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哈爾濱学院と内村剛介

 2013年10月26日、『内村剛介著作集』の「完結記念祝賀会」が恵雅堂出版の肝入りで開催された。会場は高田馬場駅前のロシア料理店「チャイカ」。当日、その全七巻と内村氏の肖像や生原稿などが飾られた会場には、未知の愛読者も含めて内村氏と近しかった人たちが集い、ひとしきり氏の軌跡とその業績を偲んだ。一同はロシア料理に舌鼓みを打ちつつ、関係者による興味深いスピーチに耳を傾けたが、そこにさらにピアノやヴァイオリン演奏も参加して愉しき会となった。 (さらに…)

吉本隆明と内村剛介

 今年前半、わが国の文芸ジャーナリズムで突出して話題となったことの一つに吉本隆明氏の逝去(3月16日)があったように思います。それはまさに「事件」と呼んでもいいほどであり、新聞各紙は「戦後思想の巨人」が世を去ったと報じ、また多くの雑誌はこぞって特集号や別冊を組んでその死を悼みました。そしてその余韻は今も静かに続いていると言えるかも知れません。近年一人の文学者の死がこれほど、言わば社会的注目を浴びたという意味では、記憶する限りあの三島由紀夫自決事件以来ではないでしょうか。ただ、三島がいわば壮年の頂点で劇的に自裁して果てたのに比し、吉本氏は大正から昭和、さらに平成の時代を生き抜き、生ある限り直面する課題を「考え抜く」というあり方を最後まで手放さなかったように思います。 (さらに…)

未知の読者からの手紙

ご承知のように出版社には、昔から読者の反応を知る手掛りの一つとして「読者カード」という方法があります。熱心な読者ほどそのカードを送ってくる傾向がある(と出版社は考える)ので、読者の反応を知る有力有意義なアンテナの一つであると言えるでしょう。ただ、そう言う私自身はどうかとなると、これまでそうしたことにはいたって不熱心で、出版社に対してカードを送った記憶が、申し訳ないけれども余り思い浮かびません。では著者に対しては? これも著者先生に対して読後感的なものを直接送り付けたという記憶は余りありません。 (さらに…)