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百年を経て『南豫史』復刻の顛末

この春、総頁数1168という分厚い本を出版した。百年前に出版された本の復刻版である。新刊でさえ、本の形を成さぬままに電子出版されようというご時世に、なんと優雅な(無謀な)…。
しかし、これにはそれ相応の理由がある。
宇和島(愛媛県)出身の地域史研究家・神津陽氏と話していたときのことである。
実は、わが創風社出版、今年で30年を迎えることになる。創業30年を記念して、地方出版ならではの本を作ってみたい・・・そんな話をすると、神津氏が即座に言った。それなら『南豫史』を復刻してみては?・・・ (さらに…)

『けいかいくいき ぶたまるさんがいく』出版のこと

 「3.11」という日から、早くも二年が経とうとしている。
 日本中を揺るがせた東日本大震災・原発事故であったが、私たち西日本、それも四国は愛媛という土地に暮らす者は、直接に家を失ったり命の危険に曝されたりしたわけではなく、当事者として何かを語ろうとするのはおこがましい立場であることは、承知している。それでも、「3.11」という日は日本中を襲ったことには違いなく、その意味では起こったことと今後への責任も含め、私たちも当事者であり、私たちも今、「3.11以後」の日々を生きている。それは復興・再生を目指し営まれる日々であるはずなのだが、2年を経過し、どうも単純にそうとは言えない日々が刻まれていくようで、なんとも落ち着かない思いをしている。阪神淡路大震災の1.17以後とは明らかに違う空気のなか、日本は未だに五里霧中のなかを手探りで歩んでいるかのようにみえるのである。 (さらに…)

近況報告

 近年、小社で出版する本に厚い本が増えた。
 本来小社は、地方にあり極小規模、そんな立場でやれる隙間産業的な出版を目指してきた。すなわち、小規模出版である。本の形でいうと、文庫・新書・四六判などで、頁もあまり厚くない方がよい(250頁以内が好ましい)。そのかわり、表現者や研究者などの著者が、人生や仕事の節目節目に一冊の本にまとめることができる。そうして、次につなげることができる。そんな出版を基本としていた。
 が、ここにきて、A5・B5・はたまたA4とサイズが大きいものが増え、頁も400、500、ついには850頁という本までできてしまった。 (さらに…)

技術革新雑感

 地方で出版を始めて23年が経つ。未だに手探りで進路を探っている状態なので、そんなにも月日が経っていることに驚くばかりだが、ひとつ、確かに月日が経ったなあ、と納得することがある。視力の衰えである。日常生活に困るような衰えではないが、ウチは版下を自前で作る。これが結構堪えるようになったのだ。 (さらに…)

地方出版(創風社出版)はなぜやっていけるか

 「あの店はなぜつぶれない」というテレビ番組を見た。パッとしない店構え、いつ通りかかっても客が入っている様子はなく、店員さえいなくて、営業してるんだかしてないんだか…。でも、なぜか何十年もまえからその場所にあってつぶれない。その秘密は?と、東海林のり子レポーターが突撃インタビューを試みる、というものである。内幕を尋ねてみれば、どの店もつぶれないなりの理由をいくつか持っていて、なるほど、と納得させられる。 (さらに…)