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岡山たべある記 柳瀬 和之(著) - 吉備人出版
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岡山たべある記 (オカヤマタベアルキ) 瀬戸内の食材と郷土料理

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発行:吉備人出版
四六判
240ページ
並製
定価 1,500円+税
ISBN
978-4-906577-72-9   COPY
ISBN 13
9784906577729   COPY
ISBN 10h
4-906577-72-5   COPY
ISBN 10
4906577725   COPY
出版者記号
906577   COPY
Cコード
C0026  
0:一般 0:単行本 26:旅行
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2001年4月
書店発売日
登録日
2010年2月18日
最終更新日
2015年8月22日
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目次

泳ぐママカリ 10
シャコとの出合い 17
乙島のシャク 24
メバルの煮つけ 29
アナゴの虜 37
フグのおやじさん 44
ベラタを食べた 52
オコゼの顔立て 58
カキ三昧 67
サワラぬ神に祟りなし 75
ゲタに挑戦 85
ガザミとベカを捕まえた 92
タコが揺れる街 98
貝の仲間とシラウオの指 105
ハエある郷土料理 114
フナ飯を食ってみられぇ 124
トマトは桃太郎 132
黄ニラの立ち話 142
沢田のタケノコ 152
黒豆づくし 161
不思議なカボチャ 172
白桃の値段 178
柿の国 188
米を買わずにパンを買う 202
ばらずし万歳 216
岡山たべある記 225

前書きなど

まえがき

 縁があって岡山に住みつくことになった私は、 やたらに食い意地が張っているうえに好奇心丸出しときている。 あれから干支が一回り、 岡山は面白くもおいしい所だとつくづく思っている。
  「ばらずし」 というすばらしい米食文化が花開いているのに、 お米をあまり食べない。 どのぐらい食べないかというと、 ■ある県庁所在地で市民一人当たりの米購入量は最低というデータがある。
 岡山のおみやげに何が良いかと聞けば 「ママカリ」 と教えてくれる。 しかし、 岡山の人が県外に出る時、 この 「ママカリ」 を自ら持って出るのをほとんど見たことがない。
 高級果実の代表 「清水白桃」 に至っては、 「あんなもの地元のもんは食わんけぇ」 と言ってケロッとしている。 「ベラタ」 や 「乙島シャク」 のような他県では食べられない食材でも、 その存在をさえ知らない人が多い。
 それでも岡山の食文化が豊かなのは事実であり、 実感でもある。 海や川、 田畑や山に豊かな食材資源が溢れているし、 熱心な生産者を気候的条件や地形的有利さが後押ししている。 風土に見合った数々の料理は訪ねる者の舌を飽きさせない。
 私も岡山にご縁があったおかげで口にすることができた食材や料理は数多い。 食材としては 「ママカリ」 「ベラタ」 「ゲタ」 「ベイカ」 といった海の幸に、 私にとっての初物が目立つ。 「黄ニラ」 や 「黒豆」、 それに 「千屋牛」 もここに来てこその食の素材である。
 全県的な料理としては 「ばらずし」 や 「サワラ料理」 が印象に残る。 特定地域での固有の味ということなら、 虫明の 「あけぼの鍋」 をはじめ建部の 「ハエの番茶煮」 とか大佐の 「てっぽう漬」 なども忘れ難い。
 食通を任じる人なら岡山の食についてまだまだ奥の深みを語るのであろうが、 注ぎ込める時間や味覚に対する感性に限界のある私には無理な話だ。
 おっと、 何より懐勘定の限度を忘れてはいけない。 それに、 料理の仕方や味付け、 取り合わせの妙、 というところまで踏み込めば、 手作りの百品、 料理屋の千品がすべて 「これは、 これは」 の料理になってしまう。
 加工する食材ではないが、 「清水白桃」 や 「マスカット」 のことも語らねば岡山の食文化、 備前の味を講釈したことにならない。 まあ最初から間口を広げ過ぎてもそれこそ味が拡散してしまうから、 ぼちぼちとつまみ食いすることにしよう。
 かつて長崎に赴任していた時、 あの 「卓袱しっぽく料理」 を味わって 「どういう料理かさっぱり分からん」 と感想を述べたら、 それが正解だと言われた。
 日本の和、 中国の漢、 オランダの蘭がミックスされて和漢蘭料理→分からん料理になったとの珍説をうけたまわったのだ。 長崎市はお米を買う量が日本一の県庁所在地である。
 その長崎のあと、 お米を最も消費しない岡山市にご縁があって生活するようになったのも面白い因縁だと思っている。
 ここは一つ、 岡山における 「さっぱり分からん」 をひも解いてみなければならない。
新世紀初頭に

著者プロフィール

柳瀬 和之  (ヤナセ カズユキ)  (

著者略歴
 柳 瀬 和 之 (やなせ かずゆき)
 1941年 東京に生まれる
 1963年 慶應義塾大学商学部卒
 1990年 新日本証券岡山支店長より
     トマト銀行資金証券部長に転職
 1996年 同行取締役事務部長
 1998年 同行退任
 現在、 トマトビジネス社長

著書に 『岡山みてある記』 (吉備人出版)、 『新幹線つれづれ』、 『愛しのワン公』 がある。

上記内容は本書刊行時のものです。