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表紙裏の書誌学
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2012年12月
- 書店発売日
- 2013年1月15日
- 登録日
- 2012年12月3日
- 最終更新日
- 2013年10月17日
書評掲載情報
2013-01-20 | 毎日新聞 |
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紹介
表紙裏は、出版業揺籃期特有の事情を秘めたタイム・カプセルである。
出版業が発展する前夜、
和本の表紙裏には、芯紙のかわりに反古が使われていた。
本書は和本を精査し反古という異物を探る書である。
そこには、何が隠されていて、そこから何を知ることが出来るのだろうか。
近世初期の板本の、表紙と見返しとの間にかくれている墨書きや、版刷りの異物=「表紙裏反古(ひょうしうらほご)」の来歴を探る書。和本のオーバーホールの仕方から、それが何かを探るまでを丁寧に追った、「表紙裏の書誌学」です。
【補強材として表紙の裏側にひそむ反古を仮に表紙裏反古(ひょうしうらほご)と呼ぶことにしよう。表紙裏反古は、それゆえ、出版業が安定する以前特有の存在であり、反古という異物のひそむ表紙裏は出版業の揺籃期特有のもろもろを封じ込めたタイム・カプセルであった。版刷りの反古からは試行錯誤的に出版された稀覯本や小規模の刊行のゆえに後世に伝存しなかった本の片鱗が出現するかもしれない。また墨書の反古は出版事情に関わりある文書であるかもしれない。これを研究の資料とし活用しないまま見過ごすことが許されようか。】……本書はじめにより
目次
はじめに
第一章 表紙裏反古の諸問題
1 ワークショップの目的
2 表紙オーバーホールの実習
1 材料に供した和装本
2 準備した用具
3 表紙と中身を分離する
4 第一冊・前表紙をオーバーホールする
5 乾燥する
6 銀塩フィルムに記録する
7 復元する
8 浮上した諸問題
3 表紙裏反古の諸問題
1 古活字版反古の正体
2 表紙の仕立て方
3 年時の推定
4 表紙とはかかるものかも
■参考図版
第二章 ワークショップ報告「表紙裏から反古が出た」
1 第一回ワークショップ
2 第二回ワークショップ
3 第三回ワークショップ
1 第一回ワークショップの総括
2 表紙裏反古その一・古活字版『全九集』
3 表紙裏反古その二・『清水物語』
■参考図版
第三章 表紙裏反古の保存法について 国立公文書館蔵の嵯峨本『史記』を中心に
1 問題の設定
2 書誌の概要
3 表紙の補修
4 史記との出合い
5 国立公文書館方式の評価
6 表紙の補修とマイクロ写真
第四章 表紙裏反古の諸問題・続考 東京大学附属図書館蔵『鴉鷺物語』の場合
1 書誌の概要
2 反古の正体を読みとる
3 残り一枚の出自を探る
4 近づく出口
5 世にも不思議な一本
6 明らかになったこと
追 録 寛永二十年版『黒谷上人語燈録』の表紙裏より抽出された宗存版●小山正文
■参考図版
あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。