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辞世の歌 松村 雄二(著) - 笠間書院
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辞世の歌 (ジセイノウタ)

文芸
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発行:笠間書院
四六判
126ページ
並製
定価 1,200円+税
ISBN
978-4-305-70620-1   COPY
ISBN 13
9784305706201   COPY
ISBN 10h
4-305-70620-2   COPY
ISBN 10
4305706202   COPY
出版者記号
305   COPY
Cコード
C0092  
0:一般 0:単行本 92:日本文学詩歌
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2011年4月
書店発売日
登録日
2011年4月12日
最終更新日
2019年8月2日
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書評掲載情報

2013-02-24 日本経済新聞
2013-02-10 朝日新聞
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紹介

うたの森に、ようこそ。
柿本人麻呂から寺山修司、塚本邦雄まで、日本の代表的歌人の秀歌そのものを、堪能できるように編んだ、初めてのアンソロジー、全六〇冊。「コレクション日本歌人選」の第3回配本、辞世の歌です。

我死なば焼くな埋めるな野にすてて飢えたる犬の腹をこやせよ----歌川広重
益荒男(ますらを)がたばさむ太刀の鞘鳴りに幾(いく)とせ耐へし今日の初霜----三島由紀夫

辞世の歌(じせいのうた)
中世以降、禅僧の遺偈(ゆいげ)に倣(なら)い、武将や文人たちが死に際しての感懐を伝統の和歌形式に託して述べるようになった。辞世(じせい)の歌である。江戸期からこれに俳句の辞世が加わるが、本書は室町時代の太田道灌(どうかん)から現代の三島由紀夫までの約四十名の歴史的人物の辞世の歌を取り上げて解説。千利休や豊臣秀吉、石川五右衛門、近松門左衛門、式亭三馬(しきていさんば)や十返舎一九(じっぺんしゃいっく)、吉田松陰(しょういん)や乃木希典(のぎまれすけ)など、対象人物は多種多彩。その表現に即しながら、辞世の歌がもつ固有のパターンを読み解く。

目次

01 太田道灌 かかる時さこそ命の惜しからめかねて無き身と思ひ知らずは
02 山崎宗鑑 宗鑑はどちへと人の問ふならばちと用ありてあの世へと云へ
03 清水宗治 浮世をば今こそ渡れもののふの名を高松の苔に残して
04 千利休 ヒッ提グルワガ得具足ノ一ツ太刀今コノ時ゾ天ニ抛ゲウツ
05 石川五右衛門 石川や浜の真砂は尽くるとも世に盗人の種は尽きまじ
06 豊臣秀吉 露と落ち露と消えにしわが身かな浪速の事も夢のまた夢
07 大谷吉継 契あらば六つの衢に待てしばしおくれ先立つ違ひありとも
08 小堀遠州 昨日といひ今日と暮らしてなすこともなき身の夢の醒むる曙
09 浅野内匠頭長矩 風さそふ花よりもなほ我はまた春の名残をいかにとかせん
10 大石内蔵助良雄 あらたのし思ひは晴るる身は棄つる浮世の月にかかる雲なし
11 堀部安兵衛武庸 梓弓ためしにも引け武士の道は迷はぬ跡と思はば
12 早水藤左衛門満堯 地水火風空の中より出でし身のたどらで帰る本のすみかに
13 貝原益軒 こし方は一夜ばかりの心地して八十路あまりの夢を見しかな
14 近松門左衛門 それぞ辞世さるほどにさてもその後に残る桜が花し匂はば
15 永田貞柳 百ゐても同じ浮世に同じ花月はまんまる雪は白妙
16 尾形乾山 憂きことも嬉しき折も過ぎぬればただ明暮の夢ばかりなる
17 林子平 家もなく妻なく子なく版木なく金もなければ死にたくもなし
18 本居宣長 今よりははかなき身とは嘆かじよ千代の住み家を求め得つれば
19 山東京伝 耳をそこね足もくぢけて諸共に世に古机汝も老いたり
20 式亭三馬 善もせず悪もつくらず死ぬる身は地蔵もほめず閻魔叱らず
21 蜀山人大田南畝 ほととぎす鳴きつるかた身はつ鰹春と夏との入相の鐘
22 十返舎一九 この世をばどりゃお暇と線香の煙とともにはい左様なら
23 谷文晁 長き夜を化けおほせたる古狸尾先な見せそ山の端の月
24 歌川広重 我死なば焼くな埋めるな野にすてて飢えたる犬の腹をこやせよ
25 吉田松陰 身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬとも留めおかまし大和魂
26 高杉晋作 おもしろき事もなき世をおもしろく住みなすものは心なりけり
27 近藤勇 靡他今日復何言/取義捨生吾所尊/快受霊光三尺剣/只将一死報君恩
28 西郷千重子 なよ竹の風にまかする身ながらもたわまぬ節もありとこそ聞け
29 新門辰五郎 思ひおく鮪の刺身鰒汁ふっくりぼぼにどぶろくの味
30 仮名垣魯文 快く寝たらそのまま置炬燵いけし炭団の灰となるまで
31 山川登美子 をみなにてまたも来む世ぞ生まれまし花もなつかし月もなつかし
32 幸徳秋水 爆弾の飛ぶよと見てし初夢は千代田の松の雪折れの音
33 乃木希典 現し世を神さりましし大君のみ跡したひて我はゆくなり
34 黒岩涙香 磯の鰒に望みを問へばわたしゃ真珠を孕みたい
35 有島武郎 世の常のわが恋ならばかくばかりおぞましき火に身をや焼くべき
36 島木赤彦 わが家の犬はいづこにゆきぬらむ今宵も思ひ出でて眠れる
37 栗原安秀 刀折れ矢種も尽きぬ今はただ名を惜しみてぞ行かまほしけれ
38 栗林忠道 国のため重きつとめを果し得で矢弾尽き果て散るぞ悲しき
39 山下奉文 待てしばし勲残して逝きし戦友後な慕ひて我も行きなん
40 東條英機 たとへ身は千々に裂くとも及ばじな栄えし御世を落とせし罪は
41 太宰治 池水は濁りに濁り藤波の影もうつらず雨ふりしきる
42 前田夕暮 雪の上に春の木の花散り匂ふすがしさにあらむわが死顔は
43 中條ふみ子 灯を消してしのびやかに隣にくるものを快楽の如くに今は狎らしつ
44 三島由紀夫 益荒男がたばさむ太刀の鞘鳴りに幾とせ耐へし今日の初霜辞世史概観
人物一覧
解説「辞世--言葉の虚と実」(松村雄二)
読書案内
【附録】(辞世一覧)

著者プロフィール

松村 雄二  (マツムラ ユウジ)  (

*1943年東京都生。
*東京大学大学院博士課程満期退学。
*現在国文学研究資料館名誉教授。
*主要著書・論文
『百人一首--定家とカルタの文学史』(平凡社)
『『とはずがたり』のなかの中世--ある尼僧の自叙伝--』(臨川書店)
『日本文藝史--表現の流れ--(中世)』(河出書房新社・共著)
『戦後和歌研究者列伝』(笠間書院・共著)

上記内容は本書刊行時のものです。