人文書の電子書籍の売れ方
■当社の電子書籍事業について
当社は人文や芸術の学術書を中心に、読み物や評論も織り交ぜながら刊行しています。今年の3月から、すべての新刊の電子書籍化を始めて、紙の書籍刊行の1カ月後を目安に電子版を発売しています。新刊に加え、売れ行きがいい既刊や大学の授業で教科書として指定してある既刊も電子書籍化を順次進めています。 (さらに…)

■当社の電子書籍事業について
当社は人文や芸術の学術書を中心に、読み物や評論も織り交ぜながら刊行しています。今年の3月から、すべての新刊の電子書籍化を始めて、紙の書籍刊行の1カ月後を目安に電子版を発売しています。新刊に加え、売れ行きがいい既刊や大学の授業で教科書として指定してある既刊も電子書籍化を順次進めています。 (さらに…)
青弓社の矢野未知生です。当社は学術書を刊行しています。入門書もありますが、入門書の次の段階以降の書籍が多く、博士論文の書籍化も手がけています。
博士論文をもとにした書籍(以下、博論本と略記)について、以前、「博士論文を本にする」というエッセーを書きました。それとは別に、気になっていることを書きます。
なお、以下では人文書系の博論本にまつわることですので、理系の実情はわかりません。
まず、博論本はなかなか売り上げが伸びません。前提となる刷り部数が少ない、ということももちろんありますが、仮に800部を刷って半分を販売するためにも長い時間かかる場合もままあります(もちろん、増刷する書籍もたくさんあります)。そのため、博論本は日本学術振興会の研究成果公開促進費や各大学の助成を活用して、つまり、一定額の支援をもとに書籍に仕上げることも多くあります。
例えば、日本学術振興会の研究成果公開促進費は毎年11月が申請時期です。それまでに完成稿と諸々の書類をそろえる必要があり、その書類のなかには出版社が作成する見積書などもあります。見積書を作るためには、完成稿に近いバージョンの原稿で文字数や図版点数などを確認する必要があり、また見積書や申請書類は9月・10月に研究者が所属大学に事前に提出することが多いため、夏休み期間が博士論文をリライトする大切な時期になります。極端に言えば、8月を制する者が博論本を制する、というわけです。 (さらに…)
5月27日(金)に、空犬さん(@sorainu1968)が主催するイベント「beco talk」vol.30に登壇する機会をいただきました。「版元ドットコムが変わる?!」というテーマで、空犬さんが私と事務局の石塚昭生さんに版元ドットコムの「これまで」と「サイトリニューアル」について質問するというスタイル。3人のおしゃべりを、飲み物片手のお客さんに見てもらうというなごやかな会でした(ただ、beco cafeが5月に閉店したため、このイベントも今回が最後でした。残念)。
当社は版元ドットコムの設立時から関わっているということで、私は「これまで」をメインに話すことになっていました。ただ、私が入社する前の事柄もあり、またいざ話すとなるとけっこうあやふやな部分もあって、このままではマズイことが判明。過去の議事録やサイトにある「沿革」、「第1回 太郎次郎社エディタス・須田正晴は如何にして版元ドットコムに入ったのか」を、あわてて読み返してメモ書きを作りました。 (さらに…)
一昔前は、近刊書の事前注文が1000部あれば3000部くらいは配本可能でしたが、「お情け」程度の部数が上乗せとなることが弊社では当たり前となってきました。書店件数が14000件を割り込み、その書店も古書の他、文具やグッズなどの併売に活路を見いだそうとしています。当然のことながら書籍売場が縮小されるわけなので、見かけの書店件数以上に配本される確率は減っています。
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