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ゲッベルスと私 ブルンヒルデ・ポムゼル(著/文) - 紀伊國屋書店出版部
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ゲッベルスと私 (ゲッベルストワタシ) ナチ宣伝相秘書の独白 (ナチセンデンショウヒショノドクハク)

歴史・地理
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四六判
272ページ
定価 1,900円+税
ISBN
978-4-314-01160-0   COPY
ISBN 13
9784314011600   COPY
ISBN 10h
4-314-01160-2   COPY
ISBN 10
4314011602   COPY
出版者記号
314   COPY
Cコード
C0022  
0:一般 0:単行本 22:外国歴史
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2018年6月4日
最終更新日
2018年6月23日
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書評掲載情報

2018-12-09 毎日新聞  朝刊
評者: 池内紀(独文学者)
2018-09-02 毎日新聞  朝刊
評者: 池内紀(独文学者)
2018-08-18 朝日新聞  朝刊
評者: 西崎文子(東京大学教授・アメリカ政治外交史)
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紹介

ドキュメンタリー映画「ゲッベルスと私」が、2018年6月16日(土)より岩波ホールほか全国劇場にて順次公開(岩波ホール創立50周年記念作品)!

ハンナ・アーレントのいう”悪の凡庸さ”と”無思想性”は、アイヒマンよりもむしろポムゼルにこそあてはまる――

「なにも知らなかった。私に罪はない」
ヒトラーの右腕としてナチ体制を牽引したヨーゼフ・ゲッベルスの103歳の元秘書が、69年の時をへて当時を回想する。
ゲッベルスの秘書だったブルンヒルデ・ポムゼル。ヒトラーの権力掌握からまもなくナチ党員となったが、それは国営放送局での職を得るための手段にすぎなかった。ポムゼルは、「政治には無関心だった」と語り、ナチスの所業への関与を否定し、一貫して「私はなにも知らなかった」と主張する。
解説を執筆したジャーナリストは、このような一般市民の無関心にこそ危うさがあると、ナショナリズムとポピュリズムが台頭する現代社会へ警鐘を鳴らす。
子ども時代から始まるポムゼルの回想は、30時間におよぶインタビューをもとに書き起こされ、全体主義下のドイツを生きた人々の姿を浮かびあがらせる。

書籍版では、映画では語られなかった事実も明かされている。

20か国以上で刊行が決まっている注目のノンフィクション

「ヒトラーの時代がまたどこかで、かつてとまったく同じように繰り返されることはないだろう。だが民主主義体制の下でも、主権者である国民が、ポムゼルのように世の中の動きに無頓着で、権力の動きに目を向けず、自分の仕事や出世、身の回りのことばかりに気をとられていれば、為政者は易々と恣意的な政治、自分本位の政治を行うだろう。それに批判的精神を失ったメディアが追随すれば、民主主義はチェックとバランスの機能を失い、果てしなく劣化していく。これは、他でもない現在の日本で起きていることである」
――東京大学大学院教授 石田勇治

目次

【目次】

まえがき(トーレ・D. ハンゼン)

「私たちは政治に無関心だった」 1930年代ベルリンでの青春時代
「ヒトラーはともかく、新しかった」 国営放送局へ
「少しだけエリートな世界」 国民啓蒙宣伝省に入る
「破滅まで、忠誠を」 宣伝省最後の日々
「私たちは何も知らなかった」 抑留と、新たな出発
「私たちに罪はない」 一〇三歳の総括

ゲッベルスの秘書の語りは現代の私たちに何を教えるか(トーレ・D. ハンゼン)

『ゲッベルスと私』刊行に寄せて(石田勇治)

著者プロフィール

ブルンヒルデ・ポムゼル  (ポムゼル ブルンヒルデ)  (著/文

【著者】 ブルンヒルデ・ポムゼル (Brunhilde Pomsel)
1911年生まれ。1933年にナチ党員になり、ベルリン国営放送局で秘書として働く。1942年に国民啓蒙宣伝省に移り、ヨーゼフ・ゲッベルスの秘書の一人として終戦までの3年間勤務。総統地下壕の隣にある宣伝省の防空壕で終戦を迎えてソ連軍に捕えられ、その後5年間、複数の特別収容所(旧ブーヘンヴァルト強制収容所など)に抑留。解放後はドイツ公共放送連盟ARDで60歳まで勤務。2017年1月27日、国際ホロコースト記念日に106歳で死去。

トーレ・D. ハンゼン  (ハンゼン トーレ ディー)  (著/文

【著者】 トーレ・D. ハンゼン (Thore D. Hansen)
政治学者、社会学者。経済ジャーナリストおよびコミュニケーション・コンサルタントとしても活動し、成功をおさめている。国際政治および諜報機関の専門家でもある。著書に、Quantum Dawn、China Dawn(いずれも未邦訳)などがある。

石田 勇治  (イシダ ユウジ)  (監修

【監修者】 石田勇治 (いしだ・ゆうじ)
東京大学大学院総合文化研究科教授。専門はドイツ近現代史。マールブルク大学Ph.D.取得。ベルリン工科大学客員研究員、ハレ大学客員教授を歴任。主な著書に、『過去の克服――ヒトラー後のドイツ』『20世紀ドイツ史』(以上、白水社)、『ヒトラーとナチ・ドイツ 』(講談社現代新書)、『ナチスの「手口」と緊急事態条項』(共著、集英社新書)などがある。

森内 薫  (モリウチ カオル)  (翻訳

【訳者】 森内薫 (もりうち・かおる) [「まえがき」とポムゼルの伝記部分を担当]
英語・ドイツ語翻訳家。上智大学外国語学部フランス語学科卒。主な訳書に、ヴェルメシュ『帰ってきたヒトラー』、ムーティエ『ドイツ国防軍兵士たちの100通の手紙』(以上、河出書房新社)、ブラウン『ヒトラーのオリンピックに挑め』(早川書房)、ボーンスタイン『4歳の僕はこうしてアウシュヴィッツから生還した』(NHK出版)などがある。

赤坂 桃子  (アカサカ モモコ)  (翻訳

【訳者】 赤坂桃子 (あかさか・ももこ) [ハンゼンによる解説、謝辞、原注を担当]
ドイツ語・英語翻訳家。上智大学文学部ドイツ文学科および慶應大学文学部卒。主な訳書に、クリングバーグ・ジュニア『人生があなたを待っている――〈夜と霧〉を越えて』(みすず書房)、フランクル『精神療法における意味の問題――ロゴセラピー 魂の癒し』(北大路書房)、ラッポルト『ピーター・ティール――世界を手にした「反逆の起業家」の野望』(飛鳥新社)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。