ナベヅルの里にUターンして5年が経ちました
家庭の事情で東京から山口県に会社ごと引っ越して、早いもので5年になります。
版元ドットコムには初期の頃から参加しているのですが、たまに版元ドットコムのサイトを見ると、参加社が大幅に増えており、たくさんの小さな版元が、それぞれの得意分野で頑張っていることに勇気づけられます。この多様性こそが、日本の文化の底力なのではないでしょうか。 (さらに…)
家庭の事情で東京から山口県に会社ごと引っ越して、早いもので5年になります。
版元ドットコムには初期の頃から参加しているのですが、たまに版元ドットコムのサイトを見ると、参加社が大幅に増えており、たくさんの小さな版元が、それぞれの得意分野で頑張っていることに勇気づけられます。この多様性こそが、日本の文化の底力なのではないでしょうか。 (さらに…)
2018年、東京から生まれ故郷である山口県周南市八代(やしろ)に出版社を移転しました。一人暮らしをしていた高齢の母が背骨を圧迫骨折し、日常生活が不自由になってしまったため、思い切って会社ごとUターンしたのです。(母は、その後回復し、元気になりました) (さらに…)
昨年秋、『ホラホラ、これが僕の骨 中原中也ベスト詩集』という本を出版しました。すでに著作権の切れている中也の作品は、ネットで無料で読めますし、すべての詩が収録された文庫本もあります。そこをあえて出版するからには、「モノ」としての良さが必要だと考えました。
一緒に知恵を絞っていただいたのは、デザイナーの佐藤好彦さんと、製本会社、篠原紙工の篠原慶丞さん。おふたりの力で、ちょっと不思議な本ができあがりました。 (さらに…)
昨年3月の版元日誌で、料金不払いの常習犯に対して、少額訴訟を起こすことになったと報告した。私が把握しているだけでも、10社以上の出版社が同じ人物の被害にあっている。こういう確信犯に対して少額訴訟を起こすとどうなるのか…。今回はそのご報告。
少額訴訟は60万円以下の比較的少額のお金を回収するために設けられた制度で、弁護士を頼む必要もなく、原則として1回の審理で終わる。手数料も10万円までならたったの1000円。社会勉強のために一度経験しておくのもよいかも…と思ったのだが、意外に大変だった。
訴訟の前に、訴訟を起こすことを相手に通告した。そのとき郵便局で払った内容証明の料金が1170円 (一般書留430円、配達証明310円、内容証明430円)。
法人の場合は、登記事項証明書の提出が必要なので、その発行手数料が600円。さらに、訴訟手続きの際は、訴訟手数料と一緒に郵便切手代3980円の提出も要求された。「たったの1000円」というわけにはいかなかったのだ。 (さらに…)
版元ドットコムの会員社の多くは、自社サイトなどで読者への直販も行なっている。そこで悩ましいのが、商品を送ってもお金を払わない不払い者への対応である。
料金の支払いによく活用されているのが「郵便振替用紙」だ。振込手数料が安いので、手数料を版元負担にして、書籍と一緒に振替用紙を送る。お客様が料金を払い込むと、版元に郵便局から郵送で通知が来る。アナログなシステムではあるが、料金後払いという安心感と、振込手数料無料という手軽さで、いまも郵便振替用紙での支払いを希望する人は多い。
が、この「料金後払い」というのを悪用して、注文だけして料金を払わない人がたまにいるのである。単に忘れている人なら催促すれば払ってくれるが、何度催促しても払わない「確信犯」らしき人が問題だ。 (さらに…)
9月2日に発売した弊社の『努力する人間になってはいけない―学校と仕事と社会の新人論』(芦田宏直著)がよく売れている。初版3000部があっという間になくなり、9月26日に重版出来。いまも書店から毎日追加注文が入っているので、もう少し伸びそうな勢いである。 (さらに…)
会社創立以来5年間、「季刊ロゼッタストーン」を発行してきた弊社だが、今年1月に20号を発売したのを機に、雑誌はいったん休刊し、今度は書籍に力を入れることにした。
ロゼッタストーンが出した書籍はまだ2冊。慣れないので失敗も多い。
たとえば、雑誌の定価は、「定価880円(本体838円)」と税込価格で表示する。それに対して、書籍は「定価(本体1500円+税)」と税抜で表示されるのが慣例になっている。
昨年4月からすべての商品に消費税込の総額表示が義務付けられた。「今度からは書籍もやっぱり総額表示よねー。なんでみんな、ちゃんと法律を守らないの!?」と、真面目な私は、新刊本のカバーに、わざわざ「定価:1575円(本体1500円)」と印刷したのである。
ところが、取次でストップがかかった。書籍の場合、「本体○○円+税」の「+税」という部分がないと流通できないのだという。仕方がないので、急遽、定価の部分に訂正シールを貼って納品した。予定外の出費である。
雑誌で認められている表示が、なんで書籍だとダメなのよ…と思ったけど、一応理由があった。雑誌と違って書籍は販売期間が長い。将来消費税率が変わったときに、いちいちカバーを刷り直すのは大変だ。というわけで、書籍の場合は、中にはさみこむスリップに税込価格を表示し、カバーには税抜価格を表示する、というのが普通のやり方らしいのだ。なるほど。
2冊目に発行した『嫌われ者のすすめ』は、順調に売れ、初めての増刷になった。大急ぎで重版したのはよかったが、奥付の「第1刷」を「第2刷」に変更するのを忘れていた。実際には重版された本なのに、みかけは初版と同じなのである。とほほ。
ただいま、3冊目の書籍を編集中。今度こそ、ミスがないようにしなくっちゃ。
1月17日、朝日新聞土曜版beの「編集長のツボ」というコーナーにロゼッタストーンが紹介されました。
日頃から知名度不足に悩んでいるロゼッタストーンですが、朝日新聞に掲載されたあとの1週間くらいは、インターネットでの注文や書店からの客注があいつぎ、改めて朝日新聞の影響力の大きさを感じました。
ロゼッタストーンは小さな出版社ですから、朝日新聞の全国版に大きく広告を出すなんて、まず無理です。取材時に、雑誌ロゼッタストーンの表紙の写真も小さく掲載されると聞き、今回の表紙はなるべくシンプルに、文字を大きくして、縮小されても最新号の中身がわかるように工夫しました。涙ぐましい努力です(笑)。
その甲斐あってか、書店での問い合わせも多かったらしく、「宣伝方法を変えたんですか?」と聞かれました。これまでロゼッタストーンにあまり好意的でなかった書店から「ロゼッタストーンのことを詳しく知りたい」と電話がかかってきた時には、感慨深いものがありました。
こんなに反響があるんだったら、もっと事前に書店営業をして、たくさん注文をもらっておけばよかったと後悔しました。ロゼッタストーンは書店にどーんと平積みになっているわけではないので、うまく見つけられないまま帰ってしまったお客様も多いと思うのです。
これまで、マスコミに紹介されても、それほど大きな反響はなかったのですが、やはり、発行部数が圧倒的に違うのですね。ただ、土曜版ということもあって、このコーナー、意外に出版関係者や書店関係者は読んでいない人が多いのです。一般の人たちのほうが、マスコミ人よりも、情報をまめにチェックしているのかもしれません。
朝日新聞がきっかけでロゼッタストーンを読んでくれた人の何人かは、編集部に遊びに来てくれました。読者の方と直接話すと、どの記事に興味を持ったのか、どこがよかったのかなど、ナマの声を聞くことができ、大変参考になります。今日も、たまたま会社がご近所だった女性が、「こんなに近くに、こんな雑誌を出しているところがあるなんて嬉しくて」と、立ち寄ってくれました。その女性は、ロゼッタストーンを電車の中で読んだり、会社の仲間に宣伝したり、ささやかなPR活動をしてくれているそうです。
熱心な読者は、本当にありがたいです。
ただ、こうした新聞の効果は一瞬の追い風にすぎません。まだ世の中には、ロゼッタストーンの存在に気づいていない人が大勢います。ちょっとずつでもクチコミで広まるように、より質の高い雑誌をつくっていかなければと思います。
ロゼッタストーンは今年の夏で創立5年目を迎えます。これまで細々と雑誌を発行してきたのですが、いよいよ今年は、書籍発行にのりだそうと思っています。ロゼッタストーンの日々のようすは、ロゼッタストーンwebの「ロゼッタストーン日記」で公開していますので、興味のある方は読んでみてください。
(http://www.rosetta.jp)