれないという思いだった。この国の人々には、国が成り立つにはまず食べ物が必要だという発想が欠落しているからだ。
人間は食べなければ死ぬ。ということは食べ物は命であるわけだから本来、命である食べ物を売買するのは間違っている。だとしたら基本的に自分が食べるものは自分で作るのがスジだという想像力がはたらかない人間がいることが恐怖だ。農民が作っているのは人間の命だということがわかっていない。
カネさえあれば生きていけるという、この国の多くの人々がもつ信仰に近い妄想は恐ろしいほど根深い。

ぼくもまた農民の子として生まれながら農業をせず、小説なんかを書いてろくでもなく生きてきた。その後ろめたさがバネになって、この小説が生まれた。
これは現代における百姓一揆で、主人公はぼく自身だ。
この作品を書かせてくださった藤村茂利、竹津明の両氏と、本にしてくださった山本哲平氏に深く感謝する。

 二〇一〇年九月一日
小檜山 博

著者プロフィール

小檜山 博  (コヒヤマ ハク)  (

1937年4月 北海道滝上町に生まれる。1976年「出刃」で北方文芸賞受賞。
1983年「光る女」で泉鏡花文学賞受賞。同作で北海道新聞文学賞受賞。
1997年 札幌芸術賞受賞。1998年 滝上町社会功労賞受賞。
2002年 神田日勝記念美術館館長。2003年「光る大雪」で木山捷平文学賞受賞。2005年 北海道文化賞受賞。2007年 北海道功労賞受賞。

上記内容は本書刊行時のものです。