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新ファッション雑誌に挑戦!

2000年「季刊ロゼッタストーン」、2001年「女性国会議員メルマガ・ヴィーナスはぁと」、2002年「若手国会議員メルマガ・未来総理」と、ロゼッタストーンでは、毎年、少しずつ媒体を増やしてきました。今年は、7月1日に、ロマンティックなファッションを好む女性のためのファッションサイト「スィートピー」をオープン。新しい分野にチャレンジします。

季刊「ロゼッタストーン」も4年目に入ったので、そろそろ「別冊」を出したいのですが、零細出版社のロゼッタストーンでは、新しい雑誌をつくるにも大きなリスクは背負えません。というわけで、まずWEBを立ち上げ、購読予約者が最低3000人集まったら、正式に創刊を決定しようと思っているのです。

WEBでは、カウントダウン式のカウンターを設けています。7月28日現在で、あと2743人。ほとんど宣伝をしていないのに、オープン1カ月で購読申し込み者が200人を超えたのは、まあまあ順調なのですが、3000人の目標を考えると先が遠いです。

最近、出版界の先輩がこんなことを言っていました。
「これからの雑誌は、雑誌そのものを売るというよりも、その雑誌を発行している編集部がつくっている雰囲気を売る方向に変わっていくような気がする。つまり、購読料というよりは、コミュニティに参加する会費のような感覚。読者に仲間意識を持たせることができれば、雑誌も成功するんじゃないだろうか」

スィートピーがめざすのも、まさに、ロマンティックが大好きな女性たちのコミュニティをつくることです。WEBでは、アンケートで「スィートピー」への要望を集めるほか、読者のファッションを紹介するページや掲示板など読者参加型のページを充実させます。たまには読者が参加できるイベントを企画したりもしてみようかと思います。

WEB先行型の雑誌は時々ありますが、カウントダウン式の雑誌創刊はあまり聞いたことがありません。こうした新しい試みが、果たして成功するのかどうか、今後の展開を見守ってください。

未来の総理大臣を育てましょう

女性国会議員メルマガ「ヴィーナスはぁと」が少し注目されたので、9月から若手国会議員メルマガ「未来総理」の配信を始めた。昭和30年以降に生まれた全国会議員に参加を募ったところ、6政党19人が協力してくれることに。現防衛庁長官の石破茂議員(自民党)、民主党代表選で若手代表になった野田佳彦議員、社民党幹事長の福島瑞穂議員など、なかなかゴージャスな顔ぶれである。

まずは、「政治家をめざした理由」「一番、力を入れている政策」を聞き、三巡目のいまは「自分の属している政党の好きなところ、変えたいところ」を語ってもらっているところ。

自民党から共産党まで、価値観の違う政治家がしっかり政策を述べ合う環境をつくる。メルマガを読んだ読者の感想は参加議員にフィードバックする。そうして「5年後、10年後の総理大臣を育てよう」という壮大な企画なのだ。

ふたつのメルマガは、私ひとりで編集している。議員とのやりとりは基本的にメール。もらったメールを貼り付ければいいので、あまり手間はかからない。議員にはノーギャラで参加してもらっているので、発行にかかる費用はゼロ。配信料は無料なので儲かることもないが、紙媒体とくらべて、インターネットはお金がかからないメディアだなあとつくづく思う。それでいて、現役国会議員の貴重な本音がほとんどタイムラグなしに読める「速報性」もある。

いまの「読者」は、インターネットでこうした無料で質の高い情報をいくらでも探すことができる。お金を払って本を買ってもらわなければいけない出版社にとっては、厳しい時代だと思う。

ロゼッタストーンでは、インターネットを最大に活用して、本業の紙媒体に生かす方法を模索中だ。例えばメルマガやホームページで得た情報を雑誌に生かす、メルマガに雑誌の告知を入れ、ホームページで雑誌の内容を紹介する、将来的にはメルマガやホームページで連載した内容を書籍化する…など。

インターネットは脅威でもあるけれど、お金も人手もない出版社にとっては武器にもなる。「未来総理」に関していえば、「このなかの誰かが、将来、総理大臣や党首になるかも…」なんて思いながら編集するロマンもあるのだ。

ロゼッタストーンに取材ラッシュ!?

昨年11月に創刊した、女性国会議員メールマガジン「ヴィーナスはぁと」がきっかけで、マスコミに露出する機会が急に増えた。まず、創刊当初、一部の新聞やインターネットのニュース系サイトなどに次々に「ヴィーナスはぁと」が取り上げられた。12月に入ると、読売新聞が全国版の「人」欄で私を紹介。さらに今年になって、東京新聞・中日新聞が「永田町のヴィーナス議員たち」という「ヴィーナスはぁと」に登場する女性議員を紹介する企画を組んでくれ、番外編として私まで紹介してくれた。そのほか、インターネットでも、日経の女性向けサイト「smart woman」、BIGLOBEの仕事サイト「輝く女性たち」でインタビューを受け、テレビでは私の地元の山口放送が報道番組のなかでロゼッタストーンについて放映。今日の午前中は「週刊女性」の取材を受けたところ。……
こうして見ると、なんだか破竹の勢いみたいでしょ?

ところが、現実はそう甘くない。もちろん取り上げてもらえるのは、ありがたいことだけど、マスコミに出れば雑誌の売り上げも大幅に増えるかと思いきや、あまり大きな影響はないのである。むしろ収穫は別のところにあった。

新聞、雑誌、インターネット関係…と、いろんな分野の記者やライター、カメラマンが、狭いロゼッタストーンの事務所にやってきて、1時間くらい取材して写真を撮って帰っていく。取材内容は主に「ロゼッタストーン」や「ヴィーナスはぁと」を立ち上げたきっかけだ。これまで取材するばかりだった私が、逆の立場に立つことで、取材される心理がよくわかった。

とにかく、スタッフのやる気やレベルが恐ろしいほどわかるのだ。私たちマスコミは相手を取材したつもりでいるが、取材をしょっちゅう受けている有名人のほうが、よっぽどこちらの人物像を見抜いているに違いない。いくつか準備不足ででかけてしまった取材を思い出すと、まったく冷や汗が出る思いだ。

それでも、有名人の多くは、そんなことは顔にも出さず、愛想よく取材に答え、媒体に応じていろんな話題を提供してくれる。これは、やはり才能だと思う。私のような底が浅い人間は、すぐにネタ切れしてしまうのに。

私は電車のなかで起きた出来事を思い出した。目の前に座っていた若い男性が「よかったらどうぞ」と席を譲ってくれたのだ。マタニティ風のゆったりしたワンピースを着て、つり革にすがっていた私を、どうやら彼は妊婦と勘違いしたらしい。(確かに前より太ったんだけど)

(せっかく勇気を出して言ってくれたのに、ここで断ったら、彼は二度と他人に席を譲らなくなるかも…)と思った私は、妊婦になりすまし、お礼を言って席に座った。さらに、電車を降りるときに「本当にありがとうございました」と、丁重にあいさつまでした。

お年寄りに席を譲って「よいことをした」と満足している若い人の裏には、「やれやれ、嬉しそうな顔をするのも気を遣うわい」と思っているお年寄りがたくさんいるのかもしれない。譲られる立場になってみて、初めてそんなふうに思った。本当にその立場にならない限り、なかなか本音というのは、わからないものである。

ロゼッタストーンは、コミュニケーションを大きなテーマにしている。季刊ロゼッタストーンもメルマガ「ヴィーナスはぁと」も、立場が違う人に同じテーマで意見を述べてもらうことが多い。違う角度から見れば、固定観念が消え、頭がちょっと柔らかくなる。頭が柔らかくなれば、相手を認める余裕が出てくる。
「これが絶対正しい」世の中よりも、「これはこれで正しい。これもこれで正しい」という世の中になっていけばいいなあ、と思うのだ。

※ 興味がある人は、ぜひ、一度読んでみてください。ロゼッタストーンのホームページ(アクセス数10万件達成!)で、雑誌やメルマガの内容を紹介しています。http://www.rosetta.jp 4月9日に発売されたロゼッタストーン第9号では、「医療改革」を特集。読みごたえがありますよ!

小泉メルマガ「らいおんはーと」に挑戦!

小泉メルマガ「らいおんはーと」に挑戦!

季刊ロゼッタストーンを発行している(株)ロゼッタストーンです。11月 15日に、女性国会議員メルマガ「ヴィーナスはあと」を創刊することにしました。これは、もちろん、小泉メルマガ「らいおんはーと」を意識したものです。暗く物騒な世の中には、らいおん(野獣)の勇ましい声だけでなく、ヴィーナス(美女?)たちの優しい視点も必要なのではないかと思ったのです。

「ヴィーナスはあと」には、福島瑞穂さん、水島広子さん、川田悦子さんなど、党派を超えて、19人の女性国会議員が参加してくれることになりました(全女性国会議員の4分の1以上)。小泉首相のようなスーパースターはいませんが、数だけなら負けません。グループで存在感を示す永田町の「モーニング娘。」をめざそうと思っています。配信日は、小泉メルマガと同じ毎週木曜日。自民党の参加者もいるので、小泉首相と敵対するものではありませんが、官邸のメルマガでは書けないような永田町の本音を発信していく予定です。

なぜ、こんなに「小泉メルマガ」を意識するか、というと、ロゼッタストーン本誌が「類似誌がない」ということで、とても苦労しているからです。雑誌(紙媒体)の世界では、成功している雑誌と似たものを創ってその雑誌と同じ発売日に発行する、というのが定石です。そうすることで、書店もどこに置けばいいのかはっきりわかるし、同じ系列の雑誌が並ぶことで、そのコーナー全体も目立つ。読者層が同じなので、成功している雑誌を買いに来た人が、新しく出た雑誌を発見して買ってくれるかもしれない。買う側にとっても、探しやすく選びやすい。……と、まさにいいことづくめなのです。

ところが、季刊ロゼッタストーンのように、類似誌がない場合は、まず書店がどこへ置けばいいかわかりません。読者もどの売り場で探せばいいかわかりません。実際、書店によっても、号によっても、置く場所が違っています。そんなわけで、ロゼッタストーンは、書店で探すのがとても難しい雑誌になってしまったのです。宣伝力のない小さな会社が、個性的な雑誌を出版することの厳しさを、最近身にしみて実感しています。

そんなわけで、今回発行するメルマガでは、小泉メルマガの知名度をちょっとだけ利用させていただくことにしました。相手は登録者が百万人を超える巨大メディアですから、赤ちゃんと横綱くらいの力の差があります。はたして出版界の「定石」は、インターネットの世界でも通用するのでしょうか。この「ヴィーナスはあと」が創刊後、どんな経緯をたどるのか、ぜひ、見守ってください。

※「ヴィーナスはあと」に興味がおありの方は、ロゼッタストーンホームページをご覧ください。(http://www.rosetta.jp