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江戸文化再考
これからの近代を創るために
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2012年6月
- 書店発売日
- 2012年7月6日
- 登録日
- 2012年6月11日
- 最終更新日
- 2021年3月16日
書評掲載情報
2012-09-09 | 読売新聞 |
2012-07-29 | 朝日新聞 |
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紹介
近代はどこに向かうべきか。
そのヒントは江戸にある。
泰平の世、三百年をかけて文化を成熟させた江戸時代。
歪み、行き詰まる現代社会が成熟するためのヒントがそこにある。
社会・思想・書物・絵画ー従来の近代主義的な評価にとらわれず、
江戸に即して眺めることで、「江戸の本当の姿」を理解する。
江戸文学研究の泰斗による講演会を収録!
【新しい世の中、新しい二十一世紀というものが始まっていくとすれば、そのときに一番大事なことは、江戸というものを江戸に即して眺めるという姿勢であろうと思います。戦後の日本は、江戸の中の近代主義的に評価できる部分だけをピンセットで摘まみ上げて、それだけを評価してきたんですね。それが、これまでの日本の近代であったわけです。(中略)江戸を、近代主義的に良かろうが悪かろうが、良いところは良いところで簡単に評価することはできますけれども、一番近代的ではない部分も全部ひっくるめて、それが江戸の文化の姿だというふうに考えて、その中で江戸は立派な文明を作りあげた。それをちゃんと理解する。そういう姿勢を持つべきではないか。それが、これからの江戸文化に対する我々の姿勢。まさにそこにあるんではないかというふうに思います。】…「第一章 大勢五転 近代人の江戸観について」より
目次
はじめに
第一章 大勢五転 近代人の江戸観について
高まる江戸ブーム/「大勢五転」とは/従来の江戸観/時代とともに移り変わる江戸観/明治の江戸観/大正の江戸観/昭和戦前の江戸観/敗戦後の江戸観/江戸の近代主義的再評価/平成の江戸観/近代は終わったのか?/文化成熟のモデルとしての江戸/江戸文化に対する姿勢/「和本リテラシー」とは/明治以前の書物の実態/和本を通して過去と対話する/消えていく江戸の書物/古典の精神を熟成させた江戸
第二章 雅と俗と 江戸文化理解の根本理念
前回のまとめ/江戸に対するスタンスのとり方/江戸の「雅」と「俗」と/近代主義的な江戸の見方/スタンスを変えてみる/江戸に即して江戸を眺める/「雅」・「俗」の内容と評価/「雅」の優位性 ハイカルチャーとサブカルチャー/浮世絵に見る「雅」・「俗」/変化する美人画/「雅」の絵画に見る十八世紀/江戸らしさとは
第三章 江戸モデル封建制 その大いなる誤解
誤解された江戸の封建制/西洋型学問摂取の弊害/江戸中期の浪人の生活/庶民の女性たちの生活/侍の生活と心構え/江戸の身分制の実態/江戸時代の武士道/自己犠牲の精神/外国人が見た江戸の社会/世界の中の日本/『国学正義編』を読む/江戸人の世界感覚
第四章 近世的自我 思想史再考
江戸思想史再考/雅俗のバランス/新しい仏教思想研究への期待/本当に朱子学中心なのか/陽明学を基本とした江戸儒学/江戸モデルの儒学という視点/江戸モデル封建制/近世的自我/本当の中華趣味/黄檗文化の受用/黄檗大名 黄檗貴族/色刷り略歴「大小」の流行/浮世絵の色目と箋譜の色目/「朱子学」と「陽明学」/仁斎学/徂徠学/狂者と畸人/近代的自我との相違点
第五章 和本リテラシーの回復 その必要性
出版物に関する江戸の常識/木版本と活版本/変体仮名と草書体漢字の問題/リテラシーの保有者/明治以前の書物の総数と活字本の総数/空間軸と時間軸/近世の出版史/出版の技術/江戸に即して/初刷りと後刷りの比較
参考資料集
上記内容は本書刊行時のものです。