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想起の文化
忘却から対話へ
- 書店発売日
- 2019年1月26日
- 登録日
- 2018年12月21日
- 最終更新日
- 2019年1月24日
書評掲載情報
2022-11-12 |
朝日新聞
朝刊 評者: 小田中直樹(東北大学教授・仏社会経済史) |
2020-09-26 |
朝日新聞
朝刊 評者: 須藤靖(東京大学教授・宇宙物理学) |
2019-03-23 |
朝日新聞
朝刊 評者: 西崎文子(東京大学教授) |
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紹介
いつまで想起し続けねばならないのか?――右派台頭と移民社会の到来に揺れるドイツで、ホロコースト犠牲者の追悼をめぐる論争は激しさを増している。想起することへの様々な批判や不快感・倦怠感を、記憶文化論の第一人者が徹底的に検証。出自や国境を越えた新たな想起の可能性を問う。(著者は2018年にドイツ出版協会平和賞を夫と共同受賞)
目次
凡例
序 論
忘却,黙殺,想起
第一章 記憶研究の諸問題
個人的記憶と集合的記憶
歴史と記憶
文化的記憶
アイデンティティとのつながり
〈想起の文化〉という概念の意味
第二章 ドイツ人の家族の記憶を作ること――果てしない物語?
沈黙を破る――ZDF三部作『我らの母たち,我らの父たち』
沈黙の潜伏期――ドイツの戦後史についてのヘルマン・リュッベのテーゼ
終止線と分離線
外在化と内在化
ホロコーストの想起のクレッシェンド
第三章 ドイツの想起の文化の諸問題
想起の世界チャンピオン?
解釈の支配権と被害者気取り――世代間の衝突としての想起の文化
否定的な創建神話としてのホロコースト
想起し終えたのか?
儀礼化
ポリティカル・コレクトネス
モラル化と歴史化
ドイツの想起の文化の実践領域
第四章 ドイツの二つの独裁制の想起
東ドイツの想起――ドイツ特有の道?
ドイツの二つの独裁制についての語り
過去の保持と過去の克服
東ドイツの被害者の想起
東ドイツの想起をヨーロッパ化すること
第五章 移民社会の中での想起
市民権としての否定的想起?
民族の逆説と国民的記憶の多元化
二〇一一年一一月四日の衝撃
集団指向の人間嫌い
差異と類似のあわいの共感
トランスナショナルな視点
第六章 被害者競争
排他的な被害者言説と包括的な被害者言説
ヨーロッパの分裂した記憶
悔恨の政治
歴史の傷
マルチディレクショナル・メモリー
第七章 トラウマ的な過去と付き合うための四つのモデル
想起するか,忘れるか
対話的に忘れること
決して忘れないために想起すること
克服するために想起すること
対話的に想起すること
結び――新たな想起の文化の諸前提
注
訳者あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。