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出版者情報
長い時間をかけた人間の経験
発行:講談社
文庫判
208ページ
定価
1,200円+税
- 初版年月日
- 2005年6月
- 書店発売日
- 2005年6月11日
- 登録日
- 2017年4月23日
- 最終更新日
- 2024年1月24日
書評掲載情報
2018-03-11 | 読売新聞 朝刊 |
2017-04-23 |
朝日新聞
朝刊 評者: 富岡幸一郎(文芸評論家) |
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紹介
圧倒的事実の<生と死>ーー8月9日に、すでに壊された<私>。死と共存する<私>は、古希を目前にして遍路の旅に出る。<私>の半生とは、いったい何であったのか……。生の意味を問う表題作のほか、1945年7月、世界最初の核実験が行われた場所・ニューメキシコ州トリニティ。グランド・ゼロの地点に立ち《人間の原点》を見た著者の苦渋に満ちた想いを刻す「トリニティからトリニティへ」を併録。野間文芸賞受賞作品。
◎林京子ーー私は立ちすくんだ。地平線まで見渡せる荒野には風もない。風にそよぐ草もない。虫の音もない静まった荒野は自然でありながら、これほど不自然に硬直した自然はなかった。荒野は、原子爆弾の閃光をあびた日以来、沈黙し、君臨していたガラガラ蛇の生さえ受けつけなかった。大地は病んでいたのである。<「著者から読者へ」より>
上記内容は本書刊行時のものです。