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詩の在りか
口語自由詩をめぐる問い
- 出版社在庫情報
- 品切れ・重版未定
- 初版年月日
- 2011年2月
- 書店発売日
- 2011年3月17日
- 登録日
- 2011年1月19日
- 最終更新日
- 2022年1月26日
紹介
明治末から大正期。
「口語自由詩」という新たな詩の原理はこうして模索された。
明治十五年『新体詩抄』により、西欧近代詩を範例とする新体詩として成立した日本の近代詩。
やがて口語自由詩という新たな詩の様式が提唱され、詩壇の主流をなしてゆく。
この転換期にあたる明治末から大正期、定型を脱した新たな詩形の成立によって、旧来の詩の存立を支えた根拠が喪失し、詩人たちは〈詩〉の在りかの探究を強いられてゆく。
高村光太郎、室生犀星、萩原朔太郎、三富朽葉の四人に焦点をあて、〈詩〉の在りかを求める詩人たちの多様にして個性的な試みを辿る。
【 しかしながら口語自由詩の成立は、単に日本の近代詩に「根本的革新」をもたらすものであった訳ではない。文語と定型という形式は、明治に於いて新たに生み出された「新体詩」の存立を支え、散文との差異を自明化する詩の〈枠〉に他ならなかった。従って文語と定型を拒絶する口語自由詩の提唱とは、旧来の詩の存立を支えていた根拠の喪失という事態を招来したのであり、日本の近代詩に極めて大きな混乱と混迷を引き起こしたのである。換言すれば、当時の詩人たちは、口語自由詩が散文ならぬ詩として成立することを保証する新たな詩の原理の模索を強いられることとなった。口語自由詩に於ける詩の「自由」が不可避的に招き寄せた近代詩のアポリアがそこに出来する。近代詩は、口語自由詩の成立によって深い曲折を余儀なくされたのである。
本書が以下に辿ろうとするのは、そうした口語自由詩の時代に於ける〈詩〉の在りかの模索という困難な試みを重ねた詩人たちの姿に他ならない。】......本書・はじめにより
目次
はじめに 日本近代詩の成立
第一章 〈口語自由詩〉というアポリア
1 蒲原有明に於ける自由詩への移行
2 〈自由詩〉をめぐる問題
3 〈口語詩〉をめぐる問題
第二章 口語自由詩と〈声〉--高村光太郎『道程』
1 高村光太郎の〈自由詩〉の理念
2 光太郎に於ける〈文語自由詩/口語自由詩/小曲〉
3 光太郎に於ける口語自由詩の確立
第三章 小曲の可能性--室生犀星『抒情小曲集』
1 抒情小曲の構造
2 犀星に於ける抒情小曲の成立
3 小曲の可能性--『抒情小曲集』の位置
第四章 散文の詩学--萩原朔太郎『青猫』
1 大正三年末の問題
2 朔太郎の転回
3 『青猫』そして〈青猫以後〉へ--朔太郎に於ける口語自由詩の帰趨
第五章 散文詩という領域--三富朽葉「生活表」
1 三富朽葉と口語自由詩
2 散文詩への展開
3 散文詩「生活表」の成立
おわりに 大正末期--口語自由詩をめぐる新たな状況
あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。
